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プロローグ

自分が初めて作成、投稿するものとなります。不定期かつ字数が少なく中途半端なところで切れるというとんでもないものです。出来は散々かもしれませんが、ご指摘等よろしくお願いします。

真に孤独とは、結果的なものであり必然的なものであると思う。

 地位も富も名声も孤独には抗えない。


  絶望が彼らを襲った。

 一度だけではない。連鎖的に急速に広まり更なる絶望に見舞われた。

 人々は後にこう呼んだ。

終焉(しゅうえん)の始まりだ」、と。

 その時、一部の人間にある変化が生まれた。

 『能力』を手に入れたのだ。

 その『能力』は戦争に使われ、能力を持つ人も持たない人も消え去ってしまった。12年にもわたる大戦の末、能力者の95%は消え、その戦術的価値は増大した。

 彼らは『ジャガーノート・アルファ小隊』。全員が能力者という奇跡の小隊。これは、その絶望と希望の物語――


…きて

…起きて

...早く起きて

全てが亡くなる前に、この世界を改編させて――




 春の日差しが射し込む朝。

 広大なグラウンドには迷彩服を着た()()()がナイフを使った格闘術の訓練を行っていた。

 ここは共和国国防軍最大の基地、『キャンプ・ラムシュタイン』だ。

 ここには15,200人で構成された共和国国防軍特殊作戦群、通称『ジャガーノート』の構成員が駐屯している。

 部隊の約90%は女性兵士だ。更に全員13~18歳迄の少年少女だ。

 そんな朝の訓練風景を1人の少年が丘の上から眺めていた。身長は160cm位、血のような髪色をして少し長め。赤ふちに黒目の、軍人にしては細身の少年だ。彼の名は大井鳥海(おおいちょうかい)、17歳にして階級は最高指揮官に当たる統合軍長(とうごうぐんちょう)で現在は会議の前の暇な時間を使って訓練の様子を俯瞰しに来たのだ。

 彼はひとり誰に話すわけでもなく呟いた。

「なんでこんな事になってんのかなぁ」

「閣下もご存知の通り、この世界の20~40代の男性のほとんどは、先の世界大戦によって7割が死亡、残りの3割も肉体的、精神的に障害を残して生活もままならないのです。こうして国防に励む事が出来るのは我々しか居ないのですよ」

 いつからいたのか1人、灰色の髪を腰まで伸ばし金色の目をした女性兵士がすぐ後ろにスッと立っていた。背丈は鳥海より少し高いくらいか。

 鳥海はその女性兵士を一瞥もせずに続けた。

「参謀長……それは勿論分かってるが、全世界同じ状況なんだろ?」

「ええ。その通りです」

「なら戦争なんてしないで単一国家になれば楽なのにな」

 軍人としてあるまじき発言を鳥海は続けているが、いつものことなので気にせず参謀長、もとい霧島比叡(きりしまひえい)は返答した。

「資源の少ない国がゲリラの的になってますからね...資源が無くなれば実現出来そうですが」

 この世界には大小様々な国があるが、大まかに分けて2種類に分類される。

 『資源』がある国とない国だ。

 その資源がある国の中で5つの大国、もとい大戦勝利国を『大戦五大国』と呼ぶ。

 内訳は合衆国、旧連邦、共和国、皇国、そして自治国家だ。

 大戦時、合衆国、旧連邦(当時は連邦共和国)、共和国の3国は、国土が大きいことから『大国同盟』という名の同盟を結んで相互協力、相互不可侵を掲げている。

 大戦時唯一の中立国だった皇国は、主戦派と非戦派に分かれ内乱を起こし、鎖国状態となっている。

 自治国家は大戦勝利後から動きが怪しくなり、特に国家主席が変わってからというもの、合衆国へのテロリズム、ゲリラの活動が激化し始めた。

 ここ、共和国も資源がある国の1つである。資源がある国はこうして国防を固められるが、ない国ではそうもいかない。結果的にゲリラの格好の標的となって紛争が終わらないのだ。

「そこんところ、なんとかならない?」

「無理でしょうね」

「即答か……それで、要件は?」

「はっ、もうじきブリーフィングを始めます。アルファ小隊のほかの方はもういます。お急ぎを」

「はぁ……面倒だが仕方ない、行こうか」

 彼は参謀長を連れ、その場を後にした。


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