第四話:視線
恵美のつっこみが炸裂します。
休み時間、一人で本を読んでいると、
掛谷くんが話しかけてきた。もちろん、周り(特に女子)の視線も一緒に連れてきた。
「合唱コンクールの話だけど」
いやいや、それ以外であなたと話す事ないわ。
「ちょっと色々話したいことがあって」
言葉濁すのやめて?絶対あとで女子に探られるから。
しかも気づけば、男子を含めたクラス中からの視線がこちらに向いているし。この空間にいる、全員が私と掛谷くんの会話に耳を傾けているってことだ。最悪。
「...」
沈黙に耐えかねたのか、
「あの、」
と言われたので
「大丈夫、聞いてる」
「そ、そう...今日の放課後、空いてる?」
その場が凍りつき、女子達の鋭い目線が私に突き刺さる。
痛い痛い痛い。というか勝手に勘違いしてるみたいだけど、私そういう気持ちないよ?ちょっと誘われただけでこれはひどいって。そんなに掛谷くんのこと好きなら、さっさと告白すればいいのに。確かに私に陽キャの事情?はよく分からないけれどさ。今日の放課後、二人きりで、どこかで話すから、それに対して、キレてると。勝手すぎる。迷惑にも程がある。しかも掛谷くんも掛谷くんだよね。「そ、そう...」ってちょっと溜めるのやめて?若干それっぽい雰囲気が出てるから。
「空いてる」
「じゃあ、またあとで話すね。そろそろ授業だし」
そう言ってやっと私の席から離れていった。
はあ、長かった...。またあとで、ねえ。
もうあとで一軍女子に捕まるの確定なんだけど。
これ、かなり面倒なことに巻き込まれたかもな。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
これからまた少し更新できるかもしれません。
選異の方も四話程書けているのでご心配なく。
あちらもそろそろ公開する予定しますね。
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