テストが終わって 1
出るのは、安堵のため息。
「何とか、、、。」
持っていた、点数の書かれたテスト用紙を適当に片付けると、ゆっくり立ち上がると、慎吾は、いつもの、後ろの隅に向かった。
「おー。どうだった?」
宗久が、ほっとした顔で立っていた。
自分も、似たような顔をしているだろうな、と思いながら、
「何とか。」
息を吐く。
「どうだ?」
五郎だ。
同じように、ほっとした顔をして立っていた。
「何とか。」
「俺も、何とか。」
「五郎は?」
「俺も、何とかだ。」
「おーい。」
他から呼びかけられて、三人は、声の出元を見た。
中里だ。
向かって、移動する。
「どうだった?」
「「「何とか。」」」
「そっちは?」
「こっちも、何とかだ。」
「そっか。」
六人、揃って、胸をなでおろした。
「何とか、よかったみたいね。」
振り向くと、静奈と夢見が、立石と葛西をつれて、歩いてくる。
「おかげさまで、何とかなったみたいだ。ありがと。」
立石と葛西も胸をなでおろす。
「じゃあ、次は、土曜日だから、時間、開けときなさいよ。」
「土曜日?」
「わからないかしら?」
嬉々として、夢見が前に出た。
「私の番ですよね。お任せください。慎吾様の脱赤点の、柚羽様と咲舞様に対する感謝のパーティー、素晴らしいものに、、、。」
「あぁ。そう言うことね。夢見はちょっと待ってくれ。第一、夢見はもとから赤点ないしなぁ。」
言いながら、静奈、立石、葛西、と、見ていく。
静奈は肩を窄め、立石と葛西は頷き、確認した慎吾は、男子達に向いた。
五人も頷く。
「と、言うことで夢見は奢る必要はなし。」
「しかしですね。慎吾様の脱赤点の、柚羽様と咲舞様に対する感謝のパーティーは、、、。」
「小遣いの範囲内。」
夢見の頬が膨らんだ。
「土曜だぞ。」
「おぉ。わかっった。」
「開けとく。」
「ん。」
「で、どこに行くんだ?」
聞くと。
ふふっ。
笑った静奈が、メモを取り出した。
嫌な予感を覚えながらも、受け取る慎吾。
「静奈ちゃん。ほんとにいいの?」
「大丈夫なの?」
「試してみないとわからないでしょう。もしかしたら、根性見せるかもしれないし。」
「大丈夫です。私が、、、。」
「とりあえず、夢見ちゃんは、大丈夫だから。」
「そうそう。そこまでしてくれなくても大丈夫だから、ね。」
「はぁ、、、。」
流石に、立石と葛西に言われて、静かになるん夢見を見たのち、二人の心配そうな目は、男子達に向けられた。
慎吾は、既に、目を、これでもか、と、開いて止まっている。
「店のリストか。」
「どれ。」
五郎と宗久が、停まって。
「どうした?」
「見せてみ。」
「どれどれ。」
中里に、河本に、進藤も、順次、停止した。
「静奈、、、。」
最初に止まった慎吾が静奈を見る。
「どう?私が選んだお店は。最近、近くで噂になってる店よ。間違いわ。」
「しん、、、。」
頑張る夢見を手を出して止め、胸を張る静奈を無視して、慎吾は、立石と葛西に向かって、頭を下げた。
「ごめん。二人には悪いけど、これは、流石に無理。ファミレスにしてくれ。」
「ちょっとぉ。」
静奈が非難の声を上げるが、立石と葛西は、慌てて手を振った。
「大丈夫。ファミレスでいいよ。」
「うん。ファミレスでいいから、ね。静奈ちゃん。」
目線で、静奈に同意を求める二人。
ため息。
「しょうがないわね。まぁ。冗談だからいいけど。」
静奈が肩を竦めると、ぼそぼそと慎吾が。
「もしかして、ファミレスにしやすいようにしてくれたのか?」
「どっちだと思う?」
「サンキュ。」
静奈の微妙な笑みに、礼を言った慎吾は、止まっている五人に声をかけた。
「おーい。ファミレスで許可が出たぞ。」
「おっ。そうか。助かった、と、言うか。ごめん。」
「悪いな。」
「すまん。」
「「、、、。」」
次々、頭を下げる五人。
「いーよ。いーよ。」
「大丈夫。大丈夫。ファミレスでいーよ。」
再び、手を振る二人。
「ちゃんと感謝しているようで、なにより。じゃあ、土曜日はファミレスで。」
「「「おう!」」」
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