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電撃少女攻略戦

あけましておめでとうございます。本年もこの小説は続きますのでよろしくお願いいたします。

見かけが某ビリビリと同じように感じられますが全くの別物です。あのキャラクタは知っていますけど結局王道なんですよね、電気って。

あ、特に気にしないで結構です。

「どうすりゃいいんだよこれっ!」

 機械達の残骸や重厚な扉に摩耶が簡単な補強を加えただけの簡易掩体の中で秀明は叫ぶ。先程から手当たり次第に銃弾の入った武器を拾っては撃ち尽くすを繰り返しているが灼熱と轟音、そして青白い閃光を従えた少女には到底届かない。

「銃を撃ってても無駄だ、全て彼女の前で電撃に弾かれてる。足止め程度にしかなってない!」

「でもあの中を突撃して白兵戦なんて出来ないっスよ!」

 同じ掩体の中で彼に渡すための銃を探している隆盛が嘆く。後方ではこの状況を打開する術はないかと年長組が必死になって考えている。

「とにかく足止めにでもなるなら撃ち続けるしかっ!」

 反対側の開いたドアに身を隠しているマルカがAN-94を撃とうと掩体から身体をほんの少し出した瞬間、蝶番を補強して動かなくしようとしていたミアの目に何かが写った。

「危ない!」

 突然、彼女の真正面に高速で何かが迫ってくる。飛んでくる物体に気づいたミアが彼女を部屋に引っ張り込み難を逃れる。

 ぶつかった衝撃で固定されたドアが吹き飛ぶ。蝶番が壁から剥がれたため壁が破損することはなかったがいきなり引っ張られた彼女は少女を巻き込んで部屋の中に転げた。

「ありがとうございます」

「ええ、まだ撃てますか?」

「大丈夫です。貴女こそ怪我はありませんか?」

「問題ありません」

 そういうと彼女はドア枠から顔だけを出して銃撃を再開した。


 当然、前から何かが飛んでくる場合にはぶつかった時点で威力を殺しきれずに後ろの方まで跳んでくる場合もある。

 そして運悪く後ろまでかなりの勢いで飛んできてしまった。それは榛名とリーが隠れている胸下くらいの高さの機械やら何やらの残骸の山に突き刺さった。

「きゃっ!」

「榛名殿!」

「っ、大丈夫よ!」

 ぶつかったときの衝撃音に驚いたが特に貫通している様子はなかった。榛名は射撃を再開しようと身を乗り出すとそこに突き刺さったものに彼女は目を見開いた。

「これは、機械兵!?」

「なんじゃと?彼奴はあれをここまで投げ飛ばしたのか」

「これも彼女の能力なのかしら」

「分からん。じゃが少なくともあの輸送機を投げ込んだのは彼奴じゃろうな」

 すると反対側から声がかかる。

「大丈夫?貫通してない?」

 見れば向かいの室内から大量の武器弾薬を持ってきては前にいる隆盛に投げ渡している弥生と偶々見つけたRPG-32と十数発のキャニスターを用意して撃ち込もうと装填作業をしている吹雪が見える。

「大丈夫よ!そっちは何をしているの?」

「これをねぇ、撃ち込むんだよ!」

 装填を終わらせた砲身を肩に担いだ吹雪は照準を合わせる。そして掛け声とともに一気に引き金を引いた。

「撃つよぉぉぉ!!!」

 爆発音と共に発射されたロケットが少女に向かってい一直線に進んでゆくのを見守っているかつてない緊張感の中、彼女達は射撃を続けるのだった。


 前から三段階に分かれて左右それぞれに二人ずつ、最後方の階段前では比叡が必死になって対策を考えている。

「どう攻略するんだい!」

「相手の迎撃能力、それさえ封じてしまえば……」

「封じるって言ったって銃弾を弾かれているわモノが飛んでくるわで近づけないよ!」

 その時、吹雪の声を聞いた比叡は摩耶の肩に手を置く。

「摩耶、少し顔を出すわよ」

「この際何でもいいよ。とにかくあの子達を助けないと!」

 そして数秒もしないうちに突入したロケット弾はあっけなく少女の作る厚い電撃の防御壁に阻まれてその場で爆発した。

 しかし、比叡が注目したのはそこではなかった。なんと少女は爆発を回避したにも関わらず少し後退したのだ。

「これなら行ける」

「どうするんだい?」

 指示を求めてくる彼女にあくまで可能性の話として冷静に説明をする。

「恐らく彼女の電撃は自動で迎撃をしているのではなくて一度彼女が認識しなければ対応できない……つまり半自動で迎撃を行っているの」

「なんとなく先が読めたよ」

「ええ。でもここからは賭けよ。もし私の仮説が間違っていれば何人かは彼女の投げ飛ばしてくる物体で怪我をするし最悪、戦死するわ」

「でも、賭けるしかないんでしょう?」

「そうね。賭けの内容は二つ。一つ目は大量の銃弾で弾幕を張って意識の隙間からロケット弾をぶつける。二つ目は……誰かが彼女の後ろから気づかれることなく攻撃を与えて怯んだ隙に全員で飽和攻撃を行う。これしかないわ」

「二つ目の実行は、現状だと難しそうだね」

「ええ。だから今は一つ目でいきましょう」

「分かったよ。ソウ!機関銃は撃てる?」

 二つ返事で参謀の作戦を了承した副隊長は向かいにいる宗一郎に指示を飛ばす。

「ええ、お騒がせしましたがようやく使えるようになりましたぞ!」

「分かった。どんどん撃って弾幕を張ってくれ!」

「承知いたしましたぞ!」

 すると今度は前にいる吹雪に声をかける。

「吹雪!もう一発ロケットを装填してくれ!弾幕の中からそれを撃ってみるんだ!」

「分かったけど、これは弥生ちゃん達にも撃ってもらったほうが良いのかな?」

「そうしてくれ!」

「了解だよぉ!」

 そうして横へ前へと指示が伝わってゆく。

 そして十秒もしないうちに準備のできた宗一郎とユリアが銃撃をはじめ、それを合図に比叡も含めてこの場にいる全員が銃弾の嵐を少女に叩き込んだ。

 あまりの銃弾に耐えきれなくなった少女は全ての力を防御に回し、ゆっくりと後退を迫られていったのだ。

 しかしここで予想外の事態が起こっていた。確かに少女を燃え盛る輸送機の前まで下げることには成功したがもし先程の比叡の考えが正しければ幾らか負傷を負わせることもできたはずだ。ただ残念ながら少女は下がってもある一定の距離より近くに銃弾の飛来を許してはいない。

 だがそんなことも確認できない状況では作戦通りに実行するほかなかった。

 慎重に照準を合わせた吹雪が爆発を発生させる。すぐに第二波のために装填を開始したため効果を確認することはなかったが、数秒後には爆発がこちらまで届いてきたのだった。


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