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「あとね、すごく子供っぽいかもしれないんだけど、えと、クリスマスカードもあって。」
未菜ちゃんには子供っぽいと言われたけど、たくさんたくさん気持ちを込めたクリスマスカード。勇気を持って瞬くんの前に差し出すと、瞬くんは口元を手で覆って俯いた。
そんな姿を見て、一気に後悔の念がわく。
「やっぱり子供っぽいよね、ごめん。」
慌てて取り返そうとすると、瞬くんはクッキーとカードを胸に抱えた。
「いや、その、すごく嬉しくて。感動してる。」
嬉しそうに微笑む瞬くんに胸が高鳴る。
そんなに喜んでもらえるなんて、こっちが嬉しくなるし気恥ずかしい。
「瞬くんったら、大げさだよ。」
「結衣。」
「ん?」
名前を呼ばれたと思ったら、頭を引き寄せられてキスをしていた。
触れるだけのキス。
甘くて優しい。
やばい。
嬉しすぎてやばい。
こんなに幸せなことってある?
「結衣、今日はお泊まりできる?」
「お泊まり?」
「俺のマンション。結衣を帰したくない。一緒にいたい。」
「…うん。」
艶っぽく囁く声が頭を支配する。
私は反射的にコクリと頷いた。
未菜ちゃん、本当にお泊まりの流れになっちゃったよ。