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渋谷〇〇書店日誌  作者: 粉雪@『魔術師の杖』11月1日コミカライズ開始!


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20.166番サニークッキーの七色書店さん

166番サニークッキーの七色書店さん

挿絵(By みてみん)


 166番サニークッキーの七色書店さんは、広告関係のグラフィックデザイナーさんで、事務所を移転したのを機に、置けなくなった本を店に並べておられる。


 装丁も凝った大型本が多く、今となっては手に入りづらい稀少な本ばかりだ。たまに見つけて、何冊もまとめ買いをされる方もいらっしゃる。


「もう今では手に入らないから高いんだけど、なかなか買う人がいなくて」


 デザイン関係の本なので、それ専門の人しか買って行かない。あまり長いあいだ店に置いていても、本が傷むから困るとおっしゃる。


 この日も持ってきた本の値段をメルカリで調べて、ため息をつかれた。


「あらやだ。この本、1万8千円もするわ。持って帰ってメルカリで出品したほうがいいかも」


 置きっぱなしでいい渋谷〇〇書店の方が管理は楽だけど、確実に売りたいときはメルカリも利用されるという。


 というか、お店にくるお客さんがときどき、本棚の前でスマホをいじっているのは、棚の写真を撮るだけじゃなくて、七色書店さんのように本の値段を調べていたのかもしれない。


「この書店、『え、こんな本が⁉』と思うようなのが、無造作にあちこち置かれているんですよねぇ」


「そうそう。だから探す人は、棚の奥までチェックしますよ」


 ヒマワリのような形の『サニークッキー』というキャラクターをデザインされた方で、漫画家のひつじロボ先生が描かれた、『魔術師の杖』のイラストを指さしておっしゃった。


「私、こういう絵は好きじゃないんですよ。もっとシンプルなのが好み」


「はぁ」


 はっきり言われる方だ。


「やなせたかし先生のアンパンマンとか、そんな感じの絵柄が好きなんです」


「そうなんですか」


 私は頭の中で、やなせたかし風『魔術師の杖』を想像してみた。


 元気いっぱいのネリアは、なんとなくドキンちゃんかな?


 クールなレオポルドはイケメン枠だから……食パンマン?


 正義のヒーローっぽいアンパンマンは、ライアスだとして……イメージがだいぶ違う。


 愛嬌たっぷりのチーズは、ミストレイだとゴツすぎるかな。


 ジャムおじさん風グレンに、バイキンマン風オドゥ……まったく違う物語になりそうだ。


「仕事もあって、たまにしかこられないし……まめに棚の手入れもできたらいいんですけど」


 棚の本が減った頃合いを見計らい、仕事の合間を縫って補充にこられる。重たい大型本が何冊もあると大変そうだ。


 けれど処分するのはもったいない。必要とされる方の手に渡したい、という想いは伝わってくる。実際に、デザインを学ぶ学生さんが、買って行かれることもある。


 お話してからは私も意識して棚に目を配り、サニークッキーの七色書店さんの本を、目立つところに置くようにした。


 見栄えのいい大型本は、それで売れることもあるから、ちょっとは売り上げに貢献できているかも。


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