衝撃!衝撃!衝撃!
“誰でも聞いたことがあるFLOW集”
https://www.youtube.com/watch?v=gDq8HlYYrT4
日本のラップバトルをもっと知ろうと思って、上記の動画を見た。
衝撃だ!!
――なぜなら、彼らが何を言っているか全く分からなかったからだ!!
こんなの、スペイン語のラップバトルを聴くのと何一つ変わらないではないか!
いや、母国語である分、「聞き取れない」という事実はより重く感じられる。下手をすればスペイン語よりも分からなかった。いや、本当に。
なので(論理の飛躍)、上記の動画のようなバトルを日々楽しんでいる人々ならば、スペイン語のラップバトルも大して違和感なく受け入れられるという確信が湧いてきた。湧いてきたぞ。
この機に乗じて、私も対抗して神フロウを貼り付ける。
"LA ENTRADA ÉPICA DE CHUTY AL BEAT DE REGGAETÓN"
https://www.youtube.com/shorts/qre_LlO31mQ
タイトルを私が訳すとすれば「Chutyのレゲトンビート神入り」だ(ゴミ翻訳)。
日本のラップバトルでそのような概念が人口に膾炙しているかは不明だが、スペイン語のラップバトル(面倒くさいので以下“西フリー”)では"entrada"というものがある。直訳すると「入ること・入場料」だとか色々な意味があるが、西フリーの文脈では「出だし」とか「入り」とするのが適切だろう。
ビートに乗せるタイミング、乗り方、始めに何を言うか etc. その後の印象を決定してしまう様々な要素がギュッと詰まっている頭の部分だ。
日本ではあるのだろうか。その言葉自体は仮に無いとしても、おそらく漠然と入りの良し悪しは感じていることだろう。
……本エピソードは、最初に挙げた動画を見た興奮の余熱で書いているので、これ以上書きたいこともない。しかし、せっかくなので、個人的に好きな入り(entrada)を貼っていこう。URLをコピぺする余力があり、好奇心が旺盛な素晴らしい性格をお持ちのあなたには、ぜひ見てほしい。
そして、再三申し上げるが、これらを楽しむのに、スペイン語が分かる必要は全く無いと思う。なぜなら、私は、日本語のラップを理解することができなかったが、それでもそれを素晴らしいと感じたからだ。
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"VALLES-T vs CHANG - Octavos | Red Bull Internacional 2019"
https://www.youtube.com/watch?v=QMJw4EbEUnc
時は2019年。舞台はRed Bull Internacional。年に一度開かれる、スペイン語圏の大きな国際大会だ。その準々決勝での一戦。コロンビア代表フリースタイラーValles Tとベネズエラ代表のChangの対戦だ。これまた渋い組み合わせなんだよォ~ン。
そして序盤(0:27~)からいきなりこの入り。流石のDoble tempo(ダブルテンポ)。しかもそこから失速することなく上手いこと切り替える滑らかなフロウ。最高です。
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"EL MINUTAZO de ACZINO vs CHUTY | Red Bull Internacional 2023"
https://www.youtube.com/watch?v=O0o9fSa5b0k
(※ちょっと編集がうるさいが、ちょうどこの部分を切り取ってくれている動画がRykerのこれしかなかった)
こちらもRed Bull Internacional。開催は2023年だ。確か準決勝の一戦。組み合わせはメキシコのAczinoとスペインのChutyだ。
この組み合わせだけで興奮しないか!?(しない)
el Diablo(悪魔)と呼ばれているAczinoと、Dios(神)と呼ばれているChuty!あのさ、この組み合わせで外れなわけねーんだわ(第二ラウンドのChutyのレスポンスは後半グダグダで正直微妙だったが)。
入りから最後の最後までたっぷりチョコの詰まった完璧なminutazoだ。minutazoは、日本語にどうにも訳しにくいが、英語でgreat minuteとかgood minuteとか言えばニュアンスが伝わるだろうか。
どうでもいいが、これも私が暗唱できるバトルの一つである(本当にどうでもよかった)。
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"GHETTO y la ENTRADA DEL SIGLO que EXPLOTÓ Redbull!"
https://youtu.be/sDRlBFPPF_I
タイトルを訳すと「Ghettoのレッドブルを沸かせた世紀の入り」。
Red bull 中米大会での一戦を切り抜いた動画だ。いつの大会かは忘れた。
しかし、この沸き様を見てほしい。カリブセクションの大会は観客のノリが大変よろしい。
entradaを語るならこれは外せないだろう。何がすごいって、DJと瞬間的に行われる連携である。初っ端の"ey yo paralo" (hey yo それを止めてくれ)という言葉に瞬時に反応して、ビートを止め、そしてMCのフロウに合わせてこれまた完璧なタイミングでビートを再開する……この時のDJは多分Sonickoだったと思うが、毎度このDJには驚かされる。ヘマをやらかすこともほとんど無いので、安心できる。
あ、DJについても語りたくなってきた!