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違和感

違和感のあるサブタイトルだと思いますが、これに大した意味は持たないので兎に角気にしない方針で行くことにしました(それを投げやりという)

さて、いよいよ私の物語も沢山の方々に見ていただけるようになってまいりましたが私はいつも通り、のんびりとやらせていただきたいと思います

 少年は部屋を出てすぐに左へ向かった。理由としては扉のすぐ横に先程の給仕が待っていたからだ。

「どのくらい経った?」

「二十三分十二秒経ちました」

 これほどにまで正確に時間を知っているのも彼女が時計を見たからではない。彼女の中にある何かが教えているのだ。

 彼もその正体には気づいているが、無表情を貫く給仕にかまけている暇などなかった。

「それで、カウロフ大佐の執務室とは」

「大佐の命令に従い貴方を執務室までご案内します。付いてきてください」

 言い終わる前に彼女が話を始める。あまりに無機質な言い方をしている彼女だが大した反応も示さないでとりあえず後ろをついていく。そんなものだと割り切っている彼にとっては些細な問題に過ぎない。彼は行かなければならないのだ、彼女に会いに。


 どのくらい歩くのだろうか。全く変わり映えしない基地内を歩いていると自分がどれくらい歩いたのか、そもそもどこへ向かっているのかすら分からなくなってくる。

「結構遠いんだな」

「この基地の構造上、上級士官の執務室を増設する必要がありました。その為、別棟を新しく建設したのです」

「元は違ったのか?」

「元々は連邦宇宙局、現在の航空宇宙省になります。そこでスペースシャトルの着陸場として使用されていました。しかしスペースシャトル計画が終了したためそれを航空宇宙軍の発足と共に貰い受けたということになります」

 元は民間――国家産業ではあったが民間企業が出費して開発したため――の空港だったので当然ながら基地としての運用は計画されておらず、あったものといえばだだっ広い滑走路と管制塔、それと職員が待機するための施設、輸送機やスペースシャトルを収容するための格納庫があったくらいで司令部なんてものはない。

 そのため貰い受けた後にそれらの関連施設をあまりに余っている土地に増築したのだ。よく見ると何度か不自然な繋ぎがあったり恐らく到着したスペースシャトルを見るための滑走路が見える渡り廊下などといった確かに始めから軍用施設として作られていない事がわかる場所もあった。

 つまり、この施設は外から見ると結構いびつな形をしている。どこからは入れてどこから出てこれるのか一目では分からないし自分がどこへ向かっているのかも分からない。かなり複雑な構造が自然と出来上がった、設計図のない要塞が出来ているのだ。

「因みにですが我々は今、基地を横断しております」

「相当遠いな」

「もう慣れたので私は大丈夫ですが、どこかで休息をしましょうか?」

「いや、問題ない」

「承知致しました」

 そう言うとまた彼らは黙って前へと進んでいった。


「そろそろ到着致します」

 またどれくらい時間が経ったのだろうか。渡り廊下から見える滑走路はそろそろ終端に向かっており、そこを抜けるとまた一風変わった場所に出た。まるでここが増築した場所であると言わんばかりに主張してくるのだ。ワインレッドに彩られた絨毯から足音が消え,

また再びの静寂に包まれた。

「そういえば誰にも会わないな」

 いくら歩いても一切の問題のない彼だが誰もいないというのは少々不気味なものを覚える。こちら側に軍用設備が整っていると先程の説明を全く信用するならば何人かの士官、もしくは下士官とすれ違ってもおかしくないはずなのだ。

「そうですね。今はお昼時ですので恐らく食堂の方へ行かれたのでしょう。後で皆様にもお食事を提供させていただきます」

「俺のは後でいい」

「承知致しました」

 かなり不自然な返され方をした。今歩いているこの場所は恐らく一階――この施設に来てから一度も階段を上っていないのでそうだと思われる――で更に施設全体を横断しているのだから食堂も見かけるはずである。元々は宇宙産業の為の施設なのだから二階以上の階に食堂があるとは考えにくい。彼らの作業場は主に外になったはずだ、そこからアクセスの良いところに食堂を構えることは自然と言える。

 しかし、ここでその議論をしていても仕方がない。結局それに関する明確な証拠もなければだからどうしたというわけでもない。問題にすらならないのだ。

 そのまま幾らか歩いていると不意に、彼女の足が止まった。それに合わせて少年も足を止める。

「こちらになります」

 どういうと彼女は扉をノックする。中から知っている声が聞こえる。そして彼女の手が取取っ手に触れ、ゆっくりと押し込まれる。ここから先は支援のない戦争と大して変わらない。

 しかし前回と違うのは始めから銃をお互い突き付け合わないところと、相手のことを少し知っているところだろう。いずれにせよ戦い合わなければならないのには変わりないだろうが少しでも、余計な犠牲を払わない方法を模索できるはずだとまだ機械を機械だと割り切れていない自分をどうしようもないと思いながらも仕方ないとも思っている。相手は彼女そっくりでありまた、別の彼女でもあるからだ。

 そんな考え自体が間違っていたと思わざる得ない状況になるのだろうが今は目の前のことに集中することにして、ゆっくりと門を潜り抜けた。


スペースシャトルの滑走路ってどれくらい長いのだろうか

想像だと空港の滑走路程度だと思ってるけど

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