静奈と夢見 2
ぺこりと頭を下げている夢見。
静奈は、肩の力をぬいた。
「まっ。気楽にして、私も気楽にしたいし、気を使われたくないから。」
「わかりました。では、遠慮なく好きにさせてもらいますね。」
「はいはい。」
二人は、全く動かず同時に虚空に手を伸ばすと、ノートとペンを、順次取り出す。
静奈のノートの表紙には何も書いてなかったが、夢見のノートの表紙には、慎吾様、サポート日記、と。
「何、そのノートは?」
「慎吾様をサポートするために、気が付いたことを書くための日記ですが。」
夢見は、開いていたノートを閉じて、表紙を見せてくる。
「わかるけど、慎吾は魔王になる気はないわよ。」
「静奈様。」
「何よ。」
「慎吾様は、既に魔王ですよ。」
「あのねぇ。選抜会の奴らも、そんなの認めてないわよ。」
「選抜会の神々は関係ありません。私はこれでも魔王代理を務めています。私の決定は、魔族の決定と同意義です。その私が、慎吾様を魔王と決定したので、慎吾様は魔王です。」
「、、、。あっそう。慎吾がそんな簡単に、、、。」
「、、、、、、。」
ニヤリ。
「ねぇ。夢見。」
一心に、ノートに書き込んでいる夢見が、顔を上げた。
「はい。なんでしょう?」
「私達、協力しない?」
「お断りします。」
目を伏せて、すぐに、ノートに書き込み始める夢見。
「夢見にも、とってもいい話になるわよ。」
「大体の悪い話は、それで始まりますね。静奈様は、鏡を見た方がいいですよ。かなりの悪な笑みになってますよ。」
「ふふっ。生憎と、私、自分の性格をわかってるの。そのくらいでは折れないのよ。で、まず。今日の、帰りのバズでのことだけど、、、。」
ボンッ。
予想たがわず、夢見の頭から湯気の上がる。
「そんな、お子ちゃまの夢見では、絶対に思いつかない方法で、慎吾に魔王を認めさせる方法があるんだけど、どう?」
「しっ、知っていると思いますが、森羅万象に関係のない部分の出力では、私達、悪魔の方が上回っているのはわかっていますので、その範囲内であれば、静奈様のできることは、私にもできます。」
答えてはいるものの、夢見は、顔は真っ赤で、手に持っているペンが、折れそうに曲がっていることから、落ち着くのはもう少し先。
ちらりと、静奈の目が光る。
「夢見。そんなこと言って、未だに出力主義だからお子ちゃまなのよ。」
「ですが、現実に出力では、、、。」
「こう言うのはどう?私が今から話す提案を、夢見が思いつける、って、言うなら、夢見が実行していいわ。でも、思いつけないなら、私に協力する。どう?」
「わっ、わかりました。お子ちゃまでないことを証明します。」
ーかかったわね。結果は同じなのに。ー
にやり。
静奈は、未だに顔を赤らめて下を向いている夢見に、思いっ切り、悪魔笑いを投げかけた。
「それで、どんな提案なんでしょうか?」
「簡単よ、慎吾にハーレムを作ろう作戦。」
途端に、夢見の目が半眼に。
「慎吾様は誠実な方です。ハーレムは必要ありません。第一、何故それが慎吾様に魔王を認めさせることになるんですか?」
「わからないなら、思いつけないでしょ。協力する。と、言うことでいいわね。」
「うっ、、、、、、。」
夢見は、止まってのち、目をそらしていく。
「あ。悪に騙されてしまいました、、、。」
「ふふっ。出力の差が、実力の差ではないこと、わかってくれたかしら?」
それに対抗するかのように、夢見が、歯を食いしばって顔を上げた。
「ううっ。まだです。わっ、私は悪魔です、うわべだけ協力しているように見せて、足を引っ張るかもしれませんよ。」
静奈は、呆れたように、目を大きくした。
「それを言うから、お子ちゃまなのよ。」
「、、、。」
完全に沈黙する夢見。
ふふっ。
静奈は、悪魔笑い。
「まっ、間違いなく夢見にもいい話だから安心して。」
ー話だけ、だけどね。ー
悪の具合は、静奈が夢見を圧倒しているようだった。
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