キャラメイク
「よし!終わった!結果は後みたいだしチュートリアルでもやってみるか。」
適性検査を終えたPちゃんは次のステップに進む。
配信前のゲームをチュートリアルとはいえプレイ出来る、それはどうしようともワクワクしてしまうもので、当然Pちゃんも期待に胸を膨らませていた。
「始まったらどうしたらいいのだろう?世界観はどんなのだろう?グラフィックは綺麗かな?」
ダウンロードが終わりヘッドマウントディスプレイを被る。ホーム画面のゲーム欄に「インステッドオブウォー」のアイコンを見付けた辺りで気持ちの高ぶりはピークに達していた。心臓の鼓動を感じながらボタンを押した。
一瞬の暗転の後に映像が映る。
「え?」
視界に入ったものはただの白だった。だがすぐにそれは動いた。
「ここは・・・部屋?」
辺りを見回して状況を確認する。どうやらここは部屋の中でPちゃんはベッドに寝転んでいたところから起き上がった態勢のようだ。先ほどただの白が映っていたのは天井を見ていたということだ。
「部屋と呼ぶには・・・何もないな。この感じ見覚えがある、確かテレビで自衛隊の部屋を映していた時のと同じだ。」
ベッドが1つに掃除用具入れが1つだけ、テレビで見たそれは1つの部屋にベッドがいくつもあって狭いイメージだったのだが、ここの部屋は個室なのかもしれない。
「スペースも広いし、後々自分の好きなようにコーディネイト出来るってことかな?」
ベッドから降りたPちゃんはまず掃除用具入れを確認したが中には何も入っていなかった。
「空の掃除用具入れ?他に何もないのに何故これだけ?」
改めて辺りを見回すがやはり何もない。
すると軽快な音と共に目の前にポップアップウィンドウが現れた。
「キャラクターメイキングをしてください」と書かれており、「次へ」を押すとメイキング画面になった。
「へぇー、結構細かいな。リアルでもデフォルメでもいけるし、おっ!ユーザーファイルの3Dモデルも使えるのか!これは凄いな!じゃあ、いつものあれにしようかな。」
マイフォルダの中からモデルデータを選ぶ、一瞬ロード画面になったがすぐに完了し、Pちゃんの選んだモデルが表示された。少し目付きの悪いお姉さんキャラ、Pちゃんのお気に入りだった。登録ボタンを押すとウィンドウは消え、Pちゃんはお姉さんのアバターに切り替わった。
「鏡がないからちゃんと変わってるのか解らないな。外に出てみるか。」