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十九話 使い魔登録

次の日俺たちはギルドに向かう前にこの銀狼に名前をつけることにした。


「どんな名前が良いと思う?」

「私はギンちゃんとか良いと思う。」


リアが手を上げて言う。


「うーん、微妙かな。」

「ひどい。」

「ソラはどう思う?」

「……ジョンとか?」

「なんでジョンなの?」

「ジョン・ドゥーは身元不明の死体につける名前だ。」

「駄目よ!あなた狼に何て名前つけようとしてるの⁉︎」

「じゃ、マリーはどうなの?」

「私は思いつかないな。」

「……ウォル。」

「え?」

「ウォルはどうだ?」


ウォルフから取った簡単な名前だ。


「良いと思うわよ。」

「私も異議はない。」


この銀狼の名前はウォルに決まった。


「ウォル、お手。」

「ワン!」


ウォルが右の前足を置いてくる。


「私もやらせて。ウォル、お手。」

「ガルルルル。」


どうやら俺以外にはまだ警戒が強いようだ。


「お手。」

「ワン!」


訂正する。

俺とマリー以外には警戒が強いようだ。


「なんで私だけ……。」


リアが落ち込んでいたが、しょうがないので放っておく。

俺はウォルと共にギルドに行く。

夜街中を歩いた時は人がいなかったため、騒ぎにはならなかったが、今回は相当な騒ぎになった。

なにせ、Aランクとも言われるモンスターが街中を歩いているのだ、一般人から見れば恐怖だろう。

取り敢えず目立ちすぎるので、ギルドの外に待機させ、俺はギルドの中に入っていく。


「あ、おはようございます。ソラさん。今日も迷宮ですか?」

「そうですけど、その前にやっておきたい事がありまして。」

「やっておきたい事ですか?」

「使い魔登録したいんですが。」

「そうですか。では、使い魔を見せてもらえますか?」

「今はギルドの外で待たせています。連れてきましょうか?」

「お願いします。」


ということで俺はひとまずギルドの外に出る。

ウォルのもとに行ってみると、なぜか男たちの山が築かれていた。


「ウォル、どうしたんだこれ?」

「ワン!」


ワン!じゃわからないがこいつらが何かやらかしたんだろう。

ウォルは人に警戒はするが、襲うような奴ではない。

つまり、こいつらからウォルに仕掛けて、こうなったのであろう。


「ウォル、来い。」

「ワン!」


ウォルが尻尾を振りながら、俺の後ろをついてくる。

そして、ギルドの中に入っていくと今度はギルド内が騒がしくなった。

だが、難癖をつける奴はいないらしい。

これは多分俺のせいだ。

俺が初日に殺気を放ってから冒険者達は俺に萎縮するようになっている。

それに、ジョナサンの決闘から帰ってきても無事だったというのも大きいのだろう。


「ソソソソソ、ソラさん⁉︎もしかしてそちらが……」

「はい。こいつが使い魔にしようと思っている、ダイヤウルフです。」


俺はウォルを指差す。

ミーシャさんは相当驚いた様子だった。

肝心のウォルはといえば俺の足に頬を擦り付けていたが。


「使い魔登録お願いします。」

「すみません。ギルド長に聞いてきます!」


そう言ってミーシャさんは奥に急いで走っていった。

この様子から見て結構大型なのだろう。

しばらくして、ギルド長が直々に出てくる。


「やあ、ソラくん。久しぶりだね。それで、悪いんだけど今から闘技場に来てくれないか?その子が危険でないか試したいんだ。」

「わかりました。行くぞ、ウォル。」

「ワン!」

「懐いているようだね。」

「はい。でも、警戒心は強いですから気に入らない人間は触ろうとすれば殴られるかもしれませんね。」

「……そうか。」


とりあえず、俺たちは決闘場に来た。

まずは、基本的な使い魔達の試験から入る。


「ウォル、お手。」

「ワン!」

「おかわり。」

「ワン!」

「おすわり。」

「ワン!」

「待て。」

「ワン!」

「宙返り。」

「ワン!」


ノリで宙返りも言ってみたが、普通にできてしまった。

というか、三回転半くらい回っていた。



「頭も偉いようだね。他に何かできることはあるのか?」

「闘技場壊れちゃいますけど良いですか?」

「……それはさすがにやめてほしいかな。」

「じゃあ、ジョナサン呼んでもらえますか?」

「ジョナサンかい?わかったよ。おい、呼んで来てくれ。」


ギルド長はミーシャさんに言ってジョナサンを呼んできてもらうことになった。

ミーシャさんは最初から唖然として喋っていなかったので、居るのか居ないのか分からなかった。

しばらくしてジョナサンが来る。


「なんじゃ?突然呼びつけおって。おお、ソラではないか。」


不機嫌そうに言っていたジョナサンだったが俺をみてテンションが変わる。


「で?今日はなんのためにわしを呼んだんじゃ?」

「私が呼んだじゃない。ソラくんが呼んだんだ。」

「ああ、ジョナサン。ちょっとそこに立ってくれ。」

「ここか?」


ジョナサンを闘技場の真ん中に立たせる。


「ジョナサン、マジでやらないと死ぬからな。ウォル、俺の時にやったあの咆哮をやってくれ。」

「ワン!」


俺が言った通りにウォルは咆哮の体勢に入る。

ウォルが大きく息を吸うと急激に周りの温度が下がっていく。


「なんだ?急に寒くなってきたな。」

「ウォル、やれ!」

「ガァァァァァァ!」


ウォルが咆哮をする。

その瞬間砂埃が直線に立っていく。

闘技場の土は削られ、その表面が凍っていく。

そして、遂にジョナサンのもとまで咆哮の勢いが届く。


「ぬおおおおお!」


咄嗟にジョナサンは剣で防御するが、剣ごと、咆哮に押され、どんどん後ろに下がっていく。

そして、咆哮が終わるとジョナサンは闘技場の端にまで押されていた。

これにはさすがに驚いた。

俺は一発もまともにくらわなかったため、正確な威力は分からなかったが、これほどの威力があったなら、まともに喰らえば即死だったかもしれない。


「ジョナサン、生きてるか?」

「なんて事をするんじゃ!本当に死ぬかと思ったじゃろ!」


珍しくジョナサンがキレていた。

と言っても、冗談まじりではあるが。


「ジョナサン、どうする?ウォルと一戦してみるか?」

「よし!やってやろう。おいわんころ。さっさとかかってこい!」


調子の良い奴だ。

さっきの咆哮で結構怪我を負ったはずなのに、もう戦おうとしている。

ウォルはどうしたら良い?みたいな顔でこちらを見ている。


「やって良いぞ。半殺しでも良い。」

「ワン!」


ウォルもやる気になったようだ。

ジョナサンは俺の時と同じように待ちの体勢に入る。

ウォルは俺の時に見せたような速い動きでジョナサンを攻めていく。

ジョナサンは的確にその攻撃を受け流していたが、全てが予測できるわけではないので、少しずつ攻撃を受けていく。

ウォルの爪は俺の龍の牙のナイフでも切れなかったので、相当固いものだろう。

それに、殴られるということは本当に死に関わる。

ジョナサンだから、受け切れているものの常人なら一発でノックアウトだろう。

ジョナサンもこれではダメだと思ったのか。

反撃に出るようだ。

ジョナサンは剣を強く握り、大振りでウォルに斬りかかる。

しかし、ウォルがそんな大振りに当たるはずもなく、さっとかわす。

そんな攻防が何回か続き、ジョナサンの動きが変わり始める。

ジョナサンの剣速が上がり始めているのだ。

だんだんと速くなっていく剣にさすがのウォルも手こずるかと思ったが、ジョナサンが剣を空ぶった瞬間、ウォルは尻尾で思いっきり、ジョナサンの頭を叩いた。

すると、ジョナサンは崩れ落ちる。

脳震盪だろう。

ジョナサンはAランクの冒険者だが、ウォルもAランクのモンスターだ。そして、多分ランクの中ではウォルの方が上だろう。

なので、この結果は当然と言えば当然なのだが、他の2人は滅茶苦茶驚いていた。


「あのジョナサンが……。」

「ジョナサンさんが……。」


唖然としている2人の肩を叩き、こちらに戻って来させてから、言う。


「手加減もできますし、使い魔の登録良いですよね?」

「あ、ああ。認めよう。」


俺たちはそれから受付に戻り、書類を書いた。

書類は簡単で、飼い主と使い魔の名前を書けば良いだけだった。

そして最後に、ウォルに首輪をつける事が使い魔としての証だった。

首輪は赤く、ウォルにつけると目立った。

これで、ウォルは晴れて使い魔となった。

俺はウォルの頭を撫でながらマリー達のもとに帰った。

今回も銀狼回です。

銀狼の名前はウォルに決定しました。

正直アンケートとかで決めても良かったのですが、私はそんなに認知されているわけではないので票が集まらないので意味ないかな?と思い、勝手に決めさせてもらいました。

次回は月曜から木曜です。

投稿遅くなり申し訳ありません。

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