何やってんだ 1
慎吾と静奈は、校舎の裏にある倉庫の裏に来ていた。
「私は別に、フェンス越えでもいいんだけど。」
「いや。五郎と宗久に、外の様子をスマホに送ってもらったんだけど、酷くてさぁ。バス停にもいそうだったし。」
「面倒ねぇ。」
「おい。誰やらがバズったせいで、人数が増えたんだぞ。」
「ふふっ。それはね。」
立てた人差し指を振りながら、ポーズを決める静奈。
「私が可愛いことの証明だから、よし!」
「おぅ。」
否定はできない。
「それで、移転先にいいところはある?私が知ってるところだと、座標がわかりやすいから助かるわ。」
「そうだなぁー、静奈が苗木の世話をした畑はどうだ。あそこなら、間違いなく人はいないはずだ。爺さんも、他の畑にいるだろうし。」
「あそこね。確かに、いいわね。」
静奈は、目を閉じると、少し止まった。
「いいわ。座標を確認したわ。ん。」
と、手を上げる。
慎吾も止まって、、、。
「おっ。おぉぉ?何だよ?」
意味がわかった為に、飛び上がってしまう。
「何よ。移転の為でしょう。別に、手を繋がなくてもできるけど、この方が楽だしね。て、、、。」
静奈、ニヤリ。
「もしかして、いろいろ考えちゃった?朝は、あんなにしっかり、私の手を握ったのに?」
顔が熱くなるのがわかる。
「あっ、あれは、しょうがないだろ。それに、今は、ちょっと驚いただけだ!」
「はいはい。」
余裕の笑みを浮かべて、静奈が、さらに手を突き出してくる。
「とにかく、そう言うことで今更でしょう。はい。」
「わかってるよ。」
慎吾は、慎重に慎重を重ね、そっと、静奈の手を握った。
ー柔らけー、、、。ー
「じゃ、っ。」
二人の影が、かき消えた。
映画の場面が切り替わるように、景色が変わった。
慎吾と静奈を挟むように、先日、二人で添え木を立てた苗木が並んでいる景色。
ー、、、。ー
驚いて黙っていると、前に、とびっきりの悪戯が成功して、とびっきりの小悪魔な笑顔でいる静奈が覗き込んできた。
「どう?」
微かに、本当に、微かに、何かが動いた気がした。
が。
すぐに、それどころではなくなった。
「そろそろ、離してもらえると助かるんだけど。」
静奈が、繋いでいる手を、見えるように、上げて見せたのだ。
「おわぁぁぁぁ!!」
本当に飛び上がった。
勢いで手を放し、わたわた、ふらふらと、下がる。
膝をつかなかったのは、奇跡といっていいほどだ。
頭に血が上って、まともに顔を上げれない。
「あらあら。思った以上に、面白いリアクションねぇ。」
ギリギリ視界に入っている静奈が、振り切った人の悪い笑みを浮かべていのが見えた。
少し、冷めた。
「お前なぁ。」
「ふふっ。苗木の列に突っ込まなくてよかったわね。」
「それは、まぁ、そうだな。」
本当に、偶然、苗木の列に沿って下がっいたらしい。
胸を撫で下ろした
「行った方がいいんじゃない?」
「そうだな。どうせ、すぐにここに来るんだけどな。」
二人は、家に向かって歩き出した。
「にしても、移転、凄えな。」
「これ、結構、疲れるのよ。正直、こんな近いところでは使いたくないわね。」
ー余裕しか見えん。ー
「バスで、三十分ぐらい来てるぞ。」
「地球の反対側でも嫌ね。」
「おい!じゃあ、どこに行くならいいんだよ!」
「えっ?月とか?」
「、、、。は?月?あの、夜に空に浮かんでいる月?」
「?そうよ。地球の出なんか、綺麗で、結構乙よ。行ってみる?」
「、、、、、、、、。」
「まぁ。私はいいけど、慎吾が行くなら、移転より他の準備が面倒だけど、行けないことはないわ。どうする?」
「エッ。エンリョシマス。」
「そぉ?ノーマルモードでも行けるけど、体力は使うから、助かるわ。」
「おぅ。」
ー助かるって。本気で行く気だったのかよ!ー
突っ込みつつ、下に見えるバスが通る道に目を向けた。
思わず。
「げっ。」
「どうしたの?」
「バス停の横に、車が止まってる。多分、配信者じゃないか?」
バス停を挟んで止まっている二台の車、外に人は見られないが、誰かが乗っているのは間違いない。
「あら。ほんとねぇ。思った以上にしつこいのね。」
家に方を見る。
玄関側は見えないが、今のところ、異変はなかった。
「大丈夫かしら?」
「多分、いいと思うけど。」
「急ぐ?」
「そうだな。」
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