表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/82

67. 第1試合:傷心試合

だいぶ遅くなりました! 第1試合です、でも終わりませんでしたm(__)m

次回終わる...予定です!

まだしばらくユイナの出番が無い気がしますが、もうしばらくお待ち下さい(^-^;


ちょっと流れが分かり辛い..かもしれません。


1/29 修正しました。内容に変化はありません。


『第1試合はミデン対トスコロカリア! 選手入場です!』


競技場のリンクの両サイドの入り口から現れる代表たち。両街の応援団や貴族たちから声援や拍手が飛び交う。


『ルール説明です! この試合は魔法大会の目玉である魔法道具マジックワールドによって創られるこの競技場の大きさのフィールドで行われます。まずコイントスで出た街にフィールドの選択権が渡ります。フィールドの種類は5つ。街、森、湿地、草原、荒野です。』


競技場の景色が次々と変わっていくのにどよめく観客たち。


『どのフィールドも起動するごとに景色が変わるので地理的有利不利は代表の力量次第! そんな環境で各チームには岩の球を死守してもらいます。相手チームの岩を完全に砕くと勝ち! なお岩は動かずにフィールドの両端にあります。

選手にはそれぞれ高度回復魔法とフィールド外への退場の効果の付与されたバッチを着けてもらいます。致命傷や命の危険、魔力切れが起きた場合回復魔法が作動し退場となります。その選手は再びフィールドに入ることは出来ません。

観客の皆様、フィールドと観客席の間にはには結界が張られていますのでご安心ください。

ルールは以上! では第1試合開始です!』


ワアッと歓声に包まれる競技場。その中心高くに浮かぶ魔法道具、マジックワールドが半透明な結界を拡げ、フィールドをドーム状に覆う。


『さて、コイントスです! ミデンは表、トスコロカリアが裏! 今、投げられました! 結果は........ミデン! ミデンチームにフィールド選択権が与えられます!』


ミデンチームはしばらく話し合ってマジックワールドに手をかざす。と、滲むように結界が緑色に変化した。

どよめく観客の視線の先で半透明だった結界内部に次々と緑の影が伸びる。

一際強くマジックワールドが光ると、競技場のフィールドは深い森に変化していた。


『ミデンチームの選択したのは、森フィールド! 太い根の張った木々の枝葉で鬱蒼とする起伏の激しいフィールドです! ミデンチームは全員獣人! その高い身体能力はこのフィールドではかなり有利ですね!』


『えぇ。しかも今回出場のミデン選手はパーティーでの参加、連携も相当な完成度でしょうな』


『しかし、トスコロカリアは優秀な冒険者が揃う街だ。しかも、対応力が高いベテランが2人もいる。アインシュバルトほどではないが強い街だ』


観客の目にはマジックワールド内の木々や枝、通常なら上からなら殆ど見えないはずの地面ががはっきりと見えている。

更には地面を踏む音や息遣い、作戦を練る声まで。

観客がフィールドの出来事にのめり込めば込むほど、マジックワールドは人々に自分達もその風景の中にいるような錯覚を覚えさせるのだ。


『さて! 準備時間の5分が経ちました! 両チーム、位置につきました! それでは! 第1試合開始です!』


『おっと! ミデンチーム、早速攻めていきます! ミデンチームはライオンにワシ、ヒツジのパーティー! ライオンのガルドが孟スピードで上がっていく!』


木々の根っこに足をとられることもなく、がっしりした体躯でしなやかに枝を避けて駆けていく。

筋肉の塊のような見た目からは想像できないほどその身体は軟らかいのだ。


「いくぜヒョロヒョロども! 蹴散らしてやるッ!!!」


あっという間にフィールドを4分の3走破し、守りを固めるトスコロカリアチームの視界に躍り出る。


「今だ!」


「〈鉱石よ、回り集いて放たれよ!〉 岩の鏃(ロックスピナー)!」「...追風の鳥群(ついふうのはばたき)!」


が、複雑な魔方陣から放たれた魔法に晒される。


「クソが!」


枝を掴んだ反動で木に登って土魔法をかわしたが、50羽を越える風の鳥たちは方向を変えて再びガルドへ突進する。

森の中に引き返したガルドをしつこく追い、通り道にある枝が切り落とされる。


「あ、悪い。届かないわ、これ」


木々によって風の鳥は減っていき、ガルドまでは到達できなかった。

放った本人の小柄な魔術師が言ったとおりになって、まとめ役のメガネ青年は後ろを振り返る。


「やれるか、ラフトア」


頷いたのは小柄な少女。

その身体に不釣り合いな長杖を掲げると、2メートルもの直径の魔方陣を展開する。

先ほどの戦闘の間に詠唱しておいたこの魔法の照準は、ガルドへ。


「おいちょっと待て! 死ぬっ、それ死んしまうじまうって!?」


急いで起伏の激しい森の中へ逃げるが、メガネ青年の土魔法がガルドの脚を地面に沈ませる。


「くっそおぉぉぉっっ!!! 抜けろぉぉぉっッ!!!」


もがくガルドを哀れむように、メガネ青年は更に拘束をキツくしていく。


「まずは1人目だ。やれ」


「は、はいっ! ...ごめんなさいっ!」


少々ビビりなラフトア。一方的な攻撃をすることに謝りながら放つ魔法は、とどめの一撃だ。


「...絞殺鎖蔦(アイアンイヴィー)


鈍い光を反射する茨が魔方陣から生え、ゆっくりとガルドの四肢を絡めとっていく。最初こそガルドの馬鹿力によって引き裂かれていたが、茨の本数が増えていくにつれガルドの毛皮を貫き、その肉体に鉄の棘が食い込んでいく。


『これは! ラフトア選手、なかなかエグい魔法を持っていた!? ロイド様、これは....?』


『土・水魔法に分類される植物魔法ですな。上級複合発展魔法とは若いのに優秀な魔法使い、将来聖教魔法大学(うち)に来てもらいたいのぅ。フォフォフォ、見応えがありますな』


ギリギリと茨がガルドの胴体を絞め貫いていく。

早速一人目の障害を除去したとメガネ青年がほくそ笑み、少年を率いてミデンチームの岩へと攻撃に入ろうと歩き出した。


「おいメガネ待てって! ここにラフトアちゃんを1人置いてくつもりか!?」


蔦の聖女( あいつ)なら1人でも防御出来るだろう。早くこい蒼空の司(おまえ)は陽動役だろう」


蒼空の司(そらのつかさ)ことイーグレットはメガネ青年の情のない言葉に身を凍らせる。たしかに試合前に役割分担をしたとはいえ、パーティーを組んだこともない他人に問答無用に命令されるのはごめんだ。


「なにをしている? そのライオンはもう終わりだ。次だ、鷲にはお前の魔法が有効と考えるが」


メガネ青年の言うことは間違ってはいない。が、効率を求めるあまり味方にとって気分がいいものではない。


「てっめぇ、人を道具みたいに言いやがって....」


噛み締めた歯の奥から吐き捨てられたイーグレットの怒りに、メガネ青年は呆れたように右手を翳す。


「...なにする気ですか!?」


ラフトアの震える問に返って来たのは、冷酷無慈悲な答えだった。


「〈鉱石よ、方形尖り集いて枷となれ〉岩の誓枷(ストーンコントラクト)


それは服従の岩の首輪。

鉛色の魔方陣から現れた四角垂の石がイーグレットの首に輪を描いて浮かび回る。


「てめぇ....!? んだこれ!?」


「イーグさんっ!?」


イーグレットはそれらを掴もうとするが、磁石が反発したように逃げられる。


「俺に従え。断ってみろ、首を断たれて死ぬぞ。バッチの回復魔法も間に合わない」


「っ.....!」


メガネ青年の言うとおりだと、脅すように石の1つが妖しく光を反射する。


「そんなっ、やめてください!」


ラフトアの悲痛な叫びは全く青年には届かない。

石の環が急速に回転したかと思うと、イーグレットの首に石の首輪が付いていた。


蔦の巫女(イバラヒメ)、そのライオンを殺してそこで岩を守ってろ。逆らったら蒼空の司(そいつ)を殺す。忘れるな」


吐き捨てるように言い放つと、メガネ青年は森へと入っていく。

イーグレットは立ち尽くして泣きそうなラフトアに笑いかけ、メガネ青年の後に続いて行った。


「....てめぇらのボス、どんだけ歪んでんだよ...ごふっ...」


茨でがんじがらめになったガルドが、蔦の隙間からラフトアを見る。至るところに刺が刺さりもはや行動不能だ。


「あ...あぁっ...」


殺す と言った隊長の言葉が、血濡れのガルドをイーグレットに思わせる。そして、とどめを任された自分と、冷酷なメガネ青年が怖くなった。ひきつった喉が、ラフトアの心拍を明確に速くしていく。


「早くやれよ、鳥バカが殺されちまうぞ」


そんなラフトアに、ガルドは呟く。

諦めたように抵抗をやめた彼の言葉はパニックに陥っているラフトアに届いた。脅えたような、1つの希望を見たようなラフトアの瞳に、ガルドは眼を反らす。


「あの鳥バカ助けてやれるの、お前だけだろ。まずはほら、俺倒して命助けてやれよ」


「....いい、の?」


敵チームを、しかも私情を助けるようなことを言うガルドに、ラフトアは涙目を見開く。


「やれよ。そもそも俺は倒されて当たり前だしな。あの鳥バカの魔法には負けた」


あのメガネに命令された事だとしても、自分が負けたのはイーグレットとラフトアの魔法だ としまいには笑って敗けを認めるガルド。


「だからほら、さっさと俺に勝て」


そんなガルドに、ラフトアは再び涙を流す。


「...ごめんなさい...ありがとう」


致命傷を見込める胸に、茨の刺が突き立つ。


「いいってことよ」


毛皮が赤く染まると、バッチの効果によって治癒魔法の光の柱が高く空へ、フィールドの外へ翔んでいった。出血過多で転移されたのだ。


『なにやらゴタゴタがあったが、ここでミデンチームのガルド代表が脱落! 前衛が1人墜ちたミデンチーム、本格的な戦闘はまだだが戦況はトスコロカリアチームが有利か! 両チーム2人で前に出る! ミデンチーム側の森で激突しそうです!』


ラフトアは眼を堅く瞑って、ごめんなさい と呟く。

血の跡が残る茨の束の枝先には、血色の真っ赤な薔薇が満開に咲き誇っていた。



























文章こうした方がいい、とかワケわからなかった な人は遠慮なくどうぞ!

こちらも構成が自分でもわけわからないので、整理します!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] >フィールドの種類は5つ。街フィールド、森フィールド、湿地フィールド、草原フィールド、荒野フィールドです。 フィールドと言う単語がダイエットできそう。 種類は5つ。それぞれ街、森、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ