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１２．２２０番 亜細亜書店さん
２２０番 亜細亜書店さんの棚
私のすぐ前に入った亜細亜書店さんは、韓国から留学して日本の大学で学ぶ大学院生だ。アジア関係の書籍の他、K-POPアイドルなどの本も並ぶ。
置かれている本には新書も多く、じっくり選んでから買っていかれる人も多い。
入店した時期が近いこともあり、よく顔を合わせた。ご本人も読んだという本を、数冊ずつ持ってきては棚へ並べていく。
いつのまにか棚にはぎっしりと、たくさんの本が詰められるようになった。
「これ、全部読まれたんですか？」
「はい、全部読んでいます」
穏やかで朴訥とした感じの方で、差し入れに最中のお菓子を下さった。
読書量がすごい。棚には単純に、読んでしまった本を置いていくらしい。韓国や日本だけでなく台湾や中国、包括的にアジアをとらえた書籍を大量に読まれている。
（将来は政治家か政治学者になるのでは）
……と、勝手に思っている。それかアジアを舞台にした、歴史小説やスパイものを書く作家さんとか。どちらにしろ将来が楽しみな棚主さんだ。
