表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

休みか、サボりか

 ー話を聞けーーー!ー

 飛び起きると、朝になっていた。

 「夢、、、。夢か、、、。」

 慎吾は、がっくりと項垂れ、安堵の息を吐いた。




 ピッピッ

 電子体温計の音が聞こえた。

 慎吾がそれを取り出すと、恵理子が取り上げる。

 「37.8。寝てなさい。」

 「うぃ。」

 赤い顔をした慎吾は、素直に席を立つと、部屋へ向かった。

 「まだ冷えるのに、髪を乾かさないで、いつまでも起きているからよ。」

 後ろに聞こえる声に

 ーあいつらのせいで。ー

 昨日のアンケートの女の子と、たっぷり冷や汗をかかせてくれた女性を思い出し、悪態をつきながら、慎吾は、布団にもぐりこむ。 

 窓の外は、スッキリと晴れた、雲一つない青空が広がっていて、のどかな田舎の雰囲気を強調していた。


 解熱剤に、しょうが湯を飲まされ、いつの間にか夕暮れ時になり、慎吾は、まだ怠い体を壁の方へ向けた。

 ドバン。

 後ろで、勢いよく部屋の扉が開く音がする。

 同時に。

 「ちょっと、何で学校サボってんのよ!」

 この部屋で、絶対に聞くことのない、知らない女の子の声が聞こえた。

 驚いて、体を起こし、声の方へ顔を向ける。

 「誰だ。って、言うか、お前は!」

 ー昨日のアンケートの女!ー

 「お前は、じゃないでしょう。何で学校サボってんのよ!」

 よっぽど、慎吾が学校を休んだのが気にくわないのか、かなり怒っている。

 「て。何で、俺ん家にお前がいるんだよ!」

 慎吾も、勢いよく、言い返す。

 「何で?そうよね、私が一生懸命、必死に準備したサプライズを、サボって台無しにしてくれたもんね。知るわけないわね。」

 「全くわからねーよ!」

 「とにかく、そっちが学校をサボったせいで、私が準備したサプライズが台無しになったの、先ず謝って!」

 「知るか!」

 「じゃあ、何で学校サボったのよ!」

 「熱が出たから休んだんだよ!」

 「、、、。」

 彼女は、半眼になって、慎吾を睨んだ。

 「何で、熱なんてだしてるのよ。」

 あの場面が、一瞬。

 「お前が変なこと言うからだ!」

 彼女の半眼が、さらに半眼になって。

 「それこそ、わからないんだけど。」

 ふんっ。

 慎吾が顔を背け、彼女が、、、。

 「静奈(しずな)ちゃん、慎吾の様子はどう?」

 下から、祖母の声が聞こえた。

 「あっ。大丈夫みたいですよー。」

 彼女、静奈が、全く怒気を感じさせずに返すと、

 「じゃあ、下に来るように言ってね。」

 疑う様子もない、祖母の声が返ってきた。

 「わかりましたー。」


 「と、言うことで、下に行くわよ。」

 ちゃんと、怒気がでている。

 「お前、猫被り凄いな。」

 祖母の声に、顔の向きをなおしていた慎吾が感心していると、チラリと、静奈が犬歯を見せた。

 「どうでもいいでしょ。下に行くわよ。」

 「俺、まだ調子悪い。」

 大袈裟に布団をかぶりながら、壁の方を向いて、慎吾が横になる。

 実際、慎吾は、熱がまだ残っているようで、頭が痛く、身体も怠かった。

 ちっ。

 舌打ちが聞こえる。

 と。

 ー何だ?ー

 慎吾は、再び、驚いて飛び起きた。

 一瞬で、頭痛と怠さが消えただけでなく、いつも以上に体が軽くなったのだ。

 驚いた表情で、原因らしい静奈を見と、

 「特別だからね。」

 静奈は、隠す様子もなく肯定した。

 「お前、、、。」

 慎吾が、言葉を続けられないでいると、静奈が、薄く笑う。

 「これで、休みじゃなくって、サボり確定だから。後で謝ってもらうからね。」

 「おぃ!」

 「さっ、体調は大丈夫でしょ、下に行くわよ。起きなさい。」

 慎吾の抗議の叫びは無視した静奈は、謝らせる算段がついた、と、見て、機嫌が回復し、ニヤニヤとご満悦。

 慎吾は、ため息をつきながらも、体調が良くなっているのは事実の為、布団から出ようとして、全く動く様子のない静奈に気が付いた。

 「おぃ。もういいぞ、先に行っててくれ。」

 静奈の目が丸くなる。

 「は?何言ってんの、わざわざ待ってるのに、それはよくないんじゃない?」

 「着替える。」

 どうなるかわかったのか、すこーし、頬に赤みが差し、目が泳ぎ始める静奈。

 ちょっとして。

 「なっ、なに言ってんのよ。お子ちゃまじゃあ、あっ、あるまいし。」

 慎吾は、思いっ切り、目を尖らせた。

 「早く行け!」

 「わかったわよ。」

 一瞬、口を尖らせるも、静奈は、大人しく部屋を出ていく。

 慎吾は、盛大にため息をついた。

読んでいただき、ありがとうございます。


よければ評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ