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十八話 狼の主

今日も俺はCランクの迷宮に来ていた。

現在は第3階層だ。

第2階層は敵は変わらず敵の数が増えると言った具合だった。

第3階層も敵が増えるだけだったのだが、モンスター同士の連携が出て来ていた。

ダイヤウルフと戦っていると、前衛役のダイヤウルフが時間を稼ぐ間に後衛に回ったダイヤウルフが遠吠えで仲間を呼ぶ。

そして、その遠吠えで他のモンスターまでやってくるという中々厄介な連携を取ってくる。

だが、そのおかげでわざわざ敵を探す必要はなく、レベル上げはしやすい。


「ガウ!」


ダイヤウルフがいきなり後ろから飛びかかってくる。

俺はそれを避けて、通り過ぎざまに時空魔法で強化した銃魔法を接射で撃ち込む。

今回は新しくショットガンのような弾だ。

威力は高いが命中精度が悪いので距離があると使いづらいのだが、接射で撃つのなら問題ないので使っていく。

そして、次に今日ドーリの所から貰ってきたばかりの龍の牙で出来た、ナイフを試す。

俺は5匹ほどのダイヤウルフを相手にしながら、襲いかかってきたダイヤウルフ達をナイフでいなしていく。

俺はダイヤウルフが飛びかかってきたのを見て、それを避けてからダイヤウルフの着地に合わせ、銃魔法を放つ。

すると、ダイヤウルフは急いで上に飛ぶ。

俺はその瞬間を逃さず、上からナイフを差し込む。

ナイフは硬いダイヤウルフの毛皮と頭蓋骨を突き破り、頭に突き刺さる。

深く刺さったため、脳まで達しているだろう。

俺はナイフでダイヤウルフが倒せることがわかったので、残りのダイヤウルフを狩っていく。

やはりナイフが使えるだけで、殲滅速度が違う。

今までは1匹に2分かかっていたのが今回は1分だ。

俺はそれから数十匹狩ってから、4階層に続く階段を見つけたのでその前で休憩を入れる事にする。

最近の休憩中の作業は属性魔法だ。

今回は光魔法を練習する。

この光魔法は魔法の中で最も攻撃力がなく、需要が高いらしい。

光魔法があれば暗い所を照らしたり、目眩しができたりと結構色々なことができるからだそうだ。

確かに便利な魔法だと思う。

この世界ではまだ電気が開発されていないのでこの魔法は貴重な光源の1つと言えるだろう。

俺は光の玉を1つ出してみる。

まだまだLV2なので光量も持続時間もない。

そうやってピカピカしていると奥から気配が流れ出てくる。


(今までこの階層であったことのない気配だ。)


俺は武器を抜き、戦闘態勢に入る。

しばらくして、俺の方に近づいてきたのは、俺の放った光魔法でツヤツヤと輝く銀色の毛並みのした狼だった。

どうやら、ダイヤウルフの親玉が出てきてしまったらしい。

少し体が小さいのはまだ成長途中なのかもしれない。


「グルルルルル。」


こちらに敵意を向けているようだ。

相手の力が未知数なので、警戒してARIAシステムを起動しておく。

ARIAが起動した感覚がすると、ARIAは多くの未来を予測してくる。

予測を絞りきれていないのはデータが足りないようだ。

取り敢えず銃魔法で牽制してみる。

俺が指を銀狼に向けた瞬間、銀狼はこちらに向かってかなりの速度で走ってきた。

銃魔法を放つが、銀狼に命中しても銀狼はビクともしない。

俺は飛びかかってくる銀狼を避けようとするが、銀狼の速度は速く、横に飛ぶのはかなり厳しかった。

なので、俺は敢えて飛び込みを受ける事にする。

銀狼はそのまま俺の懐に飛び込んでくる。

俺は銀狼の喉を掴み、噛まれないようにする。

しかし、銀狼は鋭い爪を思いっきり振りかざしてくる。

左手に持っていたナイフでなんとか受け止めるが、その一撃は重く、だんだんと押し負けていく。

俺は銀狼の腹と俺の体の間に足を入れ、大きく蹴り上げる。

いわゆる巴投げという奴だ。

そうして、一旦距離を取る。

しかし、距離を取っても一瞬にして距離を詰められるため、かなり厳しい。

この世界に来て、会った中で一番の強敵なのは間違いない。


「これならどうだ?」


俺は完全誘導弾(フルガイドミサイル)を5つ全て展開しつつ、最大まで熱量をあげ、白い楕円球を浮遊させ待機させる。

そして、3つを待機させたまま、2つを撃つ。

銀狼は他の魔物と同じように飛んで避ける。

着地と同時に完全誘導弾(フルガイドミサイル)は追尾するが、銀狼は着地する前に尻尾を大きく叩きつけ、その衝撃で地面から飛び上がる。

そのまま顔を完全誘導弾(フルガイドミサイル)に向け、吠える。


「ガァァァァ!」


すると、完全誘導弾(フルガイドミサイル)の熱量が失われ、小さくなりやがて消えた。

あの咆哮には熱量を奪う、効果があるようだ。

完全誘導弾(フルガイドミサイル)を追加しつつ、距離を取る。

流石にここまで強い相手にナイフで切れるか試すのは命がかかるので、極力近寄らないのが得策なのだが、相手も相手で一瞬にして距離を詰められるので、本当に厳しい相手だ。

俺が策を考えていると、ARIAが予測を出してくる。

その予測は銀狼がさっきの咆哮をこちらに向かって放ってくるという予測だった。

それはまずいので、横に走る。

銀狼はそのまま咆哮の態勢に入り、こちらに狙いをつけて的確に放ってくる。

間一髪避けたが、後ろの壁はくり抜かれたようになっていて、その表面は凍りついている。


(あれをもろに食らったら終わりだな。)


俺は銃魔法を時空魔法で強化しつつ、待機させていた完全誘導弾(フルガイドミサイル)を全て撃つ。

完全誘導弾(フルガイドミサイル)の軌道は全てバラバラにしてあり、銀狼を囲むように展開する。

全て手動操作で敵の動きを制限する。

その間に俺は時空魔法で銃魔法をさらに強化し続ける。

今まではMPを温存していたのだが、そんなことを言える相手でも無いので全損する勢いで強化していく。

強化し終えた銃魔法にさらにイメージを加えていく。

加えるイメージは回転。

銃弾を回転させ、貫通力を高めていく。

かなり高速で回っているようで少し風を感じる。

俺はその弾を持ったまま、完全誘導弾(フルガイドミサイル)を一斉に銀狼に放つ。

銀狼はそれを俺の方に移動することでかわし、その勢いのまま俺の左肩に噛み付く。

血が滲む中、俺は銀狼の腹にさっき強化し終えた銃弾を撃ち込む。

シュン!という音とともに銀狼の腹から血が出る。

銀狼の歯は俺の肩に食い込んでいたが、次第にその力も弱まっていく。

どうやらなんとかなったようだ。

銀狼を左肩から外し、立ち上がる。

銀狼はぐったりしながら、こちらを見ている。

俺はトドメを刺そうとしたが、何かわからない感覚に陥る。


(ARIAがやってるのか?)


それが何かはわからなかったが、俺はこの銀狼を助ける事にした。

俺が近づいていくと銀狼は警戒したように唸るが、もう立つ力は無いようで、前足がピクッ!と動くだけだった。

俺はそのまま銀狼の腹に手を当て、白魔法をかける。

銀狼の傷がどんどんと治っていき、やがて腹に空いた大穴は塞がった。

そして、それと同時に俺のMPが切れる。


(今襲われたら100%死ぬな。)


しかし、銀狼は俺を襲うことはなく、というかむしろ懐いていた。

具体的に言うなら、俺の腕に頬を擦り合わせてきていた。

よくわからなかったが、頭を撫でてやると、服従のポーズと言わんばかりに腹を見せてくる。

よく見れば尻尾も大きく振れている。

本格的に懐かれてしまったらしい。

さすがにここから殺す気にはならないので、取り敢えず帰る事にする。

俺が立ち上がると、お腹を見せていた銀狼が起き上がり、後ろについてくる。

しかも尻尾を振りながら。

俺は無視して帰るが、銀狼はどこまでもついてくる。

そして、遂に1階層の迷宮の出口までついてしまった。

このままでは、門の外までついてきそうなので、さすがに後ろを振り返る。


「お前、どこまでついてくる気だ?」

「ワン!」


まるでどこまでも!と言うかのように吠える。


「お前はこの門を出たら本格的にやばいモンスターだぞ。だからダメだ。良いな?」

「ワン!」


銀狼はそう吠えて、大きく息を吸い込む。

明らかに見たことのある行動に止めに入る。


「待て待て。門を破壊する気か?わかった。連れていくから門を破壊するのはやめろ。」


さすがに門を破壊するのはシャレにならないし、俺がDランクでこの迷宮入っているのがバレるのもまずいので目立つ行動は避けなければいけない。

それに、冒険者には使い魔という制度がある。

ギルドに申請すればモンスターでも使い魔となるのだ。

ただし懐いていて頭が良い場合に限るが。

この様子なら問題ないだろう。

仕方ないので連れていく事にした。

問題はどうやって連れていくかなのだが……。


「俺が門を開けるから全速力で門番のいないところまで走れ。」

「ワン!」


と尻尾を振りながら吠える。

正直、銀狼の速度は異常なので、本気で走れば目につかずに門を抜けるくらい簡単だと思ったからだ。

そして、俺もいつも通り《暗套》を発動させ、周囲から消える。

肩からの血が落ちているので、足跡はわかるが、それでも普通なら気づかないのでゆっくり門を開ける。

その瞬間思いっきり銀狼が走って出ていく。

正直俺も目で追うのが大変だった。

そうして、無事に迷宮を抜け、銀狼と合流する。


「ワンワン!」


どうだ、すごいでしょとでも言わんばかりに尻尾を振って近づいてくる。

俺は銀狼の頭を撫で、歩き出す。

足取りは重いがなんとかなるだろう。

血が止まらないのは問題だが、このぶんなら街までは持つだろう。

すると、銀狼がクイックイッ!と俺のズボンの裾を引っ張ってくる。

そして、自分の頭で背中を指す。


「乗れって事か?」

「ワン!」


そう吠えて頷く。

こちらの言葉を完全に理解しているあたり実は人間ではないかと疑うが、乗った感じ狼なのでただ賢いだけだろう。

俺が背中に乗ったのを確認した銀狼は走り出す。

時速80kmほどだろうか、これでも緩めて走ってくれているのだろうが、なかなか速かった。

俺が細かく指示を出しながら帰るとものの十数分程で着いた。

取り敢えず町に入る。

夜遅いため、街に人影はなく、騒ぎにはならない。

そして、宿に戻る。

銀狼は馬宿で待たせておく。

まずはマリーの部屋に行く。

ノックし、マリーを呼ぶ。


「マリー。」


しばらくしてから、マリーが出てくる。


「ん?どうしたのこんな夜遅くに……」


まだ寝ぼけているのか目をこすりながら俺の方を向き途中で動きが止まる。


「ソラ!その怪我どうしたの⁉︎」

「ん?ああ、これか。噛まれた。」

「噛まれたって⁉︎」

「落ち着いてくれ。すまないがこれ治してくれないか?」

「え?ああ、うん。」


マリーが両手をかざし、肩の傷を治してくれる。

肩の傷が無くなったのを確認すると、マリーに告げる。


「見せたいものがある。来てくれ。」

「え?私パジャマだから外行くのは……。」

「……そうだな。着替えてから来てくれ。俺も着替える。」


正直いつまでも血だらけのシャツを着ておく気は無いので、そのまま体も洗おう。

そして、体を洗い、着替えた俺はマリーの部屋に行く。


「マリー、終わったか?」

「うん。」

「じゃ、行くぞ。」


そして、馬宿に案内する。

銀狼を見てマリーが硬直する。


「あの?ソラ?聞いていい?」

「いいぞ。」

「これ何?」

「ダイヤウルフのボスだ。」


俺がそう言った瞬間、マリーは溜息をつく。


「もういい。わかったわ。これを飼う気なんでしょ?」

「ああ。使い魔にする。」

「わかった。明日手続きに行こうね。」

「いいのか?」

「ソラが決めた事なんでしょ?私もソラに飼われてるみたいなもんだし、いいわよ。」


そう言ってマリーは納得して自分の部屋に帰っていった。

今回は銀狼回です。

犬って可愛いですよね。(狼だけど)

作者は犬を飼った経験がありません。

というかペットを飼った事ありません。

メダカくらいですかね。

名前は次回出す予定です。

次回は金曜から日曜です。

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