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二話 常識外れの化け物

俺は洞窟を拠点に4日程森で過ごし、シフ村に行くことに決めた。

この4日間は銃魔法と時空魔法のLV上げ、MPの底上げと森に自生している植物の研究をしていた。

暗殺者には毒は必須なのだ。

取り敢えず、口に含んだり、皮膚の薄い所に塗ったりして毒を確認する。

中にはピリピリしたり、手が痺れたりする物もあった。

俺は引き取られた時にあらかた全ての毒を体に入れられある程度耐性ができている。

そんな俺がピリピリしたり、手が痺れたりすると言う事はそれだけ強い毒なのだろう。

俺の体は眠気・・()()()()()()()()()()ので睡眠薬は作れなかったが、致死性の毒はたくさんできたので上々だろう。

MPも200近くまで上がり、銃魔法はLVが3、時空魔法はLVが2になっていた。

それで銃魔法を使っているとわかったことがある。

銃魔法はLVが上がると威力があがり、MP消費が減る様だ。

威力が上がるのに消費が減ると言うとんでもな性能だが、LV2ではピストル程の、LV3では軽機関銃程の威力が出ることがわかった。

時空魔法は自分だけで無く物体を加速できる様になった。

例えば物が落ちる時にかけると倍の速度で落ちるとかそんな所だ。

そして、最も大きな発見が銃魔法と時空魔法は併用できるということだった。

単純に言えば、LV1の銃魔法を放ちつつ、時空魔法で加速する事で電磁砲(レールガン)の様な物が再現でき、MPをかければかける程、速度が増し、威力が上がる事がわかった。

ただし普通に放つ分より遥かに大きなMPを消費するので多用はできない様だ。

そんな非常に濃い4日間を過ごした俺は洞窟の男から聞いた道に出ていた。

道なりに行けばと言っていたが目で捉えられる程の距離では無いらしく、かなり歩かなければならない様だ。

何日かかるかは分からないが基本的にご飯にありつけることのない生活をしていたので空腹を堪えるのには自信があった。

道なりに歩き進めて一日が経過していた。

流石に暇なので魔法の練習や新たなスキルを探していた所、やっと前の方から馬車がいるのが見えた。

しかし、その馬車は明らかに盗賊ですと言わんばかりの人達に囲まれていた。

遠目から見るに馬車の護衛は2人、盗賊は10人だった。

人を見つけたのは良いことだが別に関わる気は無いので盗賊達と目を合わせない様に通り過ぎる事にした。


「へへっ、これで金貨100枚なんていい仕事だぜ。」

「ああ、全くだな。」


そんな事を言いながら盗賊が近づいている。

俺はその横をトコトコと歩き素通りしていると、


「おい、誰だお前。」


盗賊に肩を掴まれた。


「離してくれませんか? 俺はこの道の先にあるシフ村に行きたいだけなんです。」


できるだけ、敵意を持っていない様に話す。


「そうか、だが俺達は誘拐の現場を見られちゃいけないって言われてるんだよ。大人しく付いてきてもらえるかな?」

「付いて行ったら命の保証はあるんですか?」


俺が盗賊とこんな話をしてるとその間に


「おい、あの子を巻き込んでしまったぞ。どうする?」

「どうするも何も今あいつに気がいってるうちに姫様連れて逃げるしか無いだろ。」

「な!お前、子供を盾にするのか⁉︎」

「そんなこと言ってる暇ないだろ。このままだと姫様攫われて死んじまうぞ。」

「ぐ、仕方ない。」


そう言って護衛の1人が馬車の中に入り、1人の女の子を背負って出てくる。

そして、俺のいない方に全力で走り出した。


「ちょっと!ゼクス!男の子があそこにいるわよ!」

「お姫様。静かにしてください。あなたを逃すにはこれしかないんです。」

「そんな、私は誰かを犠牲に生きるのなんて嫌よ!」


そんな女の子の声は大きく俺にも聞こえるほどだったので当然盗賊にも聞こえる。


「逃すわけないだろ!」


俺の肩を掴んでいた盗賊は女の子と護衛を追っていく。

途中で護衛の1人が止まり、盗賊達の行く手を塞ぐ様に立ちはだかる。

この瞬間に俺も逃げようと再び町の方に視線を向ける途中で女の子の顔が目に入る。

彼女の瞳は俺が最後に助けたあの子と同じまだ世界の黒い部分を知らない純粋で真っ直ぐな瞳だった。

俺は見た目は違うが初めて俺に楽しみを教えてくれた彼女に背負われている女の子が似て見えた。

そう認識した瞬間、俺の頭の中で少しスイッチが入る。

頭の中で何度も聞いてきた俺を引き取った男の声が反芻される。


「ソラ、君は道具だ。人を殺す為だけの道具だ。それ以上でもそれ以下でもない。お前のなすべきことは目の前の敵を殺すだけ。たったそれだけだ。簡単だろう?道具はその意味を成さなければただのゴミだ。ゴミにならない様に働け。」


これは奴が俺にかけた呪いであり、俺の力を引き出す為のトリガー。

かつて心が壊れ、何も出来なかった俺の存在意義となる言葉だった。

そして俺は認識する。

目の前にいる10人のを。

俺は女の子を追いに行った俺の肩を掴んでいた盗賊に向かって走り出す。

足音と気配を殺しつつ、最速に。

俺はじわじわと追っている盗賊の頭に飛びつくと体を捻る様にして盗賊の首の骨を折る。

この方法は声も音もそんなに出ないので、まだ周りの盗賊達は気付いていない。

俺は近くの盗賊の首筋にナイフを刺し、ナイフを抜く勢いで、もう1人の盗賊の首筋にナイフをたてる。

その数瞬で3人を殺したが、流石に気付かれた様だ。


「おい!お前そこで何してやがる! そいつらはお前がやったのか?」

「そうだと言ったらどうする?」


そう言いながら奥にいる女の子の護衛達に目配せする。

護衛は頷き、走り去っていく。


「このガキが!」


そう言って切りかかってくる盗賊の攻撃を避けながら護衛達が完全に視界内から消えたのを確認し、一旦盗賊と距離を置く。

俺はスキルを発動しようとしたが、妙な胸騒ぎがし、その場から横に飛ぶ。

すると、さっきまで自分がいた場所に火の玉が飛んできていた。

あれを食らっていたらミディアムくらいには焼けていただろう。

放たれた方を見ると盗賊の1人が魔法の詠唱をしていた。

俺は詠唱を聞きながら、スキルを発動する。


(『暗套』)


俺は心の中でそう呟き、姿を消す。

これは洞窟の時に使ったものと同じスキルだ。

目の前から急に消えた俺を探そうと盗賊達は周りを見渡す。

しかし、俺は何処にもいないので首を傾げていた。

俺はゆっくりと魔法を唱えていた男のもとに近づき、銃魔法を使う。

銃魔法によって脳を貫かれた男は死んでいた。

急に死んだ自分の仲間を見ながら盗賊達に恐怖が伝染していく。


「ひっ、ひぃ!俺はこんなところで死にたく……」


そこまで言った男の頭が貫かれる。

本来なら銃を放てば音がするので音で位置がわかるのだが、銃魔法は音どころか弾も見えないので正直俺も当たらなければ成功しているのかわからない。

俺は逃げていく盗賊達の頭を撃っていき、最後の1人になったところで、足を撃つことで動きを阻害する。

そうして、両足を撃ち抜き、動きを完全に止めてからうつ伏せにさせ、頭を踏みつけ、姿を現わす。


「お前達は誰に命令された?」

「な、なんなんだ⁉︎ こんな化け物がいるなんて聞いてない⁉︎ 簡単な仕事って聞いてたのに⁉︎」


混乱しているのか俺の声が聞こえていない様だった。

俺は盗賊の右手を撃ち抜き、痛みを与える。


「質問に答えろ。お前達は誰に命令された?」

「ひぃっ! は、ハイネって奴にだよ。なあ、助けてくれよ。」

「質問に全て答えれば助けてやろう。だから、素直に吐け。何処でそいつと知り合った?」

「王都の酒場でだよ。」

「依頼内容はなんだ?」

「今日ここに来る馬車を襲えって言われただけだよ。なぁ、もういいだろ? もう知ってる事なんかないから。」


俺は少し考え、


「ああ、もういいだろう。死もまた救いだ。」

「へっ?」


ピチュン!そんな音がしたかと思うと男の頭には風穴ができていた。

俺は男の上からどき、男達の死体から金目のものを漁る。

そうしていると、先程の護衛と女の子が走って帰ってきていた。

女の子が先頭に護衛達に追われている形ではあったが。


「あなた!大丈夫⁉︎」

「大丈夫だ。では、」

「へ?」


俺はそのまま踵を返すと町の方に向かって歩き出した。

今回盗賊達を殺したことによるステータスアップの詳細を書いておきます。



名前 : ソラ・サトミ


レベル : 4


MP : 203

力 : 30

敏捷 : 137

知力 : 30

魔法力 : 30

運 : 0


スキル

隠密LV8

暗殺LV12

耐毒LV5

耐痛LV8


固有スキル

なし


魔法

なし


固有魔法

銃魔法LV3

時空魔法LV2

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