066 同じ国の言葉
「ニクラウスさーん、どこいったのー?」
「ニクラウスさーん!どこー」
若い同じ服を着た女性が2人、人探しをしているようだ
1人の弓矢、もう1人は長槍を持っており人殺しと言われてもおかしくない格好だが神殿の面々はその顔に見覚えがあった
「いつぞやマの時間の4人の婆さん連れてピクニック来てた人達よね?」
「確かにー!何処かで見たと思ったんだぁ」
「ここでしか見てないと思うけどね」
「そうねぇ〜」
どうやらニクラウスさんは森に迷い込んでしまったらしい
「あやまっちまったな〜」
「あら、方言で漏れてるわよ」
「え、そう?うーん、ちょっと待っててキジぶってくる」
「うん、うん?何してくるって?え?まって!」
一人が走り出し木陰に穴を掘って座り込んだのを確認してもう一人は理解した
「あ、そういうことか…」
「ねぇキョンちゃん、雉なんかこの辺居たっけ?」
「女神ちゃん、【キジぶってくる】はトイレしてくるってことみたいよ」
「へぇ〜野糞かぁ〜」
「ダイレクト過ぎるわ!」
「はぁ〜お待たせ」
「ちゃんと拭いてきた?早くない?」
「まてーにやってきたからさすけね!」
「何言ってるか分からないわ、SASUKEのタイムは待たないわよ?」
「違うわよぉ〜ちゃんと拭いてきたから大丈夫っていったのよ、しょーしぃわ〜
最近ニクラウスさんとくっちゃべってだら、オレもうづっちまっだというか戻っちまっだでな
生まれが同じアエヅって田舎の街でよ、訛りがまだしどいんだわ」
「外国語になってるんでちゃんと聞き取れる言語でお願いしても良いですか?」
「あ、ごめんごめん」
女神ちゃんとキョンちゃんはニクラウスという人が自分の名前をちゃんと『ニクラウス」と言えているのか心配になるほどの訛だ
「もしかしたらニクラウスさん、訛った言葉で呼びかければ来るんじゃないですか?」
「えーそげなこつ」
「有りますって!だって私、ニクラウスさんずっと外国語喋ってると思ってましたもの!言語圏の違う外国人なのに聞き取りできてるって凄いな〜ってずっと思ってましたよ!?」
「ひどいっ!でもわからんでもない…かも
久しぶりに聞いたとき耳がバグったと思ったのは確かよ!」
「それなら思い切り呼んでください!」
「分かったわ!」
訛の強い方のおばちゃんが数回深呼吸して肚に力を溜めて叫んだ
「こっつぁねぇごってこづくってねで、もぁは〜い〜でっしゃころおめは!
いまいっどごじゅはんやんべよー!」
「さっぱり分からない、何語よ?」
「アエヅって言ってたけどどこ?」
「北の国の山の中の方だ、盆地になっていてそこだけ栄えてるんだ」
「モーちゃん詳しすぎ」
「あそこは正しく外国だったよ、騎士団の中に出身者がいて通訳してたくらいにな」
「すげぇ〜」
「でも相手側は同じ言葉を話していると思っているらしいぞ」
「「マジカ!」」
アホ問答をしていると神殿の後ろの森から1人の腰の曲がった金混じりの白髪リーゼントのお爺ちゃんが出てきた
お爺ちゃんの頭は突撃型のリーゼントだが頭の上に乗せているかのように一歩進む毎にパッカパッカと浮き上がり内側のハゲ頭が見える不思議な髪型だ
「しょっけもすっけもねぇんまぐねのいっぺことかせて!いなせわんとおもぁんけぇ!?」
「ほだごど言わっちぇもひぃっしょあんめ!糖尿だれ!わぁがすきんでなっちょん知らんで」
「よしなー、よっぱらだて」
「んだら、はねでけぇ!
あぁもうそっだらしじゃかぶぶんず色にしでぇ!」
「らっちゃぐっちゃねえ」
「もぅうっすらかすらんでの」
「お」
何を言っているのかさっぱり分からん状態の神殿メンバーと介護さん1だがニクラウスさんが介護さんと手を繋いで帰る姿は微笑ましい光景だった
「結局なんで家出?したのか分からなかったね」
「ニクラウスがニグラウスに訛るかどうか聞けなかったしね」
「流石に自分の名前をニクラウスと言えないわけはなかろう…と思う」
「モーちゃんはそこ気にするよね」
「まぁそうだな」
2人だけの秘密の会話…ではないのだが分かり合える人がいるということが心を穏やかにさせてくれるのは間違いない
※同じ言葉でも地域により意味・ニュアンスが微妙に変わることがあります
私の知る地域では上記内容で全て繋がりますが隣町では「繋がらねぇ」と言われましたのであしからず
介護さんとお爺ちゃんの言い回しからして微妙に地域が違います、介護さんの方の言い回しが作者としては難しいです




