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レストランは瞬くんが予約しておいてくれて、空港内にあるおしゃれなレストランだった。

窓際のカップル席は満席だ。

その窓からはちょうど滑走路がよく見え、飛行機の離着陸があるたびにワクワクした気持ちになる。


暗くなるにつれて滑走路に灯るライトがキラキラと輝く。前に見た展望台からの夜景とはまた違った、美しいものだった。


「すごく綺麗。夜の滑走路って初めて見た。」


「俺も初めて見たときは感動したよ。」


美味しそうな料理も運ばれてきて、仲良くシェアしながら食べる。初めてパンケーキを半分こしたときのことを思い出して、私はふふふと笑った。

あの時はいいのかなってすごく緊張したけど今日は違う。緊張も少ししてるけど、それよりも嬉しさが溢れてくる。


「結衣見て、ハート型のトマト。」


「わあ、本当だ。可愛い。」


瞬くんがお箸で摘まんだミニトマトは、偶然にもハート型をしていた。


「はい、結衣にあげる。」


「ありがとう。」


取り皿を差し出したら首を横に振る瞬くん。

よくわからなくて首を傾げると、


「口開けて。」


甘い視線で微笑まれた。


こ、こ、これは、「あーん」ってやつ!


悟ったと同時に、私は一気に緊張する。

恐る恐る口を開けると、トマトがぽんっと口に入ってきた。

満足そうな顔をする瞬くんを見ながらもぐもぐと口を動かす。


「どう?美味しい?」


「うん、甘い~。」


トマトも甘いけどそれよりも瞬くんの言動がいちいち甘くて、甘すぎて、私はもう最初から最後までスイーツを食べているんじゃないかと錯覚した。

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