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異世界探索していたらエルフさんと日本に来てしまった件  作者: 尾崎芙美


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ティタちゃん再び逃げ出そうとする

 チュンチュン、チチチッ。朝の小鳥の囀りで目が覚める。朝の0800時である。『おはようアリエル』『おはよう芙美』ん〜、と伸びをして体を起こす。テーブルに腰掛けて朝御飯を取り出す。今日の朝御飯はランチパックシリーズの定番、卵とツナマヨだ。まずは卵を食べてみて『芙美、この白い塊は何ですか雲を切り取って固めた様な柔らかさ…もしや高度な精霊魔法がかけられているのでは!?』更に四方が閉じられ具が完璧に密封されている構造をみて『おおお…!これなら冒険の途中で歩きながら食べても、卵がこぼれ落ちる心配がありません!素晴らしい魔法道具マジックアイテム的発想です!』とその機能性に惚れ惚れ。また、『んんん~~っ! なんですかこの、とろけるような濃厚な味わいは……! たまごがこんなにも優しく、かつ力強い味になるなんて……。日本のスーパーという神殿の供物は、どれも恐ろしい完成度です!』と大絶賛!そして今度はツナマヨを手に取ってみて『さっきの卵もそうでしたが、このパンの袋、少し膨らんでいますね。中にはもしや、鮮度を保つための特殊な精霊の息吹が封じ込められているのでは……? 腐敗をこれほど完璧に防ぐとは、日本の包装技術は古代魔法をも凌駕しています!』と驚き、そして一口食べて『芙美! この中に入っているのは魚の身ですね? なぜこれほどまでにしっとりと、そして旨味が凝縮されているのですか……! この白くてコクのあるソース(マヨネーズ)……もしや、王宮の晩餐会でも出ないような秘伝のタレでは!?』と驚愕し、更に『んんんっ! この……舌に絡みつくような濃厚な脂の甘み……! パンのほのかな甘さと、このツナマヨの塩気が交互に押し寄せて、咀嚼する手が止まりません! おかわり、おかわりを要求します!』と朝から大騒ぎ。『大袈裟だなぁ。たかがランチパック如きで!?』『芙美、あなたはこの偉大さが分かってないわね。これは凄い事なのよ!』『あ〜、ハイハイ分かりました』こんなに喜んで貰って何より『ごちそうさまでした』2人して言うと話題は今日の1日の計画へ。卵が孵りそうだから研究室に引き篭もる事で一致したものの、それじゃあつまんないって事に俺の中ではなってて、どうしたもんかと頭を抱えているけど、解決策はない。とりあえずアリエルの研究室に顔を出す。『おはようさーん』そう言って入るとティタちゃんが泣きそうな顔をして、『先輩〜、アタシやっぱダメですぅ。もう辞めさせて下さいよぅ』と言って卵をアリエルに渡すと玄関にダッシュする。ちょうど玄関口にいた俺が体を張って止めに行く。『まぁまぁ待ちなさい。ティタちゃん!』そう言ってティタちゃんを抱きしめる。抱きしめられたティタちゃんは、抵抗するのを止めて泣き出してしまった。『先輩〜、もういつ生まれてもおかしく無いっすよぅ、昨夜も一人で寂しかったっすよぅ』オイオイと泣いているが、一人で大丈夫と言ってアリエルと俺を部屋に帰したのはどこのどいつだって話でさぁ。『まっ、今日からはアリエルが一緒に研究室に泊まるしか無いよね?』『嫌ですぅ。先輩達のイチャイチャラブラブを邪魔したくないんですぅ!』何を言ってるんだこの娘は?『そんな事言っても、ティタちゃんが限界来てるんなら、アリエルが一緒に残った方が良くない?』そう言うと『彼氏さんも一緒に残って下さい!』えぇーっ、俺も?『良いけど、何で俺まで?』『だってイチャイチャラブラブの時間を邪魔したくないから』グスンと泣きながら言うティタちゃん。まぁ俺としては有難い事ではあるが。結局、夜寝てる間にいなくなっちゃうから困っちゃうよね?研究室に泊まっても変わんなくないか?まぁ良い。バレたらバレたでその時だ。『じゃあ今夜は俺とアリエルも研究室に泊まり込みでオッケーかな?』『仕方無いわね』仕方無いとは言え、あっちの世界に行かないとも言ってない。これはどっちだろう?うーん、分からん。まぁ良いさ、寝る時に聞けば。俺としては一緒にあっちの世界に行って欲しいんだけどな。こればかりはな。午前中はティタちゃんが引き続き卵を暖めていて、『あっっ、今蹴った。蹴ったすよ!』なんて言ってる。殻が破れそうな気配はまだ無いのだか、卵を抱いているエルフさんからしたら生まれそうに感じるのかも知れない。そうこうしてるうちに1200時、昼御飯の時間だ。たこ焼きを出すと『ごめんティタちゃんの分は無いんだ』と言うと『あっアタシは大丈夫ですよ!干し草があれば生きていけるんで!』と相変わらずの雑食っぷり。どうしたもんかと思料するが、ここは言葉通り受けておこう。アリエルと2人でタコ焼きを食べる。『熱が引いたことで、生地に染み込んだ出汁の旨味をよりダイレクトに感じられるわ。冷めてもこんなに深い味がするなんて……!日本の調理技術に感銘を受けるわ。焼きたてのカリッとした食感から、少しモチモチとした独特の弾力に変化した生地は…』これはこれで美味しいと夢中で咀嚼しています。『冷えることでタコの身が締まり、コリコリとした食感が強調されるので、こちら世界の食材にはないその歯ごたえを存分に堪能できますね。ピクニックに最適ですね!これなら冒険の携帯食にもぴったりです』昨日アツアツの状態で、一つツマミ食いをしたから、冷えたタコ焼きを食べてみての感想となったアリエル。冷めても美味しい日本食にまた一つやられたのでありました。

 さて午後からはアリエルが代わって卵を暖める。『あっ!確かに今蹴ったわね』そう言うなり卵を色々と回転させた。この方向が良いのかしら?どうやら蹴ったのは卵の中で位置が悪いとそれを直せと蹴って来てると感じた様子。暫くして、『蹴って来なくなったわ』この位置が正解みたい。うぉぉ~!さすがエルフ大学教授様、ティタちゃんが気付きもしなかった事に一発で気付くとは。流石と言うかなんと言うか。ティタちゃんがそれを聞いて、アタシに抱かせて下さいと卵を暖め始めた。『この方向ですか?先輩?』と言いながらアリエルに聞く。『そうそう!その方向!ねっ?蹴って来ないでしょ?』『あぁ~、本当ですぅ。何でもっと早くに気付かなかったんだろ!悔しぃ~!あっ!先輩達、今日も帰って良いですよ。もう蹴ってこないんで大丈夫っす。』現金な奴だなぁ。本当に大丈夫?アリエルに目線を送ると『じゃあお願いするわ。今日こそ大丈夫そうだから』とあっさり任せてしまった。大丈夫かなぁ〜。俺的にはアリエルがついてあげた方が良いと思うんだけどなぁ。まぁ一緒に寝れるのは良い事なんだけどな。そうこうしてるうちに時刻は1700時となった。さてそろそろ帰りませんか的な目線を送ると、察知したのか『じゃあアタシ達、本当に帰るけど大丈夫?』『まっかせて下さいよぅ!アタシは今夜こそ大丈夫ですから!』エライ強気だな。それか余計に心配なんだけどな。どうしたもんかと思案する。が、どうにもならない。アリエルの部屋に着くと時刻は1730時であった。とりあえず夕御飯にしようってなって、お好み焼きを取り出す。『いただきまーす』2人して言う。『ソースの旨味や具材の調和が楽しい、冷めててもこんなに美味しいなんて!』と大絶賛!温かかったらもっと美味しいのに。残念だ。とは言えず、『ごちそうさまでした』を2人して言う。さて時刻は1800時そろそろ寝ないとヤバイ時間になってきた。アリエルがシャンプーとリンスを持って庭の洗い場へ行ったと同時に俺も洗い場へ行った。一緒に入ろうと思ったのだが、アリエルの反応は意外や拒否反応だった。『きゃあ、芙美のエッチ!』洗い場は何処で誰が見てるか分かんないとの事。チッ何だよ。つまんねぇの。ガックシ肩を落としてスゴスゴと退散する。30分後、アリエルが出て来た。交代で俺が洗い場に入る。バシャバシャと体を洗ってすぐ出てきた。寒い時期なので耐えられん。アリエルが長く洗っていられたのが凄いと思う。ガタガタ震えながら、体を拭いて部屋の中で暖を取る。『はぁ~、寒かった。前回は体を拭く程度だったからまだ良かったけど、今日は水をカブったから寒くて堪んないよ』『あら芙美、こんなんで寒いなんて言ってたら北の国では暮らせないわよ』『北の国?そんな寒そうなトコ行かないよ』『でも良いトコなのよ。御飯が美味しいし。地平線が見えるのよ』『なんか北海道みたいな所だね』『ホッカイドー?あぁ、日本の一番北の島ね。行った事は無いけど、そうかも知れないわ』『俺も長距離機動訓練で行っただけだから、良く分かんないだけどね。北海道』男は一度は北海道なんて一昔前の自衛隊じゃ言われてたんだけど、最近は言わないな。今じゃ西方重視で北海道が廃れて来てるし。『今日はどうするの?芙美?』唐突に聞かれて何だか分かんなかった。『だーかーら、エッチするのしないの?恥ずかしいから言わせないでよ!もぅ!』と言われてハッとした。時刻は1845を回っている。困ったな、今エッチしたら確実に1900は回ってしまう。そうしたら0700以降に起きる事になる。それは遅刻のモトだ。泣く泣く『今日は時間がないからエッチ出来ない』と告げるとアリエルも少し残念そうに『そぅ、仕方無いわね』と言ってベッドに入った。『おいで芙美、よしよししてあげる』『アリエル〜』そう言って俺もベッドに入る。時刻は1850。現代社会の0650に目覚めるはずである。

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