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二十七話 限界時間と終結

「あなた、よくもやってくれましたね。私の計画が台無しですよ。」

「お前が黒幕か?」

「ええ、そうですよ。私が何から何まで用意したんですよ。その計画をあなたは!あなたは!」


声を荒げた男は細身の剣で突きを繰り出してくる。

俺はそれを避け、攻撃に転じようとするが、疲れのせいか上手く足が運ばない。

結局避けるだけになった。


「私はフロスト。ローゼンハイト様の忠実な僕だ。そして、あなたは私のあのお方のための行動を邪魔した。私にはそれが許せません!」


再び攻撃を仕掛けてくる。

今回は剣での攻撃ではなく、魔法での攻撃のようだ。

雷魔法でスパークを発しながら、火の玉を出しこちらに撃ってくる。

さすがにかわしきれないのでARIAを深くする。

しかし、こちらも疲労度が大きく、視界が真っ赤に染まる。

目から血が出ているようだ。

赤い視界の中飛んでくる火の玉と雷を避け、時にはナイフで防ぐ。

相手の攻撃が激しいのでなかなか攻撃に転じることができない。

相手も焦れたのか魔法を止め、物理で殴ってくるようだ。

単にMPを温存している可能性もあるが。

細身の剣が襲いかかる。

俺は何度かそれをかわしていく、剣の攻撃は早いが強さで言うならオークロードと五分五分くらいだろうか。

だが疲労している体でそれを避け続けるのは辛い。

だんだんと体の動きが遅くなっていくのを感じ、少し距離を取ろうと後ろに飛ぶ体勢に入るが、その隙を逃さず、相手の剣が俺を突いてくる。

直撃コースで避けられない。

だから、俺は相手の手にナイフを突き刺し、軌道をずらす。

クルストの剣は俺の右肩に深く突き刺さる。

そして、俺のナイフもフロストの腕に刺さっている。

しかし、痛みを感じている様子はない。


「やっと刺さりましたね。」


そう言って俺の肩から剣を引き抜く。

引き抜かれた穴からは血が流れ出す。

俺も同じタイミングでナイフを引き抜くが、奴の傷口は少しずつふさがっていた。


「さあ、そろそろ終わりにしましょう。」


フロストがそう言うと再び剣を俺に向けてくる。

今度は上手くかわせる気がしない。

クルストの剣が俺に迫る。


「ワン!」


しかし、その声が聞こえたと同時に目の前のクルストが吹き飛ぶ。

俺の前にはウォルが立っていた。


「ウォル、終わったのか?」

「ワン!」


頼りになる奴だ。

クルストを見てみると、悔しそうにしている。


「くそ!ダイヤウルフの長だと?……今は部が悪いか。」


そう言ったフロストの背中から悪魔の様な翼が生える。

生えるというよりかは出てきたと言った方が正しい。

そして、空高く飛び上がり、逃げるようだ。


「逃すか。」


俺は銃魔法を発動させる。

残りのMPを全てかけて、『スナイパーライフル』の弾にする。

スコープはないため、ARIAの軌道予測と目視で狙いを定める。

そして放たれた亜高速にも達する弾は空高く飛び上がったフロストの翼に直撃する。


「くそ!人間ごときが!」


そう言うとフロストは魔法を起動する。

しかも空中で。

何かの移動魔法のようで空間に穴が開く。

そして、フロストはそのまま中に入っていった。

逃げられてしまったようだ。

俺はオーク達の数を確認してからARIAを解除する。

すると、ARIAで押さえていた疲労感がどっと出る。

俺はその場で気を失った。




ーーーーー フロスト ーーーーー

「はぁ、はぁ、はぁ……くそ、俺が人間ごときに。」

「帰ったのか、フロスト。」

「!ローデンハイト様!」

「それで?成果はどうだったのだ?」

「い、いえ。人間どもの中に腕が立つものがいまして、そのものがオークの半数を。」

「それで何故貴様はノコノコと帰ってきたのだ?まさか、疲弊した相手にやられたわけではあるまい。」


ローデンハイトとから濃厚な殺気が漏れ出す。


「い、いえ!ダイヤウルフの長が人間側に味方していたようでして……。」

「それで逃げ出してきたのか?フフフ、ハハハハハハ。」


ローデンハイトが笑いだす。

そして急にピタッと笑いが止まり、真顔に戻る。


「私の配下に臆病者はいらぬ。」


そう言って跪いていたフロストの顔を掴む。


「ひっ!お許しを!どうかお慈悲を!」

「大人しく死ぬがいい!」


ローデンハイトの手に光が集まっていく。

そして、次の瞬間にはフロストの頭は消滅していた。





ーーーーー ソラ ーーーーー

「ん。」


何か柔らかいものを頭の下に感じながら目を開ける。

すると、マリーの顔が目の前にあった。

この視界から言って膝枕という奴だろう。


「マリー、何してるんだ?」

「何してるんだ?って膝枕よ。ソラ全然起きないから。」

「ああ、悪かったな。」


体を起こそうとすると痛みが走る。

限界駆動の副作用だ。


「無理しないで。まだ寝てていいから。」


マリーに頭を持たれ、マリーの太ももに戻される。


「どうなった?」

「オークはみんなやっつけたわ。特にウォルが頑張ってくれたみたい。」

「そうか。俺はどのくらい寝てた?」

「ん〜。3時間くらい?」

「リアはどうしたんだ?」

「リアは傷ついた人を回復させに行ってるわ。」

「マリーは行かなくていいのか?」

「はぁ。」


何故かマリーに溜息を吐かれる。


「ソラ、わかってないの?今はソラが一番重症なのよ。」


そう言われて自分の体を見てみる。

肩の傷やかすり傷などは塞がっているが、肝心の左手がボロボロのままだ。


「本当に心配したんだからね。分かってる?」

「心配かけて悪かった。少し体を起こさせてくれるか?」

「うん。」


マリーが上半身を起こしてくれる。

周りを見渡すと、大きな広場で負傷者がたくさん寝込んでいた。

俺は白魔法を発動させ、左手に当てる。

その時少し脳に負荷が掛かり、頭痛がしたが気にせず白魔法をかける。

イメージは粉々になった左手の骨を1つずつ繋げていって元の形に戻すイメージ。

そして、5分ほどかけて元のようになる。

続けて肉や神経を繋げていく。

神経をつなげる時は痛みが起きたが我慢できないほどではない。

そして、さらに5分ほどかけて完璧に治った。


「ソラ、今どうやったの?」

「全てのパーツを1つずつ治していっただけだ。」

「そんな凄いこと普通できないわよ。」


俺は立ち上がる。


「あ、まだ寝てなきゃ。」

「いや、少しギルド長の所に行ってくる。」

「……わかったわ。でも、肩くらい貸させて?」

「わかった。」


俺はマリーの肩を借り、ギルドまで行く。

受付でミーシャさんを見つけ、奥に連れて行ってもらう。

しばらく奥で待っているとギルド長がやってきた。


「ソラくん、もう少し休んでいて良いんだよ?」

「今回の報酬について話しにきました。」

「ああ、ソラくんにはそれ相応の報酬を与えるつもりだ。」

「いえ、それは良いんです。今回の報酬はみんなで山分けにしてください。」

「良いのかい?オークの3分の1以上はソラくんと君の使い魔で倒したんだよ?」

「はい。その代わり家を紹介して欲しいんです。」

「それで良いなら私は構わないよ。」

「ありがとうございます。」

「用はこれで終わりかい?」

「はい。宴とかは出ないので適当にやっといてください。」

「わかったよ。家の件は後でミーシャから報告するから。」

「わかりました。」


俺はギルドを去り、宿に帰る。

途中で何度かお礼を言われたが、俺はそういうのに慣れていないので無視して行く。


「無視はひどい。」


いつの間にかリアが合流していた。


「……。」

「無視はひどい。」


リアを無視すると割とシュンとしてしまったので仕方なく言う。


「ああいうのには慣れてない。」


リアは何も答えなかったが、俺が反応したことに驚いているようだった。

俺は宿に着くとすぐに自分の部屋に入り、ベッドに倒れこみ眠りについた。

今回でオーク戦編終わりとなります。

今回は色々と書けたので楽しい回でした。

膝枕とかされた事ないので羨ましいですね。

次回も不定期更新です。

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