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小遣い

 三人を降ろしたバスが走っていく。

 「またもや、緊急事態を起こしてしまい、すいません。」

 夢見が、綺麗に、可愛く頭を下げる。

 「いゃ。コンビニでわかってたことだし、バス代、たりてよかったよ。」

 「すいません。」

 言いつつ、慎吾の意識は、夢見の一部に集中していた。

 ー意外と、結構、、、。ー

 先程、バスの中で夢見が倒れ掛かったときに当たった場所の感触を思いだそうとして、ガス、っと、静奈の肘が脇に打ち込まれる感触が走った。

 「つっっーーーー。なっ、なんだ、いきなり。」

 夢見の反対側に立つ静奈が、半眼になっていた。

 「べつに。なんか、妙な気配がしたから、気付けに打ち込んだだけ。」

 「なっ、なんだそりゃぁ。」

 「詳しく説明する?」

 「いゃ。止めとく。」

 「言っておくけど、妙な気配がしたら、そく打ち込むから。」

 「おいっ。」

 「静奈様、慎吾様が困っています。よくないと思うのですが、、、。」

 「あのねぇ。あんたの為でもあるのよ。」

 「静奈様、私のことは夢見でお願いします。」

 静奈は、軽く肩を竦めた。

 「じゃあ。夢見。」

 「はい。」

 「これは、夢見の為でもあるのよ。」

 「意味が全くわかりませんが。」

 「それは、、、。」

 「ストップ!」

 ニヤニヤと、悪魔笑いの静奈。

 こほん、と、一つ入れて。

 「わかった。今回は、俺が悪い。いいな。」

 「ふふん。わかればいいのよ。」

 静奈が、鼻を高くすると、夢見が袖を引いた。

 「いけません。痛い思いをしたのは慎吾様です。」

 軽く手をだす。

 「いいんだ。」

 「しかし、、、。」

 「それより、静奈に聞きたいことがあるんだが。」

 舌でも出しそうな勢いで、上から目線で夢見を見ていた静奈が、意識をこちらに向けた。

 「ん?なに?」

 「いや。今まで気にしたこともなかったけど、小遣いとかどうしてるんだ?」

 「選抜会から、予算がでてるけど。どうして?」

 「ん。夢見の参考になればと思ってさ。」

 「と、言っても、雀の涙より少ないわよ。あのケチども、影響を最小限にするため、とか言って、ぜんぜん、予算を付ける気ないのよ。」

 「おいおい。混乱したら意味がないんだから、当たり前だろ。」

 ため息つき、静奈は、腹に据えかねた表情で、腰に手を当てた。

 「あのねぇ。神を選ぶようなことをやってるのよ。ちみちみケチっていて、どうするのよ。」

 「いや。だから、混乱したら、、、。」

 「慎吾様。」

 夢見が袖を引く。

 二人が黙ると。

 「慎吾様。魔族総出で予算を用意します。何でも言っていただければ、資金で用意できるものは、全て確実に用意いたしますので、、、。」

 「却下。」

 「この社会の総資産が、塵にもならない予算を余裕で用意できますので、、、。」

 「夢見の小遣いは、俺と同額だ。」

 「、、、。わかりました。慎吾様の命なら、従います。」

 「悪いな。」

 「いえ。」

 「でと。」

 ニコニコとしながら、少し、残念そうな笑顔の夢見から、肩を竦めている静奈へむいた。

 「静奈も、俺と同じにするんだぞ。」

 「え?私も?」

 驚いたように、自分を指差す静奈。

 「諦めるんだな。」

 「まぁ。いいけど。本当に、雀の涙以下だから、多少変わったところで関係ないしね。それで、いくらなの?」


 「それはだな、、、。」

 金額を口にすると、、、。


 「慎吾様。」

 「却下だぞ。」

 「私個人が用意できる予算を全て用立てます。この社会の総資産程は、余裕で用意できますので、、、。」

 「もう一度言うが、夢見の小遣いは、今の俺と同額だ。」

 「、、、。承知しました。」

 「静奈は?」

 見ると、止まっていた。

 「静奈様?」

 夢見が前に立って、手をひらひらさせる。

 「なっ。何だよ。少なすぎて驚いたのか。」

 「少ない、、、。」

 「は?」

 空っぽになっていた静奈の目に、意識が戻り、夢見の手を押しのける。

 「私の方が少ないの!」

 「え?」

 今度は、こちらが呆然とした。

 「選抜会の馬鹿どもめーーー!いくら森羅万象に干渉出来て、基本的には必要ないとはいえ、どう見ても、少ないと思ったのよ!目にものを言わせてやるわ!」

 消える静奈。






 「かなりご機嫌だな。」

 「そんなに少なかったのでしょうか?」

 「そこまでは、かわらないと思うが、、、。」

 三人は、遅くなったものの、日が長くなっている為、畑に来ていた。

 慎吾の指導で、二人が作業をしている。

 静奈は、慎吾の話は聞いているようだが、、、。

 ぶちっ!

 「あっと。やっちゃった。治癒でちょんちょんと、治して、次っと。」

 そんな感じになっていた。

 「いいんですか?」

 こちらを夢見が見上げる。

 「ほっとけ。あの様子だと、何を言っても無駄だぞ。」

 「まぁ。わかりますが、、、。」


 「くくっ。慎吾の小遣いより少ない予算。言ってやった時の、選抜会の奴らの間抜け顔。」

 ぶちっ!

 「んっと。ごめんね。で、治癒っと。ほんと。笑えるわー。しかも、突くのに使えそうだし。」

 ふふふっ。

 かなり酷い悪魔笑い。

 「悪魔の私から見ても、かなり酷い悪魔笑いをしてますが、、、。」

 夢見は、少し青くなっている。

 「ほっとけ。」

読んでいただき、ありがとうございます。


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