テストが終わって 6
夢見が、こたつ布団を跳ね上げたり、落としたりしていた。
「やっぱり、難しいですねぇ。」
こたつの中の温度を調節してみているようだった。
「まぁ。出力の差から、私の方が制御は難しいですが、、、。」
バン。
「ふぅ。」
再び跳ね上がったこたつ布団に、夢見が、諦めのため息をつく。
と。
静奈が、立っていた。
「まったく。ちょっと混乱したぐらいで騒いで。器が小さいのよ、器が。」
ぶつぶつ言いながら、こたつに入った静奈が、こたつの中の温度を調節すると、
「彼女達、この先、上手くいきますかね?」
心配そうな表情で夢見。
「大丈夫に決まってるわ。スーパーキューピットの私がやったのよ。」
自信満々で、静奈が腕を組む。
「わかりますが、心配になるのはどうしようもないので。」
苦笑する夢見に、静奈は、肩を竦めた。
「それにしても、その彼女達なら、そこまでする必要はないとおもいますが、、、。」
「何のこと?」
静奈は、ため息混じりに顔を伏せ、髪に手を入れた。
「森羅万象に無意味に干渉して、神々に修正の変革を起こさせ、意思の固定をさせる。まぁ、彼女達が心変わりをしないようにするのが目的なのはわかりますが、そこまでしなくても、彼女達は心変わりはしないと思います。」
「気がついてたのね。」
「何となくですが、既に静奈様の力を知っている慎吾様に、もう一度、力を証明して見せるためとは言え、森羅万象に干渉するのは危険性すぎます。他にも、余程の理由があるかと思いまして、、、。」
「で。気がついた。と。」
「他に思いつかなかった、だけですけどね。」
静奈は、小さく肩を落とした。
「そこまで気がついてるなら言っちゃうけど、彼女達、柚羽ちゃんと、咲舞ちゃんの慎吾に対する思いが、妙に高くなってたのよ。」
夢見の目が丸くなった。
「そうなんですか。」
「そ。最初はほぼゼロだったのに、数日の間に一気にね。」
「流石は、慎吾様ですね。」
「いいけど。とにかく、慎吾に対する思いが、危険ゾーンの3割に、一気に近づいて、さらに伸びていきそうだったから、仕方なくね。」
「でも、3割でしたら、残りの7割は河本様や進藤様になるんですよね。」
「そんなわけないでしょ。2割ぐらいは、その他、があるわ。」
「、、、。不味いですね。」
少し黙って考えた夢見が、顔をしかめた。
「でしょう。5割を切ってきたら、好きな人の一人になっちゃうことを考えたら、今は盛り上がってるからいいけど、後を考えるとねぇ。」
「ですが、話だと、慎吾様に対する3割も、神の変革で固定されてしまうことになりますよね。それも、微妙かと思うんですが。」
「普通はそうなるわ。けど、神の候補者たる慎吾に対しては違うわ。」
「どう違うんです?」
「慎吾は、神の候補者として、全てを見ておかないといけないわ、だから、私や、夢見と同じように、神の変革の影響を受けない。その、変革の影響を受けていない慎吾への思いが3割もあるのは、明らかに不味いから、一番大きくて、うまくいっているる相手への思いに切り替えられるのよ。」
「そうなるんですね。」
「そっ。おかげで無駄に選抜会の奴らに怒られることになったんだから、勘弁してほしいわ。」
「お疲れ様です。」
「全くよ。それもこれも、慎吾がこっちの邪魔をして、二人の思いを引き上げた結果だと思うと、本当に腹が立つわ。」
ぶつぶつと不満を呟く静奈。
その静奈を見ながら、珍しく夢見が悪魔っ気のある笑みを浮かべた。
「なっ。何よ。」
気がついた静奈が、気圧され気味に口を尖らせると、夢見が、
「静奈様も、意外にお子ちゃまですよね。」
「ちょっと、私のどこがお子ちゃまなのよ。」
「今みたいなところですとか、素直になれないところですね。」
「くっ。」
言い返そうとするものの、墓穴を掘りそうだと気がついた静奈は、無言で、むこうを向く。
夢見は、もう少し、悪魔っ気を増した微笑で、その静奈を眺めた。
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