054 異世界勇者
僕は日本という場所から転生した魔法剣士ディアドラ、転生前はFラン大学サッカー部(3軍)でモテない冴えないモブ顔の頃と違ってイケメンだ、それに身長も185センチくらいまで伸びて中型マッチョなんていう最高のボディだ
生まれながらに前世の記憶があり産まれたてから毎日魔法のトレーニングを欠かさず、剣や槍、弓の練習も名人達が引くほど繰り返し免許皆伝レベルまで仕上げた
武器は刃の長い十字槍と連弩(諸葛弩)、腰にはサーベル(刀がなかった)を差している
防具はミスリル銀(聖銀)というファンタジー素材は高くて手が出ないのでミソシル銀(聖軽銀)というアルミニウムのような素材を使った軽い防具を使っている、背中に円盾を担げるようになっておりこれもミソシル銀だ
単純なミソシル銀では弱いためるつぼを使ったEFG法というやり方でサファイア化させて鎧と盾を作ったのでほぼ透明、塗料で物理強度を上げて魔法的な模様を入れて魔法対策も施していて見てくれは宇宙刑事に近いだろう、いや寄せたと言っても良い
そしてそんな見た目と合わない武器を使い国を渡り歩き魔物達と戦ってきた、俺ツエーなクールガイだ(自称)
そんなとき、とある街で女神像を動かす魔法使いが居て神の如き力を以て闇に堕ちたダンジョンを制覇したと聞いて興味が湧いて街にやってきた
「女神像は何処に有りますか?」
「魔の森入口だ、森側の門から出て街の壁沿いを歩けば見えるよ」
「ありがとうございます」
「旅の人かい?身なりからして魔の森の王でも倒しに来たのかな?」
「いえ、戦う女神像の噂を聞いてその加護にあやかろうかなと」
「最近減ってきたけどまだまだ噂は広がっているんだねぇ、好景気でいいことだ」
「そうですかぁ、いやぁちょっと乗り遅れたみたいで恥ずかしいな」
「遠くから来たのなら仕方がないさ、ゆっくりとしていってくれ」
ちょっと太ってるけど門番さんは気さくで良い人だ
宿を探すともう昼を過ぎたらしい、こっちの世界の人は昼ご飯はあまり食べないが3食きっちりの生活が身に付いていて何か食べないと気が済まない
「おじちゃん、肉串4本!」「4本!」
「いつも肉ばっかりだけど野菜も食えよ」
「おじちゃんとこは肉が旨いの!」「旨い!」
「ありがとよ」
前に並んでいたのは似たような背格好でフードを被ったイケメン2人、ちょっと憎いが今生はイケメンなのですぐに負の感情は消えた
肉串3本を買い歩きながら食べきり連弩の矢としてセットし森側の門についた
門を出る時にすれ違った金短髪のイケオジはやたらと格好よく男が惚れる男でレ◯ンの表紙を飾れそうなほどだった
門を出たところで40代の女性の牽く荷車に座るお爺さんを見つけた、目は合わなかったが下半身を見られ鼻で笑われた感じがして少し苛ついたのが半分と素人チェリーがバレたか?まさかな…が半分あった
荷車が来た方へ歩いていくとすぐに神殿は見つけられた
「デカぁ!」
女神像は大きかった、3メートルくらいある
「でもこういうのって大体が魔物なんだよなぁ」
ラノベのテンプレを思い浮かべてしまい口に出てしまっていた、慌てて周囲を見渡せばお祈りにくる客はおらずホッと胸を撫で下ろした
「キレイな盾にぶっといデカイ剣か、インテリジェンスウェポンだったりするんだろうか?いつの間にか鑑定とかされてたりして」
近付いて盾をじっくり見回したが異常は無い
「あぁ、名作の移植ゲーになんか出てきたよな
えーっとね、マーの鏡だったかな?レーじゃないし、リーだとジークンドーだし、ルーだとテキトーな返ししかしなさそうだし、ローか?真実ってよりは法的な感じになるな、となると真実の真でマーか?まぁいいか」
麻辣のマーかな?なんてことも思ったりして、麻でも辣でも辛口な感じになっちまう
「あの剣、重たそうだな、いくらインテリジェンスウェポンでも自分で動いてくれれば良いけど持って振り回せないと使えないし意味ないな」
剣の刃の立ち具合も触ってみるとめちゃくちゃ綺麗だった、ずっと台座に刺さっているにしては綺麗過ぎるのがちょっと怪しい
「鑑定出来ねぇ!やっぱり魔物なのかなぁ?単純にレベル高杉の出◯杉英才だったりしてね」
大盾も剣も女神像も鑑定できなかった
「どっちにしろ動かないなら魔物でも何でもいいか、女神様私にもご加護を」
二礼二拍手一礼をして軽い気持ちで街へ戻ろうとすると木の陰から黒いマントが風に揺られているのが見えた
「魔王だったりして」
「よくわかったな!私が魔王だ!」
色黒の野良な魔王は木の陰から姿を現しミュージカルのように大袈裟にマントをバッと開いて現れた
「…なんかすみません、自分の妄想独り言に付き合わせたみたいで」
「えっ、あ、はい」
「失礼します」
黒いノリの良い男の人に悪いことしたなと思いつつ街に戻ると、出る時にすれ違ったグレーのスラックス&ピシッとYシャツに着替えたイケオジが立っていた、まるで0◯7みたいだ
「森側門衛長のダニオゥだ
女神様を見に来た旅人だそうだな、神殿に行ってみてどうだった?」
「女神像は優しく微笑んでいましたね、何処か天然ボケっぽい印象は受けましたけど心優しい暖かさがありました
だからなのでしょうか、ここの人は皆温かい心の方ばかりで洗われた感じがしました
また明日地元に戻ってダンジョンアタックに挑みたいと思います」
「それは良かった、ただダンジョンでは無理しないようにな?何事も生きていてこそだ」
「はい、胸に留めておきます」
内面までイケオジなイケオジに『東京に遊び行ったら有名人と会っちゃった!』みたいなちょっとのドキドキを感じながら服屋に寄ってから宿に戻った
翌早朝、清々しい気分で目覚めた俺はスラックスとYシャツを購入し再び歩いて地元に帰ることにした
「また気分が荒んだらここに来よう、いや!彼女が出来たらが先だな!」
自然とスキップしてしまう、俺ってまだまだ子供だな
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「帰っていったぞ」
「いやぁ良かった〜勘が超鋭いんだもの」
「ほんとにね〜」
「我は褒められてばかりだった」
「魔王も木を背にしていたけどバレたらしい」
「マジで!?スゴ」
数日の間は話のタネになったようです




