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048 全部多難


 夜寒く日中は日差しが温かい春の陽気の下、女神様達はダレていた



「なんだかさ、なんにもする気にならないよね」

「女神ちゃんは元々なんにもしてないけどね〜」

「そだね〜」



 キョンちゃんのツッコミにもテキトーでおざなりな返答をする程にダレていた



「ゾンビとリッチはあんなに必死なのにな」

「モーちゃんも最近動かないよね」

「我はライオネルの動きに合わせてあの槍で重心を取る補助をしているぞ」

「そんな遠隔操作できるの?」

「そんなに面倒なことではないが?」

「すっげー」



 ゾンビとリッチのコンビはまだゾンビが早いがりっちの走る速度もかなりのもの、一歩一歩のストライドがかなり拡がっていて地面スレスレを飛んでいるようにすら見えるほどだ



「我らは元々何もしておりません」

「冬の間は出番もなかった」

「秋もなかったよおおおおお!」



 女神ちゃんは泥人形達を可愛そうだなと思った、だけどそれほどでもないかなと思い返しスルーした



「こうなったら走ってやる!」

「でんちゃんどうぞ」

「どうぞ」

「うぉい!」


 …


「浅い、というか浅はか」

「なんだかな〜」

「女神ちゃんとキョンちゃんの当たりがキツイ」

「だってさ、キレが無いんよ

 ほんのちょっと前のさダニオゥの凹み具合見た?超頑張って雑務こなして褒美なし、夕方暗くなって帰ろうとしたらキラって木に剣が刺さってるかもって期待してさ

 駆け寄ったらカラスの巣に鉄の釘が使われてたってなかなかだよ!?」

「勝てん」

「ぴえん」

「アレは酷かった、カラ巣ぅぅぅだもん」

「でしょー?なんかさ、アレぐらいのキレを求めちゃってるわけよ?」

「なんかすみません」

「でんちゃんを鍛えに修行に出します」

「魔王のところに武者修行だな」

「ええええええええ、俺だけ?」



 女神ちゃんに縋り付くような格好のでんちゃんの表情はより切なそうな顔になった



「良いんじゃない?行ってくれば」

「女神ちゃん軽くない?」

「だって根が真面目過ぎてさぁ、面白みに欠けるというか何か後先を考えちゃってるよね?自分の言葉で終わらせる、絶対落とす!って感覚がさぁ無いんだよね」

「泥人形に求める内容じゃ無い気がするんですけど?」

「そういうとこ!3人の泥人形の中で立ち位置的に一番美味しいポジションじゃない!?キレが欲しいのよキレが!」

「キレったって、どうしたらキレが出るのか…」

「考えずに一言でツッコむのも必要だし、ボケのあとの返しにキレを持たせやすくするとかさ、そっちに頭を使って欲しいかな」

「難しい…」

「ということでいってらっしゃーい」



 でんちゃんは足先から泥の内側のドロドロを放出し分身体を作って行動を開始することにした



「小便小僧」



 でんちゃんが小ちゃい子供になって小さく可愛いイチモツを持って一ボケかましてみた



「下品」

「ペラい」



 泣きそうな顔ででんちゃんは駆けていってしまった



「キョンちゃん、でんちゃん変われると思う?」

「女神ちゃんは本気でそれ求めてる?」

「残念ながら」

「そうよねぇ〜、根が真面目というか吹っ切れてるぶっ飛んでる部分が無いのよ」

「魔王のところで修行してなんとかなればいいけどね」

「で、だれか魔王に連絡した?」

「「「…」」」



 でんちゃんの旅は前途多難だ



「魔王なら今は街に居るよ、アンデッドの騒動でダニオゥの上司の人からお礼に表彰されたんだかなんかで」



 女神ちゃん等はランニング中のライオネル(リッチ)から痛恨の一撃を食らった



「でんちゃん、すまん」



 でんちゃんの旅は前途多難だ



「魔王の城ってどこよ…迷った…帰れない…助けて〜」



 でんちゃんの旅は前途どころか全部多難だ



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