サポート 1
全力以上で叫んで、慎吾が、肩で息をしながら静奈を睨む。
静奈は、全く気にする様子もない。
「五月蠅いわねーー。大声出さななくても聞こえてるわ。」
「そー言う問題じゃないだろ!だいたい、何で俺を選んだんだよ!」
むこうを向いていた目が、クルリと動き、慎吾を見ると、ニヤリ。
「知りたい?」
ゴクリ。
慎吾は、自分の喉が鳴る音を聞いた。
「聞きたくないが、聞かないわけにはいかないな。」
冷や汗が、、、。
静奈は、両手をこたつからだし、天板に肘をつくと、組んだ手の上に、自分の顎をおいた。
「と、言っても、凄い簡単なんだけどね。」
言いながら、片手の小指を立てる。
「どう言うことだ?」
静奈は、もう一方の小指も立てた。
「慎吾はさぁ、神になる気はないでしょ。」
横目に慎吾を見上げる。
もちろん慎吾は、即答した。
「全く無い。」
「だからよ。」
間が開いて
「意味が全くわからない。」
「私さ。」
再び、両手をこたつに突っ込むと、静奈は、真っ直ぐ慎吾に顔を向けて、軽く肩をすくめた。
「サボりたくなったのよね。」
「おぃ。何だそりゃ、まったくつながらねーぞ。」
「そう見えるでしょ。でも、実は違うのよ。」
「おぃ。」
「何と!」
集中線が見える勢いで、静奈の人差し指がたてられた。
「神候補を推薦した天使は、その選抜期間の間は、推薦した神候補の世話をする条件で、一切の天使業務をしなくていいの!」
「つまりは?」
「つまり、最初から、神になる気のない候補者を選んでおけば、候補者の世話をする必要がない上に、一切の天使業務をしなくていいという、究極のサボりが完成!!」
慎吾は、黙って、目元に指をあてた。
静奈は、これまでにないニヤニヤを背負って。
「どぅ?凄いでしょ。」
「お前ー、、、。本当に、天使か?」
ー意味が分からな過ぎて、頭が痛いぜ。ー
「ちょっと、なんだか、凄く失礼な質問に聞こえるんだけど。」
静奈が、こちらを睨んでくるも、慎吾は、鼻をならした。
「悪魔が化けてるようにしか見えん。」
対抗したのか、静奈も鼻をならしてくる。
「あのね、言っておくけど、天使なら全員、善、じゃないのよ。神だって、邪神がいるでしょう、天使だって同じよ。」
「自分が悪だって、認めてるじゃねーか!」
「中身はともかく、天使には間違いないんだから、何が問題なのよ!」
「中身が重要じゃねーか!」
睨み合う二人。
静奈が、すっ、と、目を逸らした。
「こんな可愛い女の子に、サポートしてもらえるのよ。何が問題なのよ。」
「サポートする気がないから、サポートする必要のない俺を選んだんだろーが。」
今度は、顔も逸らした。
「サボりのお仲間でしょう。何が問題なのよ。」
「はっきり言っておくが、俺は仲間じゃないし、サボってるつもりもない。」
完全にむこうに顔を向ける静奈。
「神になれって、言ってるわけじゃないんだから、いいでしょう。」
「俺は、一度も同意してないし、静奈が勝手に推薦したのが問題なんだぞ。」
黙った。
そして、ゆっくりと、静奈がこちらを向いた。
目に、決意をのせて。
「わかったわ。私、慎吾をサポートするわ。それなら、問題ないでしょ。」
ーなんだ、この圧は。ー
押されて、思わず頷きそうになるも、、、。
「俺を神にする気はないんだろ。」
人差し指を立て、ちっちっ、と、振ってくる。
「だから、神になるようなこと以外でサポート。どうかしら?」
「要らん。困ってない。」
ー間違いなく、厄介になるからな。ー
既に、その笑い顔からして、危険な匂いがしているのに。
「そうねー。何がいいかしら。」
しかも、人の話を聞く気がない。
「聞け!何にもサポートなんぞ要らないぞ!」
「大丈夫よ。何と私、上位天使なの、しかも、非戦闘員で、凄いでしょう。だから、サポートはばっちり。特に、、、。」
ぶつ切りで、静奈が黙った。
ー嫌な予感がするぜ。しかも、絶対にあたるぞ、これ。ー
ゆっくりと、異様な雰囲気を纏っていく静奈に、不安も大きくなっていく。
そして。
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