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033 だ女神ちゃん


 出張討伐から2週間が過ぎた



「キョンちゃん、分身できる気がしない」

「うーん、魔力も増えてるんだけどね〜」

「眷属作成も全くダメ、形云々どころか土の盛り上がりすら出ないよ」

「適正が全く0ってこともないと思うんだけどね」

「そうだと良いんだけど」



 女神ちゃんは魔法が苦手だし苦手意識も抜群だ



「あれからお参りが凄いのだがどうにかならないか?」

「女神ちゃんが見下ろしちゃったからね、皆が順に来てるんだよ」

「御利益ではないわけか」

「どういうこと?」



 モーちゃんとキョンちゃんの掛け合いに女神ちゃんが引っ掛かった



「ただただ今を生きるためを願いに来てるのよ」

「普通に生きていればいいんじゃないの?」

「女神ちゃんが視察に来たんだから結果の裁きが無いか聞きに来たんだよ」

「そんな権利なんか持ってないけど」

「だから微笑んで立っていれば大丈夫だよ」

「うん…」



 不服そうな女神ちゃんはなんとなく違うんだろうなと気付いていても何がどう違うのかが分からずモヤモヤのまま過ごした


 それから約1か月の間、参拝客が途切れることは無かった



「そろそろ減ってきたね」

「そうだね」

「うわぁ、久しぶりの人が来た、生きてたんだ」



 一人の腰の曲がったおばあさんが杖を片手に歩いてきた



「生きとるわ!なんならお前さん達より長生きしとる!これからも生きる!」

「念話キターーー」

「『アブレーション!』」

「アバババババババババババンババババ」



 キョンちゃんは魔法のレーザーでキレイにされてしまった



「やっぱり本家本元は違うねぇ〜

 衝撃がフラットで安定してるし細かい溝の汚れもキレイに落ちてる」

「そうじゃろ、そうじゃろ」



 おばあちゃんの耳は尖っているエルフだ

 いつから生きているのか不詳の婆さんだ 



「あんたら地竜狩りしてきたんだって?魔石は女神様が食べたのかい?」

「はい!頂きました」

「私もね、昔食べたのよ、スカイドラゴンの魔石ね、ジャリジャリして美味しくなかったけど肉汁で流し込んだわよ」

「ダイレクトイーティング!」

「ちゃんと焼いたわよ」



 女神ちゃんはドラゴンの胸元を直に齧っている絵を想像していた



「念話を覚えたから今度は皆と話が出来るわ〜

 苦手だったのよ〜、人の心を見るとか空気読むとか超苦手だった」

「そうですよね〜」

「馬鹿にしとるんか?」

「そういうところですよね〜

 掃除に来てくれてたときもベンチでイチャイチャしているカップルとか魔法で浮かせて掃いたあとそのまま落とすから尾骨やっちゃたりしてましたもんね」

「あれはわざとじゃ」

「若い奥様方がお茶会しているときにアバババやっていったり」

「キレイな方がええじゃろ?」

「見えを張った服が汚れてお茶の中にも入っちゃってましたよ?」

「着替えて茶を入れ直せば良かろうに」

「その日はやめて別の日にするとか、一ヶ月くらい開いたってその分汚れるけど別に良いじゃないですか」

「来た時がやり時なんじゃ!」

「とまぁ、そんなところですよね」

「よぅ分からんのぉ〜」



 キョンちゃん的には分かっててやっていると踏んでいたがそうでもなくただの自分本意な行動だったらしい



「まぁ、苦手な魔法でも何百年単位で練習すれば出来るようになるってことね」

「なんじゃ、女神様も魔法の練習かい?」

「はい!眷属作成と分身の練習中です」

「貴女に分身なんか要らないわよ〜

 泥人形作って感覚共有と遠隔操作が出来れば良いんじゃないの?どうせ本体は動かなくて良いんだから」

「あっ、それなら出来るかも!」

「そういうところから方略を練っていくのさ」



 おばあちゃんは厶ッフーっと鼻から息を吐いてドヤ顔をした



「うわぁ〜先生みたいだね」

「魔法学校の先生じゃが?」

「え?」



 キョンちゃんの思考が固まった

 汗腺があればダラダラと汗をかいていただろう



「やはりお前さん達があの娘に入れ知恵したな?」

「…」

「主にキョンちゃんが…」

「!?」

「お前さんかぁ、盾の…本当に良くやった!

 あの世代から絶対でないと思ってた繰り上げ卒業で中枢に送り込める人材が出るなんてねぇ〜鼻高々だったよ」

「それは良かったですね」

「教師冥利に尽きるというもんだ

 いやぁ、齢を取ると話が長くなってダメだね

 また来るよ、変な学生がいたら連れてくるから宜しく頼むよ」

「は、はいぃ」



 嵐のようなおばあちゃんは嵐の如く過ぎ去っていった



「キョンちゃん!血文字!

 あ、り、が、と、よだって」

「前にもあったな…」







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