何やってんだ 4
教壇に立っていた担任の佐原が、教室を見回した。
「ちょっと早いが、今は、ここまでにする。」
ちょっとではない時間だったが、続きがあった。
「神威と藤原、ちょっと来てくれ。」
慎吾と静奈が返事をしながら立ち上がり、他の生徒は、肩の力を抜いていた。
二人は、担任の佐原に続いて、廊下に出た。
まだ、他の教室は授業中の為、廊下には三人以外、誰もいない。
先に出ていた担任の佐原は、慎吾が教室の扉を閉めるのを確認すると、口を開いた。
「昨日、校長から、藤原の家に電話があったはずだが、しってるか?」
先にいた静奈が答えた。
「はい。知ってます。」
ばつが悪そうに、頭をかく担任の佐原。
「そうか、校長から、結果を聞いて来いと、せかされててな。」
「もう少し、時間をください。」
嬉々として答えようとした静奈に代わって、慎吾が答えた。
担任の佐原は、目線で、静奈に確認する。
静奈は、多少、むくれていたが、頭を下げた。
「すいません。もう少し、時間をお願いします。」
「そうか。」
担任の佐原は頷き、
「何だ。焦る必要はないから、ゆっくり悩んでくれ。後は、こっちで何とかしておく。」
背を向けた。
「すいません。お願いします。」
慎吾が、その背に頭を下げると、
「お願いします。」
静奈も真似た。
後ろ手に、手を上げた担任の佐原が見えなくなると、むくれた静奈がこちらを向いた。
「何よ。せっかく、必要なくなる、って、教えてあげようと思ったのに。」
「おいおい。まだ、成功するとは決まってないだろう。」
黙った静奈。
突然、驚く程の可愛い仕草で、舌をだし、
「帰りが楽しみ!」
と、教室の扉を開けた。
ー本当に、何をやったんだ?ー
慎吾が考えていると、授業の終わりのチャイムがなった。
慎吾、五郎、宗久、三人は、並んで、教室の窓から正門を眺めた。
「増えてる様子はないが、、、。」
「違う気はするな。」
「デカいカメラを持ってた奴らがいなくなってないか?」
「じゃあ。テレビ局の奴らは、いなくなった。」
「そんな感じだな。」
「じゃあ、配信者の奴らだけになった。と。結局、不味いのは変わってないな。」
五郎と宗久が、こちらを見る。
「「どうする?」」
行動は、ほぼ決まっている。
移転だ。
しかし。
「状況は知りたい、昨日みたいに頼むわ。」
「オッケーだ。任せとけ。」
「楽しみにしておけ。」
二人は、意味深に笑うと、鞄を持って、、、。
五郎が、肩に手を置き。
宗久が、拳をつくって、胸を小突いてきた。
「頑張れよ。」
「今度こそ、失敗するなよ。」
「いや、昨日も、今日の朝も成功したし。」
二人は黙り、慎吾も、黙った。
二人の視線が、何かを語る。
「お前ら、、、。」
何が言いたいか、わかった。
二人を、交互に確認する。
「わかったみたいだな。」
「失敗するなよ。」
歩き出す二人を、慌てて止める。
「待て待て。そんなこと、できるわけないだろ。下手したら、病院送りだぞ。」
ー本当にやったら、病院送りじゃあ、済まないんだぞ!ー
まぁ、実際は、移転になるため、実行は不可能だが、慎吾の思いが聞こえない二人は、真顔で立ち止まった。
「何言ってんだ。病院送り程度で済むなら、俺はやる。」
「俺もだ。その価値は十二分にある。」
思わず呆れて、肩を落とした。
「お前らなぁ、、、。第一、病院送りになるのは俺だぞ。」
ふんっ!
二人は、勢いよく、鼻から息を抜いた。
「慎吾の病院送りぐらい、安いもんだ。」
「おぃ。」
「安心しろ、病院から連絡があったら、喜び勇んで、確認しに行ってやるよ。」
「じゃぁ、病院からの連絡、待ってるぜ。」
「おぃ!!」
親指を突き立て、二人は、教室を出て行った。
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