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会議、旧連邦

サブタイトルの意味が解らない。本人も意味は分かっていないようです。私は知りません。

 というわけで始まった休暇を早速満喫……ということはなくまずはやらなくてはならないことを消化する。

「休暇の話は承知しましたが一旦、この部隊の指揮官と参謀は司令部に向かわなくてはいけません。仕事がありますので。申し訳ありませんが他の同志は別室にて待機をお願いします。これは重要な会議なので」

「分かった」

 皆が待機する部屋と司令部は正反対の場所にあるため鳥海と比叡がここで別れる。とは言え会議をしに行くだけなので特に何かあるわけでもない。

 そうして一行と別れた三人はそのまま司令部へと向かっていった……訳ではなく実際は武装した赤軍人達に守られた防音室へと入っていったのだ。

「同志、ここがその部屋になります」

「警備がかなり厳重ですね」

「ええ。同志鳥海をお迎えするのにこの程度では機密保持性を備えているとはお世辞にもあるとは言えませんがご容赦下さい」

「別にいい。まずはするべきことをしよう」

「はい」

 そういって室内にあった適当な椅子に腰を掛ける。わざとなのか、それともそもそものこの部屋の仕様なのか乱雑に置かれた机や椅子は誰が誰に向かって話しているのかを悟られにくくするようになっている。

「で、とりあえず現状の確認と今後の予定について確認したい。今どこと連絡がつく?」

 椅子に腰かけて早々に顔の合わさらない言葉だけがこの空間を浮遊する。また全く別の椅子に腰かけた赤の銀華が答える。

「共和国、合衆国との連絡は共同体政府が行い相互支援の要請が入っております。向こうからは治安維持のために必要な物資が送られてきますが人員は来ません。つまりはほんの一瞬だけ、我々の存在は再び表舞台に立たされることになると思われます」

「……続けろ」

「しかしながら我々空挺軍は特殊部隊の扱いです。あまり目立つことができない現状で表舞台に立つことの危険性は向こうも承知しております。いくら同盟の要請とはいえ奥の手を見せるわけにはいかないのです」

 何を言っているのかわかりにくい会話が続く。まるで話が嚙み合わないように始めから決まっていた暗号で話すようにスラスラと不可思議な言葉を並べてゆく。

「それで、どう答えたんだ?」

「はい。我々は賓客、軍事的重要人物を警護する任務を受けたという名目で外務省から警護命令が下されています。これを利用して貴方の存在を秘匿すると同時に我々も表立った行動が起こせるようになりました。皆様を確実に本国へと輸送するための艦隊の手配もかなり楽に行うことができました」

「ああ。助かった」

「ですがその代わりにご帰還が遅れる結果となってしまうことになります。それは……」

「待て。話が見えてきた。つまり俺達はこの期間、軍事施設の視察を名目に各地を回りながらウラジオストクを目指すわけか」

 面倒な事このうえない事態に発展していたのだ。つまり彼らが安全に――ここで言う安全というのは彼らの存在自体が第三者へと知れ渡らないことである――帰国するために必要な軍艦の母港があるウラジオストクへと向かうためには来賓という形で数多のカモフラージュ用に用意された軍人達に混ざらなくてはいけないということになるのだ。木を隠すなら森の中に、というわけだ。

「勿論、お望みでしたらそれ以外の場所にもお連れすることが出来ます。あくまで賓客、しかしながら軍人であるということにより各地の視察を予定として登録させております」

「成程、それが理由で陛下に空挺軍の制服をお渡しになられたのですね」

「ええ。そうすれば拳銃を携帯していても警護のためだと相手に納得させられるからです。またあのプリーズラクに遭遇した時に一般の軍人では歯が立たないことは先日の戦闘で解っていますので」

「そうでしょうか中将。実際に貴女は残滓の一体を倒していることは我々が知っています。本当にそれだけが理由なのですか?」

 当然と言えば当然の質問に少し場が鎮まる。数十秒の思考を置いてローザは静かに答え合わせを始める。

「確かに、私は残滓の撃破に成功しました。ですが、それは私の実力ではなく、彼が持っているその拳銃……M1911が理由であると思われます。参謀官、貴女に言うべきではないかもしれませんが本国にお帰りになられた際には彼の武装を調べてみてはいかがですか?皮肉ではありませんが何かしら神聖な力が宿っているのかもしれません」

 彼女の話に妙な納得感を覚えた比叡は考え込むようにして何も返すことはしなかった。しかし少年は、ある一言にだけ言及した。

「神聖な力なんて、その時の魔女狩りを恐れた結果にできた出任せでしかない。誰かが救われても誰かが死ぬようなものを神聖と言えるわけがないのに誰もそのことについて触れようとはしていない。それは、伝統といういつから続いているのか判ったものじゃない言葉で人々の思考を阻害しているからなんだ」

「……同志。神聖でも犠牲はつきものでしょう。革命と同じように赤いのですから」

「そうだな。そろそろ戻ろうか」

 少年の一言を皮切りに三人はその謎の部屋を後にした。

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