協力作戦 4
静奈と夢見が、こたつに入ると、静奈が、中の温度を調節した。
「まさか、咲舞ちゃんの方とはね。」
「完全に、盲点でしたね。」
片肘をこたつにつき、頬をのせた静奈が、不機嫌そうに口を尖らせる。
「まったく。ろくなことしないんだから。」
「そうですけど、、、。」
夢見が、微妙な同意を返す。
「どうしたの?」
静奈が夢見を見ると、彼女は、こたつに両手を入れ、うつむき加減に小さくなっている。
「それでも、あの状況で、ちゃんと取ってもらえましたし、、、。」
「まぁ。ねぇ、、、。」
静奈も、少し頬を赤くして俯いた。
「静奈。夢見。」
二人がコンビニに入ろうとしたその時、慎吾が二人を呼び止めた。
「なに?」
「はい。なんでしょう?」
慎吾の手招きに従って、店の脇に移動する。
「で、二人して、何やってんだ?」
腰に手をあてた慎吾が、二人を見据える。
「な。何のことかしら。」
「慎吾様、私は、、、。」
「夢見は喋らない。」
「ですが、、、。」
「いいから。最近、二人して、何かやってるだろ、流石に気が付くぞ。本当に、何やってんだ?」
ガラスのむこうで、気が付いていない葛西が、予定ポイントに移動している。
ちっ。
舌打ちする静奈。
「こらこら。聞いてるか?別に怒ってないから、何やってるか、、、。」
「夢見。先に行って。」
「えっ?ですが、、、。」
「いいから!」
「おいって!」
頷き、背を向けて走り出した夢見に、慎吾が手を伸ばすと、遮るように、静奈が間に入った。
慎吾は、無理に夢見を追おうとはしないで、静奈の前で止まる。
「やっぱり何かやってるな。大丈夫だ、怒る気はないから、、、。」
黙って、慎吾に顔を近づける静奈。
隙が微塵もなく整った、綺麗な静奈の顔を、いきなり目の前に突き出された慎吾は、
「なっ、何だよ?」
怯んで、微妙に下がる。
静奈は、極上に笑みを浮かべると。
「いでっ!!」
慎吾の脛を蹴っ飛ばした。
痛みに、思わずしゃがみ込む慎吾。
静奈は、それに合わせて離れると、
「後で治してあげるから、そこで待っててね。」
一言。
コンビニに駆け込んだ。
店内では、夢見がちょうど、男子達に割って入ったところだ。
不自然にならない程度の早足で、夢見に続く静奈。
二人は、進藤を男子達から切れ離すと、行く先を確認しながら、他の男子が葛西と進藤に近づかないように注意する。
少しして。
静奈の視界の隅で、進藤が葛西に声を掛けるのが見えた。
「どうした?」
「えっと、ちょっと手が届かなくて。」
「よかったら、俺が取るけど?」
「ほんと。ありがと。」
静奈と夢見が、グーをつくって、向きを変えると、慎吾が立っていた。
「あら。思ったより早いわね。」
「慎吾様、足が、、、。」
「つーか。二人とも、本当に、何やってんだ?それに、静奈。脛、めちゃめちゃ痛いぞ。」
「静奈様。なにを、、、。」
「はいはい。ん。とっ。」
慎吾にむかって、静奈が手を振る。
痛みが引いたのか、慎吾の表情から、苦しそうな感じが抜け落ちた。
「さんきゅ。いや。静奈が蹴ったんだぞ。それより、二人して、何やってんだ?」
「慎吾。」
静奈が急に、ニッコリと、悪魔色のない笑顔を浮かべる。
と。
「なっ、何だ?」
慎吾が警戒して身構えた。
「今日は、特別に、私が奢ってあげる。」
「おっ?おぅ?」
思いもしない静奈の一言に、目を丸くする慎吾。
「私も奢ります。」
夢見が、袖を引っ張った。
「いや。そんなことより、何をやってるのか、、、。」
「行くわよ。私が選んであげる。」
「慎吾様の喜びそうなのを選びますね。」
「話を聞けって。」
離れないように、二人を追う慎吾。
「だから、話を、、、。」
「あっ、これこれ。はい。」
機嫌よく、静奈が、手にしたペットボトルを慎吾に突き出す。
「待て。これ、ゲテモノ味で売ってるやつじゃないか。いや、いらんから話を、、、。」
「決定ね。実は、前から試してみたかったの。頑張ってね。」
「待てって。」
「慎吾様。これはどうでしょう?」
「夢見。何で、そう言うスタミナドリンクなんだ?」
「男の人は、こう言うのを欲しがると聞いたのですが?」
「誰に聞いた。誰に!」
夢見が指した先は、横にいる静奈。
「おい。静奈、変なことを夢見に、、、。」
聞こえない、とばかりに、静奈は、慎吾に背を向けた。
「夢見、レジに行くわよ。」
「はい。」
「おい。」
「待っててね。」
「すぐに清算してきますので、お待ちください。」
「、、、、、、、、。」
諦めた慎吾は、頭を押さえながら、二人を眺めた。
読んでいただき、ありがとうございます。
よければ評価をお願いします。




