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ロア・オブ・ライフ  作者: 爺々屋
密林編
16/82

川の流れが導く先に

 草を掻き分け、道なき道を子熊を先導しながら進む。子熊に先導など必要ないはずだが大人しく付いてくる。


「なぁ、交代してくんね?」


 ずっと植物を切ったり、踏み潰してると疲れてくるわ。

 振り返り言うと、子熊は何も言わずに鼻先を腰に尻に押し付けて急かす。済みませんね。

 進むことだけを考えて「集中」すると「燐光」が出なくはないのだが、それだけをやっていると魔物の襲撃に対応出来ないからやっていない。

 ちなみに座禅をしなくてもその場で「集中」すれば「燐光」が出ないことは無いのだが、効果は座ってやるより遥かに弱い。


 猪と蜂を倒してから更に二日が過ぎた。魔物との遭遇もそれからは雑魚(子熊が倒した)が一回しかなかった。一日に進む距離は大したことはないが、それでももう数十キロは歩いているはず。

 これは最悪のパターンを考えなくてはいけないかもしれない。


「なぁ、おい。もしかしてこの異世界。果てまで森で覆われているなんてことないよな?」


 思ってもいないことを聞いてみても、見つめ返してくるだけで何も言わない。そりゃあそうか、喋ったらビビるわ。

 それとも異世界の中でも広大な密林の中だったり。

 もうどれでもいいから、どっちなのかが知りたい。

 服の汚れの不快さはなんとかしてほしいが、それ以外なら困ることはほぼ無い。


「でも、そろそろ水場があってもいいだろ……」


 水浴びしてない期間、一週間である。汗などの汚れがもはや無視出来ないレベル。サバイバル生活に慣れたとは言え、生まれが都会の俺にはちょっとキツイものがある。

 ……と、そこまで考えて思いつく。


「あ、それこそ「燐光」を使えばいいんじゃねーか。子熊、見張りしといて」


 子熊の頭をポンと叩いて、その場に胡座で座る。この姿勢が一番集中できる。

「肉体は飾りとなり、意識は世界に溶けて消える」

 可能な限り遠くまで意識を飛ばして、伸ばして、拡げて、膨らませる。

 敵を察知するのにも使うこれは、意識を遠くに置けば置くほど反動がデカくなる。

 五十メートルくらいの範囲なら反動なしでいけるが、それ以上は集中を止めた時にかなり頭がボーッとする。今までの最高は大体百メートルくらいで、そこまでいくと何処に何があるかというのは曖昧になってくる。


(遠く……遠くに……)


 探すのは水の音から湿気へと探す対象の特徴を狭めていく。

 毎日夜寝る前に座禅をしてる効果なのか、余裕を持ってできる範囲が少しずつ広がっていっているようで、およそ百二十メートルまで伸ばしている。


(無いか……無いか……湿気……湿気……ん、なんだこれ)


 希薄した意識の中で、今までになかった気配を感じる。ただし水という感覚ではない。

 それすらも勘違いかもしれないので、その場所に「集中」してみた。


(茂った雑草、元気な木々、泳ぐ魔物……泳ぐ?)


 これだ!


 目を開けると同時に「燐光」が消える。最初に広範囲で「察知」していたので、反動でクラッと来たが、喜びがそれを抑えた。


「子熊、水を見つけたぞ。川だ、行こう!」


 ガッツポーズで立ち上がって子熊に声を掛けてから、ついてくるのも確認せずに先を急ぐ。

 川が有るなら身体を洗うことが出来る。それだけで心が弾み、集中どころか散漫とした気持ちなのに身体が浮くようだ。

 距離としては百三十メートルくらいの、草とかがボーボーに生えている場所にある。

 邪魔なツタをナイフで切り裂きながらグングン進む。

 まだかまだか。もう少しで着くはずなんだが。

 ふと、足元の草のボリュームが増えたように感じる。そろそろだ。

 そして、開けた場所に出た。

 やった!と声を、あげようと思った。

 川はあった。ミキさんと見つけた川よりも一回り大きい川だ。これ程の大きさの川ならいずれは見つけていただろう。しかしそれはどうでもいい。


「あ、あ…あ……」


 喜びの声の代わりに俺の喉から漏れたのは、戸惑いの声。

 子熊も到着していた。横に並んで、子熊は目の前の魔物に唸って威嚇している。

 だが俺は動けなかった。魔物に恐れをなしたのではなくて、あまりにも予想外の存在だったからだ。

 そんな、馬鹿な。

 頭の上には平べったい皿。

 緑色の針金を思わせる細い体。

 鳥類のクチバシ。

 鋭い爪。

 指の間に生えている水掻き。

 お前……完全に……


「河童じゃねーか!」


 思わず突っ込んでしまった。

 俺の声で河童はこちらに気付き、陸上選手顔負けなほど腕を振りながら疾走してくる。

 水の中にいるのでそこまで速くはないが。


「キエーーーーー!」


 まさに河童。彼以外に河童を名乗れる者がいるだろうか。

 それほどまでに河童だ。


 いかんいかんと気を取り直して河童に「集中」し、視界に映る河童にだけ神経を尖らせてゆく。

 俺の周りに、淡く光る「燐光」が漂ってきた。身体が軽くなる。

 腰から牙とナイフを抜いて、それぞれ両手に持って交差させて構える。


「がぁぁああ!」


 子熊も立ち上がり、咆哮する。立ったということは、全力で相手をするというサイン。

 つまり、子熊は河童を強者と認めている。


「河童って、強いのかよ……」


 まぁ、だけど負ける気はないぞ 。死ぬ気は尚更だ。

 川岸に居た俺は、河童が川からあがる前にどうにかしようと考え、先に仕掛ける。

 河童の爪と俺の牙とナイフはほぼ同じ間合い。

 ならばこちらから近付いてから、相手に攻撃させて避け、カウンター気味にナイフで切ってから牙で止めだ。

 川から出ようとしていた河童の前に、一足で跳び、着地する。

 そして即座に後ろに下がるが、河童の爪は俺のスピードよりも速かった。


「キエァーーー!」


 爪の先が俺の手の甲の川を裂き、痛みで手が痺れ、出血により動悸がする。

 抑えなければ。「集中」が、切れる。


「くっ……痛ってぇなぁ」


 魔物の河童は待ってくれない。

 追撃してくる河童の腹を重いトレッキングシューズで蹴飛ばしてから、ズキズキと手が痛むのを我慢して下がる。


「そう上手くはいかないか……」


 痛みで河童に「集中」できない。

 するとスイッチするように子熊が前に出る。河童は蹴飛ばされはずだが、もう岸にあがっていた。

 両者、立ったまま睨み合う。

 子熊は妙に強いせいで、強者と遭った場合はすぐ戦闘に移ることがほぼ無い。

 おかしい、俺には速攻で襲いかかってくるというのに。

 その間に、俺は手の甲の傷をなんとかしなければ。

 傷を舐めてみても血は止まらず、痛みは増す一方だ。


(くそっ、痛みさえなんとか出来れば)


 痛いの痛いの飛んでけー、とおまじないを掛けたところで俺の傷が治る訳がなかった。

 河童と子熊が、動く。

 お互いに爪を武器としていて、敵の身体に傷をつけようとする。腕を振っては避けられ、受け止められている。

 大熊や大蛇、「肉塊」レベルの魔物に遭遇したことは、湧き水の拠点を出てから「大口」の一度しかない。

 その為、どうにも俺には子熊が負けるビジョンが浮かばない。

 しかし河童と子熊は拮抗していた。

 河童の身体には紫色の血が滲み、子熊は黒い毛が赤く見えるほど血を出していた。

 同行者の子熊の血を見て、記憶がフラッシュバックする。嫌な、悲しい記憶。


(もう、あんな思い、したくない)


 子熊の荒い息遣いが聞こえる。

 対照的に河童の攻撃の勢いは上がってゆく。


(我慢だ、我慢するんだ。こんくらいの傷、子熊に比べれば大したことない。大丈夫、大丈夫だ)


(「痛くない」)


 漂っていた「燐光」が、パチリと瞬いた。


「ん……あれ?」


 途端に、不安になるほど手の甲の痛みが消える。手を振ってみると、やはり痛かった。だが明らかに最初ほどではない。

 思い込みの力というのも凄いものだな。

 なんでもいい、今は。


「手の甲の分は返すぞ」


 普段の俺には出来ない動きで河童の右横に跳び、ナイフを突き出す。

 河童は子熊を睨んだまま、右手一本で俺のナイフを叩き落とし、軽くあしらう。

 だけど、牙でのもう一撃は避けられなかった。

 横腹に牙の先が刺さる。

 しかしそれ以上は刺さらず、河童の上半身が遠のく、これは。


「……蹴りかッ」


 咄嗟に横に飛び退くと、河童の長い足が、俺が元居た空間を蹴り上げる。

 危ねえ、潰れるところだった。

 しかし俺の狙い通りに、こちらに注意が向いてくれた。

 子熊の横薙ぎに振られた腕が、隙のあった河童の腹に叩き込まれる。

 そのまま河童は飛ばされ、水飛沫をあげて川に入水する。

 よし。

 いつもならばここで逃げる選択をしたいが、折角の水場だし、危険は排除したい。

 だけど頼みの綱の子熊は傷だらけで、俺は河童との戦力差が大きい。やれるか?

 撤退か、抗戦か。判断を迷っていたが、ふと横を見ると子熊が水面を睨んでいた。唸り声さえ聞こえてくる。


「やるか?」


 遊びに誘うように、声を掛ける。


「があ!」


 こちらを見ずに返事が来た。

 全く、賢い奴だ。


 ざばぁ、と川から河童が姿を現わす。表情は怒りに満ち、クチバシの先から水が滴っていた。

 じゃあ、第二ラウンドにいこうか。

 さっきと同じく川からあがってくるものだと思っていたが、何やらプルプルと川の中で力んでいる。

 なんだ?と疑問に感じた束の間、河童の両手の間には大きな水球が浮かんでいた。

 魔法。


「お前はあっちだ!」


「がぁあ!」


 バッと二方向に分かれると、俺の方が弱いと判断力したのか水球を飛ばしてきた。

 けど、残念ながら機動力なら俺の方がある。

 動きにフェイントを掛けるとまんまと引っ掛かり、水球はあらぬ方に飛んでいく。


「はっ、どこ狙ってん」


 だよ、と続けたかったが轟音によって俺の言葉が遮られる。

 首だけ後ろに向けると、中々に太い木が真ん中からへし折られていた。

 アイヤー!

 あの水球を受けたら死ぬということは良く理解した。

 戯けてみせているが、とても恐ろしい。「燐光」のお陰で身体能力は上がっているとはいえ、防御力まで上がってる訳じゃない。

 と、そこまで考えて身体が重く感じる。駄目だ、集中しなければ。

 子熊も手が出しようがないらしく、手をこまねいているようだ。吠えたりして河童の気を引いているだけだ。

 どうする、どうやったら河童に勝てる?近距離での鋭い爪を避け、遠距離の水球を躱す方法。


「どうする……」


 何か、突破口が無いか。なんでも良い。使えるものは何でも……と、そこで。

 ……思いつく。それは正攻法ではない。裏ルートですらない。更に言うと、賭けでしかない。

 俺も河童に石を投げたり、叫んだりしながら思考をまとめてゆく。


 引っ掛かることがあった。それは手の甲の傷だ。

 傷の痛みを我慢しようとした時に「痛くない」と思い込んだ。するとどうだ、痛みがかなり薄らいだではないか。

 俺は馬鹿ではあるが鈍感ではないと自負している。これはきっと「燐光」の効果だ。

 それを正しいとすると、願望というか、思い込みを実現可能な範囲内なら叶えられ、その状態に出来るということ……


 ……そうか、これはある種のイメージなんだ。

 つまり、痛みが無くなるというのも一種の魔法か……!

 これを利用出来れば、河童にも勝てる可能性はある。

 実験してる暇は無い。実戦だ。


 未だ川の中腹から動かずに水球を放ってくる河童に向かって、ギザギザに走りだす。

 理想の動きには「燐光」を使ってなお、程遠い。

 腕の産毛に水球が掠める。だけど、動きに迷いなど生じない。


 遂に川に侵入する。それによって足の動きは更に鈍化してゆく。

 俺が川に入るのに合わせて子熊も川に向かって走り出した。

 距離の近い俺と、強力な一撃を持つ子熊。どちらを先に相手するか。


「キェアァァ!」


 当然、先は雑魚の俺だろうな。

 さっきは易々と皮膚に傷を与えた河童の爪が俺に迫る。

 ここでかつてないほどに「集中」をする。

 命を奪い去りにきた爪にではない。俺の「腕」にだ。


(イメージして、信じて、決めつけて、決定して、思い込め)


(俺の腕は、「鋼鉄」)


(爪如きで切るなんて)


「出来ない」


 大炎の火の粉のように、「燐光」が輝く。

 絶対に大丈夫。そんな確信が何故か心の中にあった。



 ガインッと聞いたこともない硬い音。

 爪は俺の薄皮さえ切ることも叶わず、止まっていた。

 驚きや悔しさで河童の表情は歪んでいる。

 ざまぁ見ろ。


「がぁああ!」


 子熊が背後から襲い掛かる。

 河童はそれには即席の水球で子熊を飛ばすことに成功する。

 けど、俺から目を逸らしたことは失敗だ。

 変わらずに思い込み、叫ぶ。


「俺の腕は、鋼鉄だぁぁあ!」


 格闘技全般が素人の、腰が入ってるのかもわからない拳。

 それは、細くも強靭な河童の首の骨をボキリとへし折った。




 ▽▽▼




 パンツ一丁である。

 このパンツもさっき水洗いした。

 河童を見事討伐した俺は適当に河童の死体を草むらに投げた後、汚れた服をガシガシと洗っていった。

 爽快だ。


「いやースッキリ、スッキリ。これでモチベーションを保てるってもんだな」


 子熊は傷を一通り洗ったあと、密林に消えたかと思うと口に幾つか葉を咥えて戻ってきた。

 それらの葉を口に含み、吐き出す。それを器用にも全身の切り傷に塗っていく。

 沢山あるようなので、ちょびっとだけ貰って、傷のある手の甲に塗る。……かなり沁みた。


 はぁーっと息を深く吐いて、横になる。

 この「燐光」、思っていたよりも凄いものだった。

 思い込みで痛みが無くなったり、腕が本当に硬くなったり。

 なんで俺はあそこまで出来ると信じてたというか、確信を持って成功すると思い込んだのだろうか……うん。ほら、俺ってゆとり世代だし。

 あんまり派手なものではないけども、魔法を意識して使うことに成功した。

 何だかこそばゆく、嬉しくなった。誇らしげな気持ちだ。

 ……ミキさん、俺やったよ。

 そう思った自分がちょっと恥ずかしくなり、干してあるミキさんの遺品の靴を見た。

 その靴の元には、一足の靴下。

 ……なに?


「一足!?」


 がばっと起き上がり、確認する。やはり靴下が一足しか見当たらない。とすれば。

 川に流れた。

 たかが靴下と割り切ることは難しい。素足で靴を履くのと、一枚布を隔てて履くのじゃ全く違う。

 しかもあれは靴下であれ、ミキさんの遺品でもある。


「くそ、折角休めると思ったのに!」


 濡れたままのシャツとジャージを履き、残った靴下をポケットにねじ込みんで素足で靴を履く。

 川の流れはあまり速くはないが、靴下を洗ったのはかなり最初の方。しかも横になっていた時間も鑑みれば遠くに行っていてもおかしくない。


「子熊、靴下探しに行ってくる!」


 走り出すと、子熊もついて来た。ああ、もういいか。このまま進んでいこう。

 目を皿にして靴下を探す。無意識に「燐光」は発動していた。

 水は少し緑に濁ってはいるが透明度はある、黒色の靴下なので見逃すことはないはず。


 川は自然にできたものの割には川の流れを遮るものは少なかった。

 三十分ほど走り続けただろうか、体力の限界が近付いた頃に、遂に発見する。


「うおお……あったー、良かったー」


 川から拾い上げて、水を絞り出す。パンパンと叩いて、それも空いている方のポケットに入れた。


「……無駄に疲れた。今日はこの辺で休むとするか」


 過去の自分の失態を恨みながら、簡単な罠張りと寝床を確保をしようとしたら、子熊が服の端を噛む。

 なんだよ、と文句を言う前に子熊は更に川に沿って、下流の方にぐんぐん歩き出した。


「いや、もう靴下は見つかったっての。……おい、ちょっと、待てって!」


 制止も聞かずに進む子熊を追いかける。

 疑問に思いながらも、聡明な子熊だから、何かあるのだろうかと思い直して黙って付いていく。

 黙々と、歩き続けた。

 だけど変化はすぐに訪れた。

 まず、木々の密度がみるみるうちに低くなり。

 ぼうぼうに生えていた長草はなりを潜めてゆく。

 意識していなかった鳥や虫の鳴き声が小さくなってゆくのに気付いた。


 そして。


 最初は、言葉が出なかった。

 次に、子熊と見つめあった。

 そして、大声で腹の底から叫んだ。歓喜を。


「よっ………しゃぁぁぁああああああああああああああ!!」


 そこに広がっていたのは密林ではなく、青い草原。

 しかも地平線まで草原ということはない。奥には橋のようなものも見える。

 人工物。つまり近くには人が居る。その事実に泣きそうになる。

 嬉しい、嬉しい、嬉しい。

 胸の奥から溢れる喜び。

 やったよ、ミキさん。俺、生きて密林を出たよ……!

 ミキさんと出れなかったことは悲しい。

 でも、今は感謝をしなければいけない。笑わなければいけない。生き残った喜びに。

 ふと、ポケットの膨らみが目に入る。

 ……ありがとう、ミキさん。


 早速俺は橋の方に向かおうとしたが、子熊が座って密林の方を見つめていた。

 子熊は密林でも十分に生きていける。わざわざ密林の外に出る必要は無い。

 迷っているのだろう。


「俺としては付いてきてくれた方が心強いが、何度も命を助けられたし、別に強制はしない。……戻ってもいいぞ?」


 言葉は通じないが、子熊はニュアンスでなんとなく意味を理解出来ている、気がする。

 すると、


「ぐぅあおおぉぉぉぉぉおおおん!」


 大音量で、密林に向かって遠吠えする。まるで別れを告げるように。

 暫く待つと、のそりと四足で立ち、こちらに歩いてきた。

 一対の太陽は落ちかけ、辺りをオレンジ色に染め上げていた。

 一陣の風が吹いて、髪を揺らす。


「じゃあ、行くか」


 密林を、俺たちは出た。


これにて、密林篇は終わりです。


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