DJ、それは……!(いい比喩が思いつかない)
Red Bull Regionalが始まりましたね……!メキシコは延期?されてしまいましたが泣。今日はチリのテムコでした(11/5/25)。MCたちに不足なし。全体的に良いイベントでしたね~。ただ、観客席が遠すぎるのかマイクに入ってないのか、あるいは単純に死んでるのか、なんにせよもう少し観客の盛り上がりはほしかったっス
【ラップバトルの材料】
・会場 大きさはお好みで
・ちゃんとしたPA
・MC 2人
・ホスト(司会) 1人以上
・観客 適量
・リアクション 大量
・DJ Sonicko
ということで(無理やり)、ラップバトルに欠かせない材料の一つであるDJについて、ダラダラ書いていきたい。
日本のラップバトルについてあまり、ではなくまったく詳しくないので、比較して物を言うことはできないのだが、西フリーでは、DJは非常に責任が重たい。いや、というよりかは、求められるレベルが非常に高い。
DJは、MCたちと同じ舞台に立って、ビートを操る。そしてそのリズムに乗って即興の言い争いが繰り広げられる。すなわち、DJはバトルには欠かせない存在な訳である。
Deluxe modeという、ビート無しでアカペラでバトルする時もあるが、そこでもやはりDJは気を抜くことができない(4小節?×2のアカペラ後にそのまま、しかもいきなり、ビートありの4小節×5に移行するため。FMSだけかな? 個人的にはあまり好きではない形式)。
そう、DJは、気を抜けないのだ。片時たりとも、である。バトルが終わるタイミングを間違えたりなんかすると、去年のRed Bull Internacional 準決勝 Exe vs GazirのRéplica戦(引き分けだった時に決着をつけるためのもう一戦)の時のように、誹りは免れない。JBeats、お前のことだぞ。
MCのラップに合わせてフィルターをかけたりぶつ切りにしてみたり……それだけでなく、たまにMCが「効果音(発砲音のやつ)鳴らしてくれ」とか「ビート切ってくれ」とか言い出すので、瞬時にそれに答えなければならない。
そしてこれをよくやらされているのが、前のエピソードでも名前を挙げた、DJ Sonickoである。
メキシコ出身の彼は、メキシコに留まることなくスペイン語圏全体でインターナショナルに活躍している。
チリならAtenea、アルゼンチンならPacha(かZoneかなあ)、スペインならVerse、カリブ辺りならVshe、といった風に、それなりの大会では地域ごとにDJが大体決まってくるが、Sonickoは割とどこにでも引っ張りだこではないだろうか(もちろん、ホームのメキシコが一番多いだろうけれど)。
その理由は、言うまでもなく、単純に彼の(ラップバトルのDJとしての)スキルにあるに違いない。全くと言っていいほどミスしないのはもちろんだが、緩急をつけてバトルを盛り上げる音の操作といい、そんな彼へのMCたちの信頼といい、どこをとっても西フリー一番のDJと言える。
彼が選ぶ、あるいは作るビートもまた良い。
――日本のシーンでどうなのかは詳しくは知らないが、西フリーでは、バトルで使用される音源はその多くがDJが自分で作った曲である。ビートメイカーとしての顔もあるのだ。
そのため、DJごとにお決まりの曲?みたいなのがある。
たとえばVerseのMétricas(うろ覚え)は有名だが、この曲を聴けば、並のフリースタイルファンなら、Sweet Pain vs Bnet戦(うろ覚え)やFMS Internacional 2021のMecha vs Skiperを思い出す。
ビートとそれを有名にした神バトルもセットで紹介すると面白いかもしれない(自分だけが笑)。
まあ、ともかくとして、MCとDJ間の、暗黙だが密な関係性は、間違いなくフリースタイルの魅力の一つだろう。