協力作戦 3
静奈と夢見、向かい合ってこたつに入ると、
「このくらいで、っと。」
静奈が、こたつの中の温度を、魔法で調節した。
「何だか、こたつが涼しいなんて、変な感じですね。」
「ふふっ。何しろ限界突破だからね。それより、今日は上手くいったわね。」
「慎吾様が、大変になってましたが、、、。」
嬉しそうにしている静奈を、夢見が複雑な表情で見ると、
「ふん。いいのよ。あいつ、私にはあんなことしたことないんだから、いい気味だわ。」
すると、夢見が、かなり苦しい表情になって、
「あのー。静奈様、言い難いんですが、、、。」
「何よ?」
キョトンと静奈。
「その、静奈様の運動能力から考えるに、単純に、転んだことがないだけではないかと、、、。」
「、、、。そっ、それは、、、。そうかも。、、、。」
「「、、、。」」
「でっ、でも。」
少しの沈黙を、先に静奈が破った。
「夢見が転んだとして、慎吾が、手を出してくれると思う?」
「私ですか?」
考えるように目線を上げる夢見。
ゆっくりと、赤くなっていった。
「慎吾様でしたら、たっ、たぶん、、、。」
その様子を見て、静奈が、呆れたため息をつく。
「とょっと。このくらいで、そんな反応してて、どうするのよ。ほんと、おこちゃまねぇ。」
「でっ、ですが、静奈様だったとしても、慎吾様は、手を出してくれると思いますよ。」
「えっ?私でも?まさか。」
「間違いないと思います。」
俯き、頬を染めたまま、断言する夢見。
「そっ、そっか。」
静奈も、ゆっくり、赤くなっていった。
じーっと。
静奈と夢見の目線が、真吾を追っている。
慎吾達は、いつものコンビニに向かっていた。
「なぁ。」
「何よ?」
「はい。」
「朝から、じろじろと、俺を見ている気がするんだが、俺、何か変か?」
目線が気になった慎吾が、二人に聞くと、
「変も何も、何で、じろじろと見ないといけないのよ。」
「大丈夫です。私は、慎吾様のサポートのために、見させていただいてます。」
「そうだけど。て、言うか、夢見は、こっちをじろじろ見なくていいから。」
「ですが、サポートするためには、、、。」
「いいから。」
「わ。わかりました。」
静奈は、ぷいっと、横を向き、夢見は、残念そうに俯いた。
慎吾は、肩を落とすと、先にコンビニ入っていた男子達と女子、二人を追った。
静奈と夢見は、店の少し前で、慎吾の脇を抜けて、先にコンビニに入った。
すぐに、河本と、立石を探す。
「いたわ。」
「柚羽様は、予定の場所に。」
二人は、待っている立石に頷くと、男子達の間に入り込み、河本を男子達から切り離す。
一人になった河本は、棚を眺めながら、立石に近づいた。
おもむろに、商品棚の上の方に手を伸ばす立石。
「んっ、と。」
「どうした?」
気が付いた河本が、立石に走り寄る。
「あっ。あのね、あれを取とろうかなって。」
立石が、棚の上の方を指すと、
「どれ?」
何気に、立石のそばに近寄って見上げる河本。
「上手くいきそうですね。」
「当たり前でしょう。私が考えた予定なのよ。」
邪魔をしないように、静奈と夢見は、グーを握りながら、場所を移す。
と。
二人が立ち止まった。
目の前で、慎吾が、明日の予定ポイントで、葛西に、棚の上から、飲み物を取っていたのだ。
「慎吾様!」
「あいつぅぅ!」
つかつかと、早歩きで慎吾に向かう静奈。
夢見もついて行く。
静奈は、葛西が立ち去り、場所をかえてた慎吾の横に立つと、
「静奈か、決めたのか?ゲフッ。」
気が付いた慎吾に肘を打ち込み、棚の上に向かって手を伸ばした。
棚の高さが低くなっている所のため、肘をまげて、商品に触らないようにしている。
「あっ。何か、手が届かないから、誰かに取って欲しいな。」
「どう見ても、届いてるぞ。ゲフッ。」
またもや、静奈の肘が、慎吾に打ち込まれる。
「誰かに取って欲しいな。」
「わかった。わかった。」
諦め、慎吾は、静奈が指していた棚の上の商品を取り、静奈に渡す。
「わかればいいの。」
「慎吾様。私も手が届かないです。」
「いや、届いてる。ゲフッ。」
静奈の肘。
「はいはい。」
夢見が指していた、棚の上の商品も取って、夢見に渡す。
慎吾の前で、静奈と夢見が、機嫌よく、渡された商品を眺め、それを同時に、慎吾に突き出した。
「何だよ?」
「何でもいいから、今日は慎吾の奢り。」
「よろしくお願いしますね。」
「いや。何でだよ?」
「「何でも!」です。」
勢いに押されて、慎吾は思わず受け取ってしまう。
「よろしくね。」
「ありがとうございます。」
慎吾のため息が、歩いていく二人を追った。
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