皆でお出かけ 前編
後編もあります。
さてさて、遂に、私の投稿した小説が十万文字を達することができました。
モチベーションをここまで維持できたのは誰かが見てくれるというものだったのかもしれません。実際、今回が一番モチベーションが低いままだったので。
とはいえこれで終わらせるつもりは微塵もありませんのでこれからもどうぞよろしくお願いします。
あれから数日が経った。何も分からないことで話は出来ない彼らは今日だけは一旦忘れることにした。
なぜなら皆でショッピングモールに出かけるからだ。例の件を知っているのは何も全員じゃない。教える必要はないし教えたところで不安が広がるだけだ。
さて気を取り直して、朝から楽しみにしていた女子達は大はしゃぎだ。起床してからというもの士官食堂で全員集合してはいつから計画していたのかショッピングモールの地図に赤いマーカーで線が引いてあるものを持ってきた。この導線の通りに進めば行きたい店全部を効率よく回れるようだ。
しかも比叡も参加したのだろう。タイムスケジュールまで組まれている。これの通りに動かないと駄々をこねられそうだ。
「すっげえな。よくこんなの用意したもんだ」
「みんな楽しみにしてたからねぇ」
広げられたものを見た秀明は素直に彼女達を褒める。どうやら吹雪にも隠していたようで、とはいえ同じ部屋なのだから何かをこそこそやってたことは気づいていたんだろう。驚きよりも嬉しさの方が彼女の感情に最も似合う言葉かもしれない。
「で、これの通りに進めばいいのか?」
「いいえ、この後は各自で自由行動になります」
比叡がスケジュールを指しながら説明する。
この計画書、実は昼までしかないのである。行きたい店に各々が付けたマークはあるが個々の行きたいところが結構な距離が存在する為全員で行くことを断念したのだろう。
「そこで、この後のグループを決めたいのですが、女子の方はもう既に決まっておりまして……」
「え、ボクのも決まってるの?」
「そうだよ!ブッキーは弥生と一緒に回るんだ!」
「そうなのぉ、ありがとう」
「えへへっ」
弥生はしっかり吹雪が好きそうなところを調べてきたようだ。まるで妹にサプライズをされたの姉ようなかんじだろう、先程から吹雪の幸せオーラが止まらない。
よほど嬉しかったのだろう、隣に座っている妹分の頭を優しくなで始めた。そうしてあげるとそっちもそっちで嬉しかったみたいだ。
まるで猫の母子を見ているような気分になるが今日はずっとそれを見ていられるほどの時間がない。
いつの間にか朝食は終了したのだがグループの方は決まっていない。もうそれはお昼に決めることにして早速部屋に戻って着替え始める。
女子の方はもう決まっているから早いのだが最も問題なのが鳥海だ。彼が一番面倒くさい。
服が決まらないタイプの人間ならどれほどよかったのだろうか。残念ながら彼はその逆で、そもそも変装した潜入戦闘以外に私服に腕を通す機会が全くない。私服は前回に皆に言われていくつか持ってはいるが本人がどれも着る気がないのだ。
結局彼は目立たない服装を選びがちになるのでその為、世話好きな少女達があれにしようこれにしようと服をとっかえひっかえしながら彼の服を決めているのだが……そもそもそこまで種類があるわけではないので大した時間はかからなかった。それでも十数分はかかったのだが。
「……待たせた」
「お、似合ってんじゃないか。良かったな」
超自慢げな少女達を侍らせた彼を見た姉は普段なら絶対しないであろう服装をしているのを見てつい茶化してしまったが、本人もこの服装が気に入ったのか大した反応は示さなかった。
さて、皆でわいわいがやがや騒ぎながら移動すること三十分。やっとの思いでかの場所に着いた。その後はもう大変、ハイテンション女子の猛攻撃を男子諸君は全力で受けきらなくてはいけない。これはいくら能力があろうとも避けきれないだろう。
まず、スケジュールによって決められた店をまわり始める。その間男衆は何もすることがないので彼女達に付いて行く。しかしファンシーな店に男が入っていく事には多少の抵抗があるだろう。まあ、例によってファンシーとは何か辺りから教えないといけない彼は全く気にしていなかったが。
そして次に面倒なのが大人数で移動しているのにいくつかのカップルグループを形成しているところだ。これは本当に不思議な光景だろう。彼氏彼女のダブルデート、トリプルデートになるのなら良かったのかもしれない。だが実際はそれよりも大規模で最も小規模なものだった。
そもそも、だ。一人の男に何人の女が求愛しているのかと問われてこれに範囲があるあたりが不思議でたまらない。普通なら多かれ少なかれ人数はある程度で確定されそれが増えることはあっても減ることはないだろう。大人数なだけで多くの注目を集めているのに一人の男子に六人から八人の、しかも他のカップルの彼女からやって来る女子もいるのだ――とはいえ中身を見てみると宗一郎と仲良さげに話をしている姉とその人に認められた姉である吹雪の二人なので仲間内では大した問題にはならないが――もうこうなったら周りの男は嫉妬どころか啞然としてしまっているほどの状態を維持するほかなかった。羨ましいのか?
結局、諦めてすべてを受け入れた彼らはそのままの勢いで昼食を取れる場所を探すのだった。
まあ、一夫多妻制を取り入れている国家が現実よりも多いことはご承知ということで
ご愛嬌という事で




