ブラック中隊
ピピピピピッ朝のいつものアラームで目が覚めた。『おはようアリエル』『おはよう芙美』時刻は0600。官舎を出るまで、あと1時間30分もある。時間に余裕があるっていいな、冷蔵庫の中を確認する。すると冷凍してた御飯があったのでチンして、今日は鮭茶漬けにした。胡瓜と大根の浅漬けも忘れずに出す。『頂きまーす』2人で言う。『美味しいね芙美、鮭の塩気と旨味、出汁の香りがマッチしてて、海苔やあられの香ばしさが良いわ。温かくて心地よいまるでスープの様だわ』『うん朝はお茶漬けが一番だね。手軽にサッと食べられるのが良いよ』とあっと言う間に0630だ。だが、あと1時間もある。ボケッとテレビを観ていたらいつの間にか0730。『駄目だ。もう行かなきゃなんねぇ。お昼御飯は冷蔵庫にある冷凍食品のグラタンをレンジでチンして食べて。 間違いなく美味しいから。じゃあね、行ってきまーす』『行ってらっしゃーい』隣の奥様が出て来て言う。尾崎さん、最近綺麗な女の子連れて同棲でも始めたの?うっ痛い所を突いてくる。『あぁ~、いやぁ同棲ってわけでも…無いという訳でも無い…と言うか』しどろもどろである。『外人さんみたいだけど大丈夫?ほら、適格性とか。引っ掛かるんじゃないの?』『あぁ~、まぁ確かに』確かにその通りである。知り合いの上級司令部の情報部に勤務していた先輩陸曹が某中国人女性と結婚した瞬間、適格性が保てないと言う理由で糧食班勤務になっていた事を思い出す。でもアリエルはどうなるんだろう?こちらの世界で戸籍がないから??その場合ってどうなるんだろう???考えても仕方ない。隣の奥様を振り切り急いで階段を降りる。エレベーターは使わない主義なのである。小さな運動を積み重ねて大きな成果に繋がって行けば良いじゃないと言う考えだ。第9普通科連隊第1中隊が、俺の所属する部隊である。そして中隊長は阪梨3佐。完全に昭和の人で人呼んて「ブラック中隊長」もしくは「あのハゲ」である。ハゲを隠さずむしろスキンヘッドにする辺り潔さを感じずにはいられない。熱烈な巨人ファンで前日の巨人の試合結果で次の日の朝のご機嫌がナナメだったりする。因みに昨日は…朝のご機嫌が良い事から巨人が勝利した様である。これは千載一遇のチャンスである。午前中いっぱいは機嫌が良い事が約束されているため、今日は午前中に全ての指導受けを終わらせる急ぐ作戦が必要である。幹部室に荷物を置いて中隊事務室の運用訓練幹部の席に着く。すると中隊長伝令の岡本士長が運用訓練幹部たる俺にも珈琲を淹れてくれる。今日の珈琲も香りが良い。『今日の珈琲は何処の珈琲だい?』『今日のはブラジル産のキレッキレの豆です』キレッキレと来たか。一口飲んでみる。確かにキレッキレだ、美味い。岡本士長の珈琲通には驚かされる。好きなのだろう。満期金も手を付けず、自分の店を持つために貯金してると聞く。もし、彼が喫茶店を始めたならば真っ先に駆け付けて一杯飲みたいと思う。頑張れ岡本士長!朝礼も終わり、さぁ、急げ〜。こんなことなら金曜日に17時ポン(ごじぽん)すんじゃなかったな。ちょっとだけでも進めておけば良かった、訓練計画。カタカタカタカタ…ッターン、よし出来た!俺の渾身の訓練計画!!もう一つ統裁計画を作って併せて持っていこう。あ、あと一般命令も作んなきゃ。はーっ忙しいってもう1000じゃーん。カタカタカタッターン、よし般命まで仕上がった。時刻は1130。中隊長室へ突撃する。『尾崎1尉入ります。』『おぅ入れ〜』良かった。まだ機嫌が良さそうだ。『中隊長、訓練計画に統裁計画そして本訓練に関する一般命令についてご指導お願いします』『うむ、みとくわ。下がって良い』『はっ、はぁ』気のない返事をしてしまった。みとくわ、下がって良いなんてパターン初めてだから、どうなるか?不安だ。1130から1200までのたった30分がえらく長く感じた。昼メシのラッパが鳴り響く今日の昼メシはラーメンである。こってり濃厚な味噌ラーメンかあっさり魚介のあさりラーメンか選択出来る。うーん迷うな。散々迷った挙句、あっさり魚介のあさりラーメンを選択した。ラーメンはあっさりしたのが好きだから。とは言えたまにはこってりしたのも食べたくなるもので、それでちょっと迷ってしまった。あっさり魚介のあさりラーメンは文字通りあっさりしてて美味しかった。けど人気はこってり味噌ラーメンだったようで早々に味噌ラーメンの方が売り切れてしまって、後から来た人はあっさり魚介のあさりラーメン一択になってしまっていた。可哀想に。選べないのは苦痛だよな。たらふく食った俺は売店によって行く。ここ市ヶ谷駐屯地にはファミリーマートが入ってて24時間営業してくれている。ここでGABAメンタルバランスチョコレートを買って、それをちびちび食べながら仕事するのが最近の日課になっている。メンタルバランスチョコレートって名前の商品をわざわざ見せつける様に食べて、せめて周囲に限界が近いんですよとアピールするのが狙いだ。少し前迄はスターバックス珈琲にも通っていたのだが、岡本士長が珈琲を淹れてくれる様になってからは足が遠のいた。んで、事務室に戻って来てビックリする。中隊長の決裁完了した、訓練計画、統裁計画そして一般命令が机の上に置いてあるではありませんか!ヤッター!やっぱり午前中は機嫌が良かったんだ!良かった!良かった!あとは命令を発簡するだけ、ラッキー!昼下り、昼休憩も取らずに発簡作業をしてしまう。それだけ嬉しい事だってあるんだなぁ。命令を発簡してしまうと力が抜けて行く様な感じになってしまい、急に眠気が来た。ウトウトしてると、アリエルの部屋に来てた。時刻は2430。ここでも眠たくてまた、ウトウトしてたら1300のラッパで目が覚めた。あ〜っよく寝た。思いの外、仕事が片付いたので、手持ちぶたさになってしまいチョコレートを食べようとしたその時である。中隊長室から怒号が聞こえてきた。『ふざけんじゃねーぞ、テメェ、ぶっ殺すぞ!』何やら穏やかならざる声が聞こえる。そっと見に行くと岡本士長が怒られている。『何で俺が払わなきゃいけないんだよ?あぁ!?』『はぁ、ですが、修身会からの催促が来ておりまして…』『俺が修身会から脱会したのしってんだろ?そんな催促突っぱねろ!』『ですが指揮官ですので…』『あぁ!?、中隊長だからって関係ねぇんだよ!とにかく断ってこい!分かったな!!』『ですが…』『分かったな?』『…はい。岡本士長は要件終わり帰ります。』そう言って出て来た岡本士長に話かける。『大丈夫か?何があったかは聞いてたからだいたい分かったよ。どうしようかねぇ』『えぇ、修身会からも中隊長職にある人間の脱会なんてありえないって言われてるんですよ』ここで言う修身会とは陸上自衛隊幹部隊員の修養研鑽と相互の親和団結を目的として結成された会で陸上自衛隊幹部は漏れなく入会させられ月々300円を払って月間誌「修身」を購読させられ、たまに記事を投稿させられると言う、まぁ迷惑極まりないと言えば身も蓋もないのだが、とにかくそう言う会があるのだ。何処の会社にも似た様なものはあるのかも知れないが、陸上自衛隊の場合、「修身」誌の巻頭言に陸上自衛隊トップの陸上幕僚長の投稿があってその有難い話が指揮幕僚課程と言うキャリアの試験に関わって来たりもするのであながち侮れない雑誌でもある。とにもかくにも、あのハゲ、もとい、我が中隊長は月々の300円をケチりたいばっかりに修身会を脱会したのだが、しかし中隊長に上番した身でありながらなお、脱会し続けるのは些か無理があって、定期異動で幹部食堂で行なわれる修身会食には指揮官席が設けられるし、ましてや立場あるお方が脱会して良いものではないのであって…。とにかくそんな状況になってしまいチョコレートを更に食べつつ、岡本士長と事務室で作戦会議をする。『俺達、下っ端がいくら言っても効かないから連隊長あたりから言って貰うのが良いかもしれんねぇ』『そんな事が可能なんですか?』『うーん、NOアイディアなんだけど』『ですよね。もういっそ僕が月々300円を払って修身誌を購読するのが良いんですかねぇ』『いや、そりゃあ駄目だよ。あんな奴のために300円とは言え自腹を切るなんて。駄目だよ』『じゃー、どーしましょっかぁ?』岡本士長がこっちをみてくる。『とりあえず連隊本部の第1科長に相談だな。こりゃあ』岡本士長を連れて連隊本部の第1科にやって来た。第1科とは総務・人事・広報を担当する部署で第1科長は大抵の場合、叩き上げの3佐が上番している。第9普通科連隊第1科長は神田3佐で定年まであと2年と言った歴戦の猛者である。コンコン第1科長室のドアをノックする。『第1中隊、尾崎1尉他1名入ります』『おーぅ、どうした運幹』神田3佐が眼鏡を掛けながら歩いてくると第1科長室のソファへかける様手招きした。『科長、折り言ってご相談なんですが』『なんじゃい面倒事かな?』『はぁ~っ、実は我が中隊長の事で悩んでまして…』俺は昼休憩明けの出来事を丁寧に話した。すると第1科長は一言『あんのボケがぁ〜、そんな事やっとんのかい!いい加減お前らも我慢せんでパワハラで訴えて来いよ。こっちは何時でもウェルカムなんだぜ』『あんまりオオゴトにしたくないので。スイマセン。それより目の前の修身会問題を何とかしてやりたくて』『おぅおぅ、分かったよ!ハゲには俺からキツ〜ク言っておく。大丈夫だよ。岡本士長』『えっ科長が言うんですか?』『あぁ。あいつは俺の後輩だからな。俺が2曹の時の新隊員だったから。大丈夫!任せておけ!!』これはこれで困ったな。あいつチクりやがったってならないかな?一抹の不安を他所に第1科長と3人で1中隊事務室へ向かう。『では我々はここで』第1科長が中隊長室へ入って行く。『テメェー何考えてんだよ』第1科長の怒号が響く『陸士の方がよっぽどマトモじゃねぇか!だいたいな修身脱会なんてありえないっつーの!ましてや中隊長職にある人間が辞められる訳ねーだろ!』『いいか、今すぐに岡本士長に300円払え、そして罰として来月の修身誌の投稿記事はお前が書け、いいな!』『はい…分かりました…』おぉ~流石第1科長、歴戦の勇者だぜ。強えぇ。第1科長が事務室へ戻って来て、『また何かあったら言ってくれよ!』と言って颯爽と帰ってく。『はい、ありがとうございます』さーて、ここからが勝負だぞ。いかに我々が関与してないように見せるかが腕の見せ所。チクりやがったって逆恨みされるのは目に見えてるからな。あれ?岡本士長がいない。『テメェ、チクりやがったなぁ!』中隊長室から怒号が聞こえる。岡本士長が早速修身会費300円を回収に向かった様である。アチャー、なんでこのタイミングで行くかなぁ?中隊長を止めに入る。『貴様かぁ~!チクりやがったのは!』『いえ、私ではありません!第1科長が自ら…』『そんな訳あるかぁ〜!お前らぶっ殺す!覚えとけよ〜!』ヤバイヤバイとにかく出よう。『尾崎1尉他1名の者は要件終わり帰ります』そう言うとそそくさと出てきてしまった。幸いにも追いかけては来なかったのでホッと一息入れさせて貰うことにした。そう岡本珈琲である。今日のキレッキレの珈琲を飲んで落ち着く。『なんでこのタイミングで回収に行ったの?そうなるのは目に見えてたじゃん?』岡本士長に聞く。『いや、早い方が良いと思いました』優秀な陸士らしい考え方だ。仕事は早い方が良いと思う。しかしあのハゲ相手ではそれは仇となった。すると第1科長から電話が『はい運用訓練幹部です』『あぁ、運幹?来月の修身の投稿なんだけどさ、任期満了隊員の就職援護ってテーマで頼むわって伝えといて。後で細部はメールするからそれも渡しといて、んじゃ!』『んじゃじゃねーよ。そんなの絶対にキレられる奴やん。直接中隊長に言ってくれれば良いのに。まぁ一応指揮官だからな。直接言うのは筋違いか。しゃあない』どのタイミングでいおうかなぁ?今は荒れてるしなぁ。寧ろ荒れてる今が諦めが付いて良いのかも知れないぞ。そうすっか、どうせ機嫌が良い時に行っても一瞬で機嫌が悪くなる案件だ。なら機嫌が悪くなってしまった今行っても変わらない。コンコン、『尾崎1尉入ります。中隊長、来月の修身の投稿記事の件ですが、任期満了隊員の就職援護について、でお願いしますと第1科長からありました、細部はメールしてくださるそうなので、メールがきしだい転送させて頂きます。』『おぅ、分かった』あれ?意外と大人しいな。『尾崎1尉は要件終わり帰ります』すんなり出てきてしまった。流石のハゲも考える所があったと言う事か。『岡本士長、いまだったらイケるかも修身会費』『マジッスか!行って来ます』コンコン『岡本士長入ります』しばらくして『岡本士長は要件終わり帰ります』出てきた。『どうだった?』『すんなりくれましたよ!300円!』良かった。『これで一安心だね、岡本士長』『はい!でも何で今がチャンスって分かったんですか?』『んん?あぁ、まぁね。長く生きてりゃ分かるってもんよ』『そんなぁ、教えて下さいよ〜』そうこうしてるうちに時刻は1500体育訓練の時間だ。因みにハゲは絶対に走らない。何なら体力検定でさえ、会議があるとか何とか言って参加しないのである。これが俺の体育訓練に欠かさず出席する理由の一つでもある。今日の体育訓練は10キロのLSD(long slow distance)で10キロと言う長い距離をゆっくり走ると言うもの、俺の好きなメニューの一つだ。俺は岡本士長と隣になりながら、とりとめもない話をしながら走った。物凄く充実した時間を過ごせた。そうこうしてる間に、終礼の時間となり国旗降下のラッパがなる。今日は残業ゼロの日だ、午前中で全て終わったからな、午後に持ち越さんで良かった。
一方アリエルの方は、午前中は日本語の勉強をしつつテレビを見ていた。NHKのEテレである。日本語で遊ぼがもう一回流れないかと期待しての事である。芙美の作ってくれた日本語教材をこなしつつテレビを見ていたが、今日はもうやらないのかなぁ、と思ったその矢先、始まった。日本語で遊ぼが。四文字熟語のコーナーで今日覚えたのは「本末転倒」でした。絵と照らし合わせて、これは分かったわ。きっと物事の根本と枝葉を取り違えて重要な事とそうでない事の順番が逆になってるって事よね?多分そうなはずよ。流石はエルフ大学の教授様。理解の早い事。そうこうしてるうちに1200。お昼御飯の時間、今日は時間が経つのが早いわね。そう言いつつ冷蔵庫からグラタンを取り出す。裏面の説明を読むと何となくだが意味が分かってきた。成る程、袋を破いてチンするのね。えーっと時間は5分かしら?とりあえず5分チンする。すると今までにない美味しそうな匂いがする。コレは絶対美味しいヤツだわ。熱々のグラタンを取り出す。『熱っどうやって取り出したら良いのかしら?』その時ふと目に入って来たのは、分厚い手袋の様な感じの布製の物。『もしかして、熱々の物を掴む為にあるんじゃ?きっとそうよ。だってレンジの近くに置いてあるんだし』さっすがエルフさん鍋つかみを一瞬で見破るその能力の高さ。最高です。『コレさえあれば熱々でも平気ね』グラタンを机の上に持って来て、さあ『頂きまーす』グラタンを一口パクり。『熱っ、はふっ、ウマッ何これ、こんなにクリーミーで美味しいなんて!チーズがトロケて最高だわ。マカロニと具材のバランスが絶妙なのも良いわ〜』悦に入るエルフさん。また一つ日本食にやられたエルフさん。どんどん日本食にはまって行くエルフさんなのであった。『ふぅっご馳走様でした』午後は気を取り直して日本語の勉強。ふとテレビ台に目をやるとDVDが見えた。そう言えば芙美が面白いから観てねって言ってたわよね。前回、観ててよく分からなかったトップガンをもう一度観てみましょう。あれからどれ位日本語が上達したか確かめるよい機会だわ。トップガンのノリの良い音楽が流れて来る。そしてグースが亡くなってマーヴェリックがやる気をなくすシーンで思わず涙を流してしまい、シャーロットとの濡れ場シーンでは顔を赤らめ、最後の戦闘シーンでは『イーッヤッホーゥ!』と声が出る始末、こうして己の日本語能力の向上具合いに自信を深めるエルフさんでした。『ふぅっ、大分、分かってきたわ日本語が。もっともっと今度は会話が出来るようにならなきゃ駄目ね』目標は高く、それがエルフ大学の教授ってものよねと思わずにはいられなかった。
一方芙美はと言うと明日の朝昼晩飯を買いに官舎近くのスーパーへ寄って帰る途中であった。明日は何にしようかなそう言えばアリエルがカップヌードル箱買いしてくれって言ってたよなぁ。明日は3食カップヌードルでも良いかなぁ?まずはこの前食べたカップヌードルのスタンダード版を箱で買うっと。後は朝はちっこいミニラーメンでいっかこのワンタンって奴にしよう。昼はそうカップヌードルビッグのシーフード味にしよ。晩飯はやっぱりヤキソバUFOでしょう。大盛りね。匂いがたまらんのよな、これ。芙美がスーパーから帰って来る。時刻は1730。ガチャリ、『ただいま〜アリエル勉強はどう?はかどった?』『ねぇ聞いて、今日はねぇ日本語で遊ぼで本末転倒って言葉を覚えたわ。きっと物事の根本と枝葉を取り違えて重要な事とそうでない事の順番が逆になってるって意味よね?』『合ってるよ。凄いじゃん』『ヘヘッ。あとねトップガンを観てある程度物語が分かったの凄くない?』『へぇ~、そりゃまた凄いじゃん!』『でね、今度は会話出来る様になろうと思って勉強してるの』『へぇ~、凄いじゃん。もう会話?』褒められたアリエルはモチベーションが上がり更に日本語が上達するのであった。さて今日の晩御飯であるが、どうしようNOアイディアである。冷蔵庫を漁る。冷凍食品の唐揚げがあった。これを使おう。あとはキャベツを千切りにして。そうと決まれば、御飯を炊いて味噌汁を作りつつキャベツを千切りにして皿に盛る。最後に唐揚げをチンしたら出来上がり。今日の晩御飯は鶏の唐揚げです。キャベツの千切りにはピエトロドレッシングを用意した。『頂きまーす』『うーん、唐揚げ美味しいわ。醤油の下味が効いてて味が濃すぎず、薄すぎずで美味しい。衣がサクサクカリカリで中はジューシーで柔らかい。あとこのレモン汁とかマヨネーズをかけて食べたら味変になって更に美味しいわ』『でしょう。唐揚げは子供たちが大好きなイメージかなぁ日本では』『キャベツの千切りもこのピエトロドレッシングってのが美味し過ぎていくらでも食べられちゃうわ。しっかしこんなに美味しい肉料理を作る日本人って本当に尊敬に値するわ。是非ともエルフ大学の食堂にお招きしたいわね、日本人を』日本人全員がグルメでシェフとは限らないんだけどな、それは、ま、いっか。『ご馳走様でした』2人で言う。『あぁ~美味しかったわ。こんな食生活続けてたら太っちゃいそうだわ』『そんな事ないよ。一応カロリー計算を大雑把だけどしてるから。成人女性で1日に必要なカロリーは2000㌔カロリー。今の唐揚げ御飯でだいたい1000㌔カロリー位で、お昼のグラタンが300㌔カロリー。おにぎりが1個150㌔カロリーだから今日のアリエルは合計で1600㌔カロリーしか摂取して無い。あと400㌔カロリー分余裕がある。』『へぇ~、そこまで考えてくれてたんだ。なんか嬉しい』『どういたしまして。エルフさんが太るのは見たくないからね』『そうそうカップヌードル箱で買って来たよ。明日持ってくっしょ?』『きゃー、ありがとう嬉しいわ』『そして明日の朝昼晩飯は3食カップラーメンにしたから』『えぇーっ、良いの?』『モチロンオッケーさ!』『ありがとう芙美、大好き♡』たまにこうしてイチャつくんだよなエルフさん。そうこうしてるうちに1830。『さて風呂沸かしてくるわ』『お願いします』「お風呂がわきました」『アリエル〜入ってきてよ』皿洗いを買って出たアリエルに呼び掛けると『あぁ~今手が離せないから芙美が先に入っちゃって』『おぉ~ぅ分かったよ』先に入る。風呂から出るとエルフさんが眠たそうにしてた。仕方あるまい。日中に一生懸命勉強して頭使ってたと思ったら、唐揚げなんて美味いもん食わされて、そりゃあ眠たくもなるよな。『でもアリエル、アリエル起きて、風呂に入ってから寝よう』アリエルが風呂に入る。出てきた時には1900。さぁ今夜もあっちの世界にレッツゴー!




