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スペイン語のラップバトルが好きな奴の、壮大な独り言  作者: Verdadero chino soy yo
「なに聴いてんの?」「ラップバトルです」「へぇ~。Yo Yo!みたいな?笑」「いやconmigo tiene nada que hacerって感じっす」「は?」
5/5

前提知識の大切さ


フリースタイルというコンテンツは、スペイン語圏では、かなりでかい。単にバトルそのものだけでなくて、それの解説やリアクション、批評、色んな周辺コンテンツがたくさんあって、大きな文化を作り出している。


 それで、たまに解説動画を見てみるのだけれど、それを見ると(当たり前の話だが)非常に理解の助けとなる。


 ラップバトルなんかは、MCによってどんな背景を持っているかは異なるし、その開催地、開催規模によっても、前提とする文化背景は異なる。


それで、面白いなと思ったのは、レベルの低い大会では、その低さに比例して私のスペイン語の理解能力が上がるという現象である。

 下手くそと言われている人たちは(いや、即興ラップできてる時点で私からしたら達人なのだが)、使っている語彙も、言い回しも、言う内容も、どうやら単純になる傾向があるようだ。加えて、上で述べたような豊富な文化的文脈をあまり考慮しない、その場しのぎのラップをするから、日本で生まれ育ち、ラテンアメリカの文化コードや前提となる文化を共有していない私でも理解が容易くなるのだろう。最近では、Red Bull batalla nacionalのUSA大会(最近設立されたっぽい)が、そんな大会だった。言ってることはすっごく分かるけれど、上手でもないので、こちらとしても盛り上がれないという、正直微妙な大会だったのを覚えている。

これが、全国大会とか国際大会とか、それくらいの規模になると、レベルが高すぎて、使う単語や言い回し、比喩、色んな面でさまざまな工夫をしてくるので、もう、分かるところの方が少ない。ネイティブだけの世界のできあがりだ。私は諦めんぞ。No me doy por vencido〜(これLuis fonsiだっけ?)


 なんで下手くそと上手な人の違いはこうもはっきりしているのだろう?

私もたまにスペイン語でラップをやってみようと頑張ることがあるから(まあ、スペイン語でなく日本語でやっても、同じことだろうけれど)、彼らの苦しさは分かる気がする。パンチラインばかり浮かぶのなら苦労しないのだ。韻を踏もうとするので精一杯である(私の場合、ロクに踏めないが笑)。

 国際的なステージで第一線を張るあの化け物たちが異常なのだ。

 しかしながら、そのレベルに辿り着くための道筋みたいなのは、なんとなく、知っている(もちろん、スペイン語ネイティブに限っての話)。PapoかDukiだか、Lit Killahだっけ? 誰か忘れたが、何かの動画で言っていた:ただただ努力である、と。一日中、12時間くらいラップをし続けていたこともあったそうだ。

 あの個人的にチリのフリースタイルラッパーNo.1 だと思っているTeorema(異論は認める)も、飛行機なんかで、小一時間は頭の中でラップをして瞑想しているそうな。あ、どうでもいい話ですが、チリじゃ大麻が合法らしくて、YoutubeでTeoremaが普通に吸ってた(fumar)のが割とショックだった(小並感)。まあ、大なり小なり、やってないやつなんていないんだろなー、とは思うけど。


 とにかく、彼らはとにかく努力しつづけてきて、今もその努力をやめていないのである。そこにかける執念が、時おり、私を畏怖させる。

 日本で言うと、M-1とかキングオブコントに人生を賭ける芸人みたいなものなのだろうか。何かそういうエンターテイナーとしての夢を、彼らからは感じることが多い。


 ――このとりとめもない文章を自分で改めて読んでみて思った;ラップは下手くその方が単純で分かりやすいが、文章は下手くその方がごちゃごちゃしてて分かりにくい。


以上。

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