妖怪八尺に一目惚れされていきなり任侠の次期組長ってどうなの?
誰しも、見える世界しか信じない。しかし、見えざる世界の見えざるもの達は、ひそかに見える世界に正体を隠して暮らしている。もし、そのものたちと関わることがあれば、今までのくだらなく、理不尽な人生が変わるかも……。
ある日の早朝。時間で言うと、午前七時。ある少年が、柄の悪いお兄さん達に囲まれて、かつあげ。つまりお金を出すように脅迫されていた。
「おい、兄ちゃん。金出してくれるか、俺たち今金に困ってんだよ。」
「大人しく渡せば手荒な真似はしないよ。」
「痛いの嫌だろ?早く渡したほうが身のためだよ?」
すると、少年はため息を一つつき、
「じゃあ、一つよろしいでしょうか?」
「おうなんだ?いくら持ってるとかいってくれるのかなぁ?」
「あなた達は俺に恐喝してるんですよね?仮に俺がこのままお金を渡さないとしましょう。あなた達は俺の事をいたぶりますよね?その後は、結局動けなくなった俺からとりますよね?渡しても多分これくらいじゃ足りねぇよみたいな理不尽な文句をつけて、いたぶりますよね?結局最後は暴力にでて奪いますよね?だったら最初から俺の事をいたぶって奪えばいいじゃないですか?何でわざわざ聞くんですか?そのつもりなら最初からやればいいのに。」と図星をつかれ何も言えなくなったチンピラ達は、
「ふざけんな!大人しく金寄越せ!」と殴りかかり少年の顔面にヒット。すると、
「今殴りましたよね?殴ったってことは、これから何が起きても他言無用になっても文句は言えないですよねぇ。」と語りながらチンピラに近づき、体をひねり腰から拳を放ち相手の顔面に捩じ込ませた。怒りに任せたその拳は、重く、速く、そして力強い勢いでチンピラの1人を軽く五メートル位ぶっ飛ばした。すると少年は先程の表情とうってかわって、狂喜の笑みを浮かべ、
「ハハハハハハハハハハハハハ!とんだとんだぁ!さぁて、次はぁ、どーちーらーにーしーよーうーかーなー?」と他の二人に目を向けると、二人はガクブルして、
「すみませんでした!」全力の土下差をした後、先程飛ばした仲間を連れて一目散に逃げていった。少年の名は宮小 巧海両親は自営業で建設業を営んでおり、現在、公立江地宮高校通う、一年生。趣味は筋トレ、ダンス、小説の執筆、カラオケ、コスプレ。趣味を取り除けばどこにでもいる普通の高校生……なのだが。
「はぁ、俺なんか悪いことしたわけでもないのにここんところ妙に、柄の悪い人たちや、八つ当たりのチンピラとか当たり屋とかに遭遇する。はぁ、こんな下らん人生が変わるなら、死んでもいいよね。」とぐちぐち言いながらも、学校に到着。門を抜けると、横から、ヒューッン、ドガッ!と、なかなかの勢いで結構大きい石が巧海のこめかみに直撃。
「ヒャッホー!動物園から逃げ出したゴリラに見事直撃ー!」
「キャーッ❤️稲城君ー!ナイスピッチングー!」
巧海は、ぶつけられた頭を抱えながらふらふらと立ち上がり、足取り悪いがなんとか歩き始めた。
この公立江地宮高校は、[外見良ければ全て良し!!!]という校訓があり、確かに全生徒モデルや俳優に出てきそう、実際モデルや俳優になってる生徒もいるようです。
教師達もこの方針にしたがって、イケメンや美女達ばかりで非常にいずらい環境である。なぜ俺がこの高校に通っているかというと、こちらの地域に引っ越した来たばかりで、近くの通える高校がここしかなかったので編入した。
普通ではあれば、転校生は多少ちやほやされるかもしれないが、この学校は美形が集められているため、俺みたいな筋肉ちびゴリラは受け入れられておらず、先程のいじめにあっても誰もましてや教師すらも助けてくれなかった。
傷も自分で治し、立ちくらみや時折倒れることがあろうとも授業を意地でも受けとかないと、点数を大幅に引かれるため、なんとかやるしかない。周りはその必死さが可笑しいのかクスクスと笑って馬鹿にしてくる。
やっと、授業も一通り終わり放課後の部活動。前の学校では剣道部に所属していたため、剣道部に入部した。しかし、同期や先輩方は稽古もせず、やれ合コンだやれどこそこに遊びにいこうなどの喋りばかりしている。俺だけは、はぶられていることもあって、1人で筋トレやら素振りやらして汗を流していた。すると、部長である柳澤さんから、
「お前さぁ、大真面目に稽古してても意味ねぇんだよ!ただでさえ顔悪いんだから。そんな汗臭いことしてもイケメンじゃなきゃただだせぇだけだぜ。」それに続いて、他の部員も
「そうだそうだ。不細工が生意気に頑張ってんじゃねぇよ!」
等とけなされて、
「別に、稽古したくないのなら辞めていけばいいじゃないですか?俺1人で、部活動続けるんで。」そう言うと、