表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/57

協力作戦 1

 元の場所に戻って、こたつに入った静奈が、自分のノートをひろげた。

 「さてと。まさか、慎吾達の方から声を掛けるとは思わなかったから、焦っちゃったけど、上手くいったから、結果オーライよね。」

 ノートの立石 柚羽と葛西 咲舞のところにチェックを入れ、状況を書き込む。

 「先ほどの、放課後の勉強会のことですか?」

 「そうよ。夢見にも手伝ってもらうから、て言うか、どこから見てたの?」

 「慎吾様が、声を掛ける少し前からです。」

 「じゃあ、説明はよさそうね。今回は、柚羽ちゃんと咲舞ちゃんがターゲットなの。」

 「慎吾様のハーレムの一員としてですか?」

 「それなんだけど、クラスの女の子がいい子ばかりで選べなくてね。まず、相手が決まっている子をくっつけようと思ってるの。」

 「相手がいる方をくっつけるのは、わかりますが。そのー。」

 見ると、夢見が不思議そうに静奈を見ていた。

 「どうしたの?」

 「そのー。慎吾様のハーレムですから、いい子でいいと思いますが?」

 ふっ。

 静奈が笑う。

 「あんまりいい子を選んで、魔族の綺麗どころよりよかったら、魔界に来てくれなくなるわよ。」

 「そっ。それは、、、。ですが、慎吾様のためには、、、。」

 「まぁ、そうなったら、夢見が選ばれる確率が、かなり下がるのは確実ね。」

 「、、、。確かに、いい子の中から選ぶのは大変ですね。」

 「でしょ。で、明日は柚羽ちゃんがメインで、相手は河本よ。咲舞ちゃんは進藤で明後日。ちなみに、柚羽ちゃんも、咲舞ちゃんも、もこっちが協力することは知ってるから。」





 慎吾達がぞろぞろとコンビニへ入っていく。

 「今日は、五郎だったな。」

 慎吾の言葉に、頷く五郎。

 「おう。任せとけ。好きなのを選んで、こっちに入れてくれ。」

 籠を手にした五郎が、葛西と立石に声をかけると、

 「ありがと。」

 「ごちそうさま。」

 二人が、それぞれに答えて、店内へ散った。

 「俺らも選ぼうぜ。」

 「おう。で、何にするんだ?」

 「昨日はオレンジだったから、今日はグレープだな。」

 「炭酸、練習しなって。」

 「うるせー。」

 「ブラックは、やっぱ駄目だ。今日はミルクティーにする。」

 「俺は、ブラックだけどな。」

 「ふんっ。」

 騒ぐ男子達を横目に、静奈と夢見が、立石の後ろを歩いていく。

 立石は、店内を見回すと、見つけた河本に、何気なく近づき、、、。

 「今!」

 小声の静奈の指示で、夢見が力を使うと、

 「えっ?」

 思いもよらなかったのか、声を上げた立石が、いきなり足を滑らせ、河本にむかって、しがみつくように倒れこむ。

 「なっ?」

 二人は、河本の声を残して、重なるように通路に倒れた。

 「ご、ご、ご、御免ね。だっ、大丈夫?」

 真っ赤になって、慌てて、両手をついて体を放し、座り込む立石。

 河本も、真っ赤になって、体を起こし。

 「だっ、大丈夫だ。その、けっ怪我は?」

 「わっ、私は大丈夫。」

 少し離れたところで、静奈と夢見が、小さくガッツポーズ。


 したところに。


 「おい。どうした。大丈夫か?」

 慎吾が顔を出した。

 「俺は大丈夫だ。」

 「私も。」

 「ん。」

 二人の答えを聞きながら、様子を確認した慎吾。

 「怪我もなさそうだし、いいみたいだな。それなら、そろそろ立った方がいいんじゃないのか?」

 「確かに。」

 「そっ、そうね。」

 あたふたと、立ち上がろうとする二人。

 その、立ち上がろうとしている立石に、慎吾が手を出した。

 「あっ。ありがと。」

 あまりにいいタイミングに、立石は、思わず慎吾が差し出したその手を握ってしまう。

 「えっ?えーっと。」

 自分でも握ってから気が付いたのか、立石は、焦った表情で声を上げる。

 「どうした?」

 「なっ、何でもない。あっ、ありがとう。」

 慎吾に支えられながら立ち上がった立石。

 再び、真っ赤になり、ぺこりと、頭を下げる。

 慎吾は軽く、それに頷くと、河本にも目を向けた。

 奥では、静奈は、微妙に青筋を額に浮かばせ、夢見は、頬を膨らませている。

 「二人とも、棚の方に倒れなくてよかったな。」

 「それは、そうだな。」

 「ごめんね。私が転んじゃったから。」

 「いや、怪我もないし、気にしないでいいよ。」

 「でも、、、。」

 「おーい。そう言うのは、店を出てからにした方がいいと思うぞ。」

 我に返る二人。

 「えっ、とっ、おぅ。とりあえず、選ぼうか?」

 「そっ、そうだね。」

 並んで歩いていく二人を見送った慎吾は、

 「慎吾。」

 静奈の声に振り返る。


 思いっ切り、怒り顔の静奈がいた。


 「おっ、おぃ。何だよ。」

 「今日は、慎吾のおごりね。」

 「何言ってんだ。昨日ちゃんと、、、。」

 「何よ。」

 どすの効いた言い方に、静奈が突き出している飲み物を手に取ってしまうと、

 「ふんっ!」

 と、歩いて、いってしまう。

 「慎吾様。」

 夢見も、頬を膨らませて、機嫌の悪い顔をしていた。

 「私も、今日はおごってもらいます。」

 「おいおい。ちゃんと用意した、って。」

 「それが?」

 こちらも、受け取ってしまう。


 ドスドスと歩いていってしまう二人の後ろで、

 ーなっ。何で?ー

 呆然と、慎吾は立ちすくんだ。



 「絶妙なタイミングでしたね。」

 「あいつ、私にはあんなことしたことないのに!!」

読んでいただき、ありがとうございます。


よければ評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ