12. 初日の終わり ユイナside
初日の終わりのユイナsideです!
話が進まなくてすいませんm(__)m
この先の話の考えが大分出来てきたので、そろそろタイトルを変える予定です! o(^o^)o
変えたら報告するので、「あれ、なにこれ知らない」で消さないようお願いしますm(__)m
スライムをワンパン出来るとわかってからというもの、ファイヤアローもどきを連発しまくっていたら、近くにいた魔物は全滅していた。
お陰で、ムーンが竜巻を起こしてマグマを隠蔽する作業に明け暮れている。
使える魔法だけど、環境破壊だよね.......。
楽しくなってスライムが出る度に焼き尽くしていたせいか、マナリアは途中からパタリと気絶してしまった。
Cランクのマナリアが相手に出来るんだから、もっと上のランクの人ならこのくらい出来るでしょ。というか、毎日このくらい狩ってないとオリジナの街、もう存在してないんじゃない?ってくらいスライムいるよ?
みんなこのくらいはやってるハズだよね。
マナリアが大袈裟にスライムのことを言っていたけど、単にマナリアがスライムを嫌いなだけじゃないのかな?べっとりしてるし。
周囲にはもういないみたい。それに、もうすぐ日暮れだ。ギルド、もう閉まっちゃうなんて無いよね?
「ねぇ、ギルドっていつまでやってるの?って.......マナリア寝てるんだった」
忘れてた。
まあ、そろそろ帰るかな。
「ルーンいくよ。ムーン、乗せてってくれる?」
「「きゅうっ!」」
お、声が揃った。かわいい.......!
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1つ目の街門をくぐって、田舎道をムーンが疾走する。
もふもふで短足だけど、見かけによらずムーンってかなり速いよね。
流れる風景を記憶の乗り物と比較すると、電車くらい?
さっき疾走してるって言ったけど、ムーンを見るに、駆け足してるって感じだ。
竜巻の魔法もそうだけど、ムーンって底が知れないよね。もふもふで弱そうなのにめっちゃ強いし。
ルーンは.......ホントに弱そう。抱き枕というかぬいぐるみというか.......。
「きゅうっ!」
「ルーン、どうかしたの?」
むっすうう.......。
ちっちゃい口を風船みたいに.......、考えてたことがわかったのかな、拗ねてる。
「あー、ごめん。ルーンも魔力弾凄いもんね、頼りにしてるよ」
「きゅううっ!」
もちろんっ! って感じにドヤ顔.......かわいいなぁやっぱり。
愛玩動物にされそうだったわけだ。
「きゅー」
街門が見えてきた、ちょっと暗くなってきちゃったけど開いてるかな?
門の前には人はおらず、見られないからいいかなとムーンに乗ったまま通行許可証を兵士さんに見せたら驚かれちゃった.......。
街中は流石にまずいね。降りないと。
マナリアは.......まだ寝てるか。着いたから起こそうと思ったけどいくら呼んでも起きない.......もうほっとけ。
ギルドは凄く静かで閉まっちゃったかと思ったけどやってた。装備が簡易な冒険者が出てきた。多分初心者かな? なんか異様に疲れてるみたいだけど大丈夫?
「こんばんは~」
一応挨拶して入ったけど、広間には誰もいなかった。窓口には流石にいるよね?
「きゅうぅ.......」
私に続いて中に入ろうとしたムーンから悲しげな鳴き声。あー、観音開きの扉が片方しか開かないから引っ掛かっちゃったのか.......。
後足を踏ん張ってなんとか入れた。
ブチッ
「ぎゅうっ!?」
こちらに来ようと歩きだしたムーンがビクッとして痛そうにもぞもぞし始める。なにどうかしたの?
「きゅ~ん.......」
後ろ足で脇腹を気にして触っている。あらら。
まぁ、しょうがないと思うよ、狭かったんだから。うん、しょうがない。
決してムーンは悪くないよ。
「後でブラッシングしてあげるね。だから今は我慢して?」
「きゅぅん」
しょんぼりとしていたムーン、ブラッシングされたかったのか少し、元気になったみたい。
ムーンのふわふわ真っ白な毛並みが乱れているが、大丈夫、ちゃんと整えてあげるよ。
「まさか引っ掛かって.......ね」
「きゅう.......」
ムーンの自慢のふわふわ真っ白な毛の束が、扉の金具に引っ掛かって、夕方の風に揺られ飛んでいった。
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「依頼報告ってここであってる?」
窓口に人がいなくて心配になって聞いてしまった。昼間は混みあってたからね、ギャップがね。
ん、ふわふわさんだ。
窓口にいた職員さんは兎の獣人だった。耳が大きいふわふわ薄ピンクの兎人族、触ってみたいな.......。
ん? あれ、どうしてか目が不安げだ。新任なのかな?
依頼内容を確認して、スライムの魔核を取り出していく。
依頼とは別に換金して貰えるはずだから、出しても可笑しくないよね?
ゆっくりしたいし、半分はマナリアのになるし、いっぺんに売っちゃえ。
ストレージからポイポイ取り出して置いていく。
「ちょ、ちょっと、一体幾つあるんですか?!」
ん? 兎のお姉さんが慌てだしたけど、やっぱりダメだったのかな? まぁ、まずは質問に答えないと。
「あと20個あるけど、依頼とは別に換金して貰えるよね?」
兎のお姉さんは何でかわからいけど噛みまくってる。やっぱり新任なのかな?
まあこれでやっと、換金されてやっとお金が手に入る。よし、これで暫くは平穏に暮らせるっ!
銀貨が次々と袋に入れられていく。
何の気なしにそれをみて、ふと気付いた。
心なしか、兎のお姉さんが私に顔が見えないようにしているのか、少し背を向けているような.......。
そういえば、このお姉さん、さっきからなんか不安そうなんだよね.......。何を隠してるのかな?
銀貨を受け取ったとき、ふわふわとしたお姉さんの手に触れた。
!!!
「もふもふ.......」
お姉さんは申し訳なさそうにするけど、私は寧ろ触ってみたかったから、私こそ、下心があっただけに申し訳ない.......。
お姉さんは制服の袖を引っ張って上げる。その目には、不安に染まっていた。あー、そういうことか。
「もふもふしてて好きだよ。お姉さんの毛並み」
この兎は人族が.......たぶん.......。
「他の人がお姉さんにどう言うかは知らないけど、私は兎、かわいいと思うよ。私にだったら、自信もっていいと思う。」
「.......ッ!」
俯いていたお姉さんはパッと顔をあげる。やっぱり。
お姉さんは数秒かけて言葉の意味を理解したみたいで、わかったとたん、今までの作り笑顔からやわらかな自然な笑みに。
兎なだけにかわいい.......!
うん、やっぱり、
「その方が、お姉さん良いよ」
吊られて私も微笑んでいた。それに釣られて、お姉さんは更にいっそう花が咲くように笑顔を浮かべた。
自分のとマナリアのギルドカードを取り出して(マナリアのはルーンが取り出してくれた)お姉さんに渡す。
専用の魔道具で読み取りとポイントを入れて任務完了らしい。
受け取って見てみると、FランクからDランクに上がっていた。スライム乱獲のお陰かな?
さて、帰って寝よう。あ、その前にマナリア.......はいいや。めんどくさいから部屋泊まらせれば良いよね。
冒険者やってるならもう 親に連絡しなきゃ! なんてことないだろうし。
「ありがと」
広間は薄暗く、もうすぐ夕日も沈みそうなくらい光も淡い。早く宿屋に帰らないと暗くなっちゃう。
小走りに広間を抜け、今度はムーンの毛に気を使いながら扉をくぐり、一直線に宿屋に向かった。
ムーンは入れないから、また明日だ。ちょっとさびしい。
宿屋についてもまだ寝ていたマナリアはベッドに放って、毛布にくるまりルーンを抱いて寝た。
翌日、早朝にヒステリックな様子のマナリアに叩き起こされ、任務の報酬を半分渡したら白眼を剥かれ、ルーンを誘拐されそうになって朝から疲れた。
マナリアという嵐が去ってから、ムーンのところまで行って1日もふもふに包まれて寝たのを翌日知ったマナリアに追求され、更に疲れた。ムーンたちと戯れたい.......。
数日後、気付いた。
これもうエンドレスじゃない?
読んでくれてありがとうございました!(*´ω`*)
そろそろユイナに 何でも屋 を開かせる予定です。それに応じて、タイトルも変える予定なので、今後ともよろしくです!




