サポート 2
「そうね。それが間違いないわ。何しろ、私の得意分野だもんね。」
ぶつぶつと呟き、地鳴りでも聞こえそうな自信のある顔が、こちらを向いた。
「もう一度、いや、何度でも言うが、、、。」
「いいから。」
圧力に、一言で、黙らされた。
「まずねぇ。もう一度、念のために言うけど。私は、実は、上位天使なの。」
静奈が、こたつに入った状態で、肩をひねって慎吾を見上げ、胸を張ってきた。
「上位天使ねぇ。」
言葉からして意味は予想はできるが、信用がない。
ー静奈が上位天使だったら、他の奴らはどんな奴らなんだ?ー
「ふふふっ、驚いた?一応、説明してあげるけど、数多にいる天使の中で、上位成績100位までランクがつくんだけど、その中に入っている天使のことを、上位天使って言うの。」
目を閉じ、鼻高々に言い放った静奈は、片目だけ開けて。
「つまり、私は、その中にいる天使ってことね。」
そして、こちらを確認するように、もう片方の目も開け。
「驚いたでしょ。」
驚いた。
ー静奈が100位内なんて、1万とかの間違いじゃね。ー
慎吾が止まっていると、静奈は、さらに声を上げた。
「驚きで、声も出ないみたいね。でも、まだ続きがあるのよ。なんと私は、非戦闘員なの!」
「、、、。わからん。」
慎吾の、リアクションの無さと、一言に、静奈がこけた。
「ちょっと。」
抗議の声に、肩を竦めてみせる。
「しょうがないだろ、100位内は、なんとなくわかるけど、非戦闘員て、なんだよ。天使なんだから、普通は非戦闘員だろ。」
「普通はそうよ。でも、逆に言えば、戦闘員は、珍しいことをしてるから、目立つのよね。しかも、戦闘は、成績がはっきりするから、見方次第でいくらでも違う結果になる普通の天使業務に比べて、成績がつきやすいのよ。あと、戦闘系の天使の性格。」
「性格?」
「絶対忠実番犬タイプ。」
「あぁ。そう言う。でも、そんな成績のつけかただと、100位内って意味も怪しくないか?」
「、、、、、、、、。」
突然、静奈のスイッチが切れ、大人しくなってしまった。
「おい。」
回り込むようにして前に立ち、声を掛けてみると、普通に顔を上げ、息を吐いた。
「私だって、そう思ってるわ。だから、その見方次第の見方を、私の有利になるように、猫被って、おべっか使って、ランク内に入ったのよ。」
「けど、、、。」
こたつから手を出し、片肘をついて、顎をのせる。
「何だか、そう言うのが馬鹿らしくなってさ。」
「で、サボりたくなった。と。」
続けて言ってやると、静奈は、顎をのせていない方の指を、こちらに向けた。
「正解。流石はお仲間。」
「違う。」
「なにを言ってるの、これだけ以心伝心なのに、お仲間じゃないなんて有り得ないわよ。」
「違う。」
ー否定以外は、言わねーぞ。ー
言っても、聞かないだろうし。
と、決意を込めて静奈を見ると、
「それはとにかく。サポートの話だけど。」
話題を変えてきた。
「要らないぞ。」
「慎吾はさぁ、天使と聞いて、何を思い浮かべるのかな。」
「中身は悪。」
思いついたことを素直に言うと、静奈は、静かに目を細くした。
「私はともかく、他の天使には、かなり失礼に聞こえるけど。」
今度は、慎吾のほうが、鼻を高くした。
「そうかもしれないが、俺の知ってる天使は一人、そいつの評価が、全ての天使の評価になるんでね。しょうがないな。」
ーどうでるか?ー
考える為か、目線を下げる静奈に、次の展開を予想する。
と。
「恋のキューピット。」
顔を上げた静奈の一言。
「は?」
自分で、目が点になったのがわかった。
「天使と聞いたら、恋のキューピットでしょ!」
どうやら、無視して、次にいくようだ。
「それが、どうした。」
促してみると、盛り上げてきた。
ニヤリ、と、わらって。
「そんな慎吾くんに、素晴らしい朗報が。何だと思う?」
「もったいぶなくていいから、早く言ってくれ。」
「ふっふっふっ。」
盛り上げるための演出なのか、ポージングらしい恰好までして、静奈が吼えた。
「なんと、私、恋のキューピット、としての仕事の成功率、99.8%、の、スーパーキューピットなのです!どぉ、凄いでしょー!」
「見方次第だけどな。」
「ふっふっふっ。」
ー終わってない?ー
「まだよ。」
ニヤリに足して、静奈が、腕を組んで胸を張る。
「まだよ。はたして、次に耐えれれるかしら?」
「見方次第で、本当かどうかわからない、スーパーキューピットだ、って、わかっただけじゃねーか。次なんてなんだよ。」
「ふっ!ふっ!ふっ!」
鼻息で、さらに余裕を強調して。
「ハーレムよ。」
「、、、、、、、、。」
「そう。男の子なら、誰もが憧れる、モテモテ、ハーレム!そのハーレムを、スーパーキューピット静奈の完璧なサポートにより、慎吾くんに提供することを誓うわ!!どうよ!!」
「おぃ。」
「しかも、おサボり中の暇つぶしもできて、一石二鳥!完璧!!!!!!」
「完、璧、に、悪魔の所業じゃねーか!!!!!!!!!」
暫く、説教をしてやるも。
「慎吾って、諦めがわるいのね。」
「それはお前だ!第一、この国では、一夫多妻は認められていない。」
「えっ、そうなの?」
「そうだ!」
「ふぅーん。」
この国の法律に、何故か、特殊な状況(天使のサポートがあった場合など)においては一夫多妻を認める、と、書き加えられた。
それを知っているのは一人だけ。
読んでいただき、ありがとうございます。
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