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二十一話 研究とレベル上げ

夜、俺はいつも通りCランクの迷宮に行こうとすると、ウォルはむくりと起き上がって俺の後ろについてきた。


「お前も来るのか?」

「ワン!」


ウォルが元気よく返事するので連れて行く事にした。

ウォルはAランクのモンスターなので、睡眠をほとんど必要としない。

そのため、俺のように昼夜問わず迷宮に潜っているような者にでもついてこれる。

ただ、ウォルが戦闘をしてしまうと俺のレベル上げにならないので、ウォルには周囲の警戒だけをやってもらう事にした。

まずはレッドグリズリーに会う。

早速回転を加えた銃魔法を試す。

回転の加わった銃魔法はレッドグリズリーの肩を貫通する。

しかし、レッドグリズリーほどの大きなモンスターには致命傷にならず、まだ動けるようだった。

レッドグリズリーは怒って突っ込んで来る。

今回は銃魔法で対処せず、体術で対処する事にした。

レッドグリズリーは右腕を振り下ろす。

かなりの速度だ。

俺はそれをかわしつつ、レッドグリズリーの後ろに回る。

俺はレッドグリズリーの体を思いっきり拳で殴る。

最近はだいぶ力も上がってきたので、威力を試して見たかったのだ。

結果はダメージを受けてはいるようだが、吹っ飛ばしたりはできないようだ。

現在、力のステータスは500を超えたが、この程度ではまだ駄目なようだ。

レッドグリズリーは4本の腕のうち2本を振り回して、俺に攻撃を仕掛けて来る。

俺はナイフを抜き、慎重に受け流して行く。

前世では4本の腕を持った獣などいなかったので、動きに慣れるため敢えて攻撃を受け流し続ける。

膠着状態に耐えかねたのか、レッドグリズリーは4本の腕を交互に殴って来る。

しかも、上手く攻撃が途切れないように連続で殴るようにして来る。

さすがに一発でも当たれば致命傷になるので、ここらで決める事にする。

俺は『暗套』を発動させ、レッドグリズリーの前で姿を消す。

俺が姿を消した事など気にせず、レッドグリズリーはその場を殴り続ける。

俺はレッドグリズリーの股下を通り、後ろに立つ。

当然レッドグリズリーは気づいていないので、何もない空間をただひたすらに殴っている。

ゆっくりと狙いを定め、レッドグリズリーの脇腹を刺す。


「グガァァァ!」


レッドグリズリーは悲鳴をあげる。

しかし、この巨体なので当然これだけでは死にきらない。

なので、俺はナイフを大きく捻り、体内に隙間を作ってから、レッドグリズリーの体内に完全誘導弾フルガイドミサイルを生成する。

そして、ナイフを引き抜き、後ろに下がる。

完全にレッドグリズリーとの距離を開けた瞬間、爆発させる。

すると、レッドグリズリーは跡形もなく消えていた。

どうやら外から当てるよりも中で爆発させた方が威力が高いようだ。

それからも、何体かモンスターを探して、実験をしていく。

実験が終わると、少し休憩を入れる。

俺が休憩に入ったのがわかると、少し離れたところで寝ていたウォルが近づいて来る。


「クゥン」


と鳴きながら、俺の頰に顔を擦り付けてきたり、舐めてきたりする。

俺が頭を撫でてやると、仰向けになって腹を見せて来る。

この世界でも、犬の服従の証は同じようだ。

ウォルの腹を撫でてやり、光魔法の練習を再開する。

光魔法もだいぶ持続時間が長くなってきたのだが、やはり難しいようで、戦闘で使うにはまだまだ時間がかかりそうだ。

しばらく、ウォルを撫でたりしながら休憩を入れた俺は狩りを再開する。

今からは全てレベル上げ用に狩るので、素材の質と殲滅速度が重要になって来る。

まず、時空魔法をかけ、体内の時間を早める。

次に、付与魔法で色々と付与し、ステータスを強化する。

そして、走りだす。

目に見えたモンスター全てを銃魔法で撃ち抜き、それでも死ななかったモンスターはナイフでとどめを刺していく。

今のところ、10分に7匹が限界だが、それでも結構レベルが上がる。

ステータスプレートから景気良くピロン!と音が鳴る。

レベルが上がったようだ。

1時間もすると、第3階層のモンスターはいなくなっていた。

俺はそのまま第4階層に降りる。

第4階層も基本的には出てくるモンスターは変わらず、オーガとレッドグリズリーとダイヤウルフだった。

だが、稀にサラマンダーというトカゲが出てくるようになった。

こいつは厄介だった。

今までのモンスターとは違い、遠距離攻撃ができるのだ。

遠距離から火の玉を吐き、攻撃してくる。

炎魔法で言うところのLV5くらいの威力だろうか。

それだけでなく、肌に毒を持っていて、物を溶かす効果があるようだ。

痺れたりする毒なら耐えられると思うが、溶けるのはさすがにまずいのでできるだけ、遠距離で対処しなければならない。

しかし、サラマンダーは動きが速く、距離を詰めてくるのが速い。

ウォルほどではないが、それでも会ったモンスターの中ではダントツで速いのだ。

当然銃魔法の照準も合わせづらく、遠距離で対処するのが難しくなる。

なんとも戦いにくいモンスターだ。

しかし、レベル上げなので、急いで倒していく。

サラマンダーは特別硬い訳ではないので、回転を加えた銃魔法で対処はできる。

すこし効率が落ちてしまったが、狩り続けていく。

そして、3時間もすると、第4階層のモンスターはほとんどいなくなり、第5階層に繋がる階段を発見する。

さすがに今日はMPを使いすぎたので、帰ることにする。

俺が帰ろうという事を察したのか遠くの方からウォルが駆け寄ってくる。

ウォルがいると、モンスターが近寄ってこないので少し楽なのだ。

俺は帰りながらステータスプレートを見る。




名前 : ソラ・サトミ


レベル : 46


ジョブ : 時魔法師、暗殺者


MP : 1274/1783

力 : 517

敏捷 : 845+50

知力 : 207

魔法力 : 1516

運 : 0


スキル

隠密LV9

暗殺LV12

耐毒LV5

耐痛LV8

獣使いLV1 NEW!


固有スキル

読解

限界駆動


魔法

炎魔法LV6

白魔法LV4

水魔法LV2

雷魔法LV2

光魔法LV3 ↑

風魔法LV2

付与魔法LV3


固有魔法

銃魔法LV5

時空魔法LV3




なんか変なスキルも増えていた。

獣使い、おそらくというか間違いなくウォルのせいだろうが、普通のスキルなので使い魔を持っているものには着くのかもしれない。

光魔法も順調にあがっているようだ。

それに、MPや魔法力の上がりが良い。

あれだけ魔法を使ったのにまだ1000以上も余っている。

この調子ならまだまだ狩れるが、時間がないのでやめておく。

ウォルはもう俺の使い魔なのでこの間の時のようにこそこそ出て行かなくて良くなった。

そもそも、いつ見てもここの監視員は寝ているからおそらく大丈夫だろう。

俺は街に帰り、朝一でミーシャさんのところに素材を持っていく。


「あ、おはようございます。ソラさん。いつものですか?」

「はい。買取お願いします。」


素材用のアイテムポーチを渡す。

ミーシャさんは奥に下がり、鑑定する。

しばらく待っていると、ミーシャさんが奥から出てくる。


「ソラさん、今度はサラマンダーですか。」

「はい。あれはなかなか手強いですね。」

「そうなんですよ。だから、普通1日に30匹以上も狩ってくる人なんていないんですよ。」

「それはレベル上げの一環なんで。」

「はぁ。今日の素材の代金です。」


ミーシャさんは溜め息をつきながらアイテムポーチと金を渡してくる。


「こんなにですか?」

「そうですよ。Cランクの迷宮のモンスターはともなると、全て高級品ですから。でも、危ない真似はしないでくださいね?」

「わかりました。」

「本当ですかぁ?」


ミーシャさんが疑わしそうに見てくる。

こういう慣れやすい所も彼女が人気の1つなのかもしれない。

早朝なので冒険者達はいない。

居たら視線が刺さって居た事だろう。


「じゃあ、また夕方に。」

「はい。また。」


ミーシャさんがお辞儀をして、手を振ってくる。

俺はそのまま冒険者ギルドを出た。

今回は普段のレベル上げの様子を書いてみました。

あまり書いたことが無かったと思いますので。

ソラは基本的に3時間くらいしか寝てません。

成長期の子供にこれはどうなんだとも思いますが、ソラは境遇が境遇ですのでお許しください。

次回は月曜から木曜です。

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