第五話:side 掛谷
もう一人の実行委員である篠原は休み時間、一人で本を読んでいた。
集中しているところを邪魔するのは少し申し訳なかったけれど、話しかける事にした。
「合唱コンクールのことだけど」
すると、彼女は一瞬視線をこちらに向けると、また本に視線を戻した。
「ちょっと色々話したいことがあって」
「...」
無反応。え、これどうすれば...。
「あの、」
「大丈夫、聞いてる。」
あ、そうなんだ...。
「そ、そう...今日の放課後、空いてる?」
相当驚いたのか、また一瞬だけこちらに視線を向けると、なにか考えはじめた。そして、
「空いてる」
とだけ答えた。
「じゃあ、またあとで話すね。そろそろ授業だし」
これ以上話すこともなかったので、自分の席に戻った。
「なんか感じ悪いな」
席に戻って早々、光太が話しかけてきた。
「そうか?」
「というか、大丈夫か?あの様子だと、女子達相当怒ってるぞ。篠原が呼び出される可能性も高いし。」
「まあ見かけたら止めておくよ」
「お前、見かけたらだと可哀想だろ篠原が。」
「どうにかなるだろ」
「毎回それだよな」
と少し会話して満足したのか、前を向いた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
いよいよキャラクターも増えてきました。
一体合唱コンクールはどうなってしまうのか、最後まで見送ってくださると嬉しいです。
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