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50. 魔法大会予選 3

新元号 「令和」になりましたね。本当はそれに合わせて投稿しようと思っていたんですけど、なかなか時間が無くて遅くなってしまいましたm(__)m


再び一時間の休憩を挟み、第5試合が行われた。

両者とも激しい魔法の撃ち合いの末、決着がつかないまま双方とも魔力切れを起こし、急遽、ポーションを使用して続きが行われた。光魔法使いの攻撃は水魔法使いの霧によって無効化され、水魔法は光で相殺される一進一退の試合。観客もハラハラしながら見守り、夕方。集中も切れ、体力も気力も尽きかけた両者の決闘は、水魔法使いの魔方陣の展開ミス(自爆)による光魔法使いの勝利となった。

長時間の試合中、結界を維持してきた魔法使いのため、三度の休憩に入り、観客からはブーイングが沸き起こる。


「おい早くやれ!」


「長いんだよ! あと1試合だろーが!」


ざわめき、口々に不満を言う観衆に、係員が総出で対応する大事に。

次って、キツネさんの試合か。気になるし、早く見たい。


「ねぇリサ、次試合するキツネさんなんだけど、なにか知ってる?」


相変わらず手すりにしがみつくリサ。ふるふると首を振る。


「ごめん、私も知らないの。まず、オリジナでは見たことないわね。多分、ギルドの開いた予選会から上がってきたのよ。他の街の冒険者が参加するには、空枠を勝ち取るしかないはずだから」


「...そう」


あのキツネさん、魔結晶の武器なんて持ってるし、相当有名なんじゃないのかな?


「....あの鎌、なにかで見たような」


リサがボソッと呟いたのを、猫耳は捉える。

鎌? ってあの魔結晶の大鎌? 有名なやつなのかな?



キツネさんの対戦相手も短期な性格なのか、係員に詰め寄っていく。困る係員と出場者の間に、いつの間にかキツネさんが割り込んで立っていた。

えっ、今どこから!?


「結界ないと試合出来ねぇの?」


「えっ?! はい、まぁ」


「すぐ終わらせるからさ、始めてもいい?」


「んだとてめぇ!? ナメてんのか!」


「え、いやちょっとそれは...」


ごたごたするステージ。何事かと責任者らしいおじさんが駆けつけた。

すごい自信だな、キツネさん。


「いいよね?」


キツネさんが責任者に詰め寄ると、彼は


「.....いっ、許可しよう」


あれ、良いの?


「ありがとー、じゃやろーか」


「いいだろう、小僧が!」


何が起きたのか混乱する観衆も、2人が位置につくと、ピタリと口をつぐんだ。

やけに素直じゃないか? さっきのおじさんも。

本当に結界が無いまま第6試合が


「では、始め!」


始まった。


「うおおっ....!....っ」


無詠唱で魔方陣を展開、放とうと吼えるおじさんがいきなり倒れた。

ざわめく大広場。審判も、何が起こったのかわからない。


「すぐ終わらせるって言っただろ?」


倒れ込むおじさんに背を向けるかたちで、大鎌を背に戻す死神狐(グリムリーパー)の姿。現状、彼の勝利だ。


「....っ、勝者はグリムリーパー!」


審判が我にかえってコールし、第6試合は終わった。唖然とする出場者、観客を置き去りに、アインシュバルト魔法大会オリジナ予選初日が終了した。


なんだよ、あれ....。


「最後のよくわからなかったわね。じゃあユイナちゃん、私帰るよ。また明日、頑張ってね!」


鎌で切った? でもおじさんは無傷で倒れてる。物理じゃない、なにかの魔法?


「ユイナちゃん? 私先に帰るからね」


この世界の魔法は、術式魔法のみだってリサが言ってたよね。でも、あれは....


「ユイナちゃん? どうかした?」


あの鎌一振り...魔方陣はおろか属性特有の魔力光も見えなかった。でも、何か魔法が使われているはず....。魔方陣を消す魔法? いや、それだとその魔法が見えるはずだ。じゃあなんなんだろ....?


ぞろぞろと大広場から立ち去っていく観衆。ユイナが気づくことはない。じきにギルド職員たちも撤収し、広場はフィールドやテント、ステージの周りを警備する雇われ冒険者のみとなった。


「...イナちゃ...ユ..ナちゃんっ...ユイナちゃん!」


「...?!」


声大きいっ、耳痛いっ...!

リサと、双子? 何でここに双子が?


「ったく、動かねぇから心配したぜ」


「どうしちまったんだ?」


「あ、いやなんでも」


やべっ、もう皆いないじゃん。いつの間にか大会予選終わってるし。


「「「?」」」


不振がる〔花ノ木〕と共に時計塔を降りようと鐘の元に向かったその時、


「きゅうぅ~」「きゅーっ」


空からもふもふが降ってきた。


「きゅ~っ、きゅうぅ」「んきゅーっ!」


待ってたのに来なかったから探しにきたらしい。跳び上がるときにムーンに押し込まれたのか、シーアとマルピチャがムーンの毛に深く沈められていた。若干溺れているため、引っ張りあげる。


「ぷはっ」


「にゃあっ....つっ、ぐしゅんっ!」


毛が入っていたみたい。マルピチャのくしゃみが暫く止まらなかった。

双子が仲の良いルーンを弄り、可愛くもこっけいな様子に笑う。


「...むきゅっ」


ルーンったら、照れてる照れてる。


「きゅっ」


わわっ

来なくて焦れていたらしいムーンにしっぽで背にのせられた。そうだね、帰ろう。


マルピチャに「魔人に何かされたかもって心配したのにゃぁ~っ!」と離してもらえなかった夜でした。









オリジナ予選2日目


昨日は1次予選だったってことと、まだなんか私が大会に出ているってことがしっくり来ていなかった。2日目、今日勝つか負けるかで明日の決勝進出が決まる。現実味を帯びてきて、今日はだいぶ早起きしてしまった。


「まだ5時か...」


なんだか寝れる感じはしないし、朝ごはんの支度も昨日の残りと黄パンがあるからする必要もない。

シーアたちが起きるまではあと一時間ほど。


「...きゅ?」


ベットの下のクッションからひょこっと飛び出し、膝上にルーンがちょこんと座った。

ほとんど同時に、窓の向こう、ムーンが動く気配がする。


「おはよ」


「「きゅう」」


抑えた声がハモる。なでなで。


「むにゃにゃう...びゃっこさまぁ...」


〈境界〉の夢でも見ているのか、仰向けでなにやら空を掻いている。


「....ちょっと出掛けよっか」


「「きゅっ」」




窓から抜け出すとムーンがすでに低く構えていて、ふわふわのしっぽが優しくその背に乗せてくれた。

そっと音を立てずにムーンは丘を駆け降りていく。

日が昇ったばかりのぼんやりとした空に、早起きな小鳥が翔る。

秋の朝の空気は少し乾いていて、ひんやりとしていた。寝起きの髪の毛がその中でなびく。


「きゅ~ぅ」


駆け足をして身体がほぐれたムーンは軽快に歩を進め、丘を幾つも越えていく。

柔らかな下生えに飛び込んで、ひんやりと気持ちいい草の感触に寝そべった。つられてルーンも草の上にごろんっと転がる。


「...はぁっ」


後ろに倒れてみたが、密集する草がなんなく支えてくれた。茎が弛み、僅かな反発が帰ってくる。


「きゅ」


ごそごそっと草の間からルーンが鼻面を突き出した。その口には....四つ葉のクローバー?


「くれるの?」


「きゅう!」


差し出した掌にぽとりと落とされた葉っぱ。異世界にもあったんだ。


「ありがと」


「きゅうん!」


ぐりぐりと甘えるルーン。

幸せをもたらす四つ葉のクローバー。初めて本物を見たよ。


「きゅっ」


ムーンも対抗心を持ったのか、口にぶら下がっているのは花。

凄く嬉しいよ。ありがとね。


「でも、丸ごと引っこ抜いちゃダメでしょ....」


























天皇様ってもう50代でしたよね? これからの天皇も退位するとしたら、上皇様の歳くらいの歳でしょうか。とすると、私が生きている間に最低でも「平成」「令和」とあと1つ、3つの時代になりそうです。


感想、意見どんどんください(^-^)/

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