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030 バンシー


「ちょっとそこのオーク!それ食うな!死ぬよ!」

「ピギャアアア」

「あーぁ」



 バンシーは野草を積みながら食べていた猪人間のオークに注意を呼びかけたが血を噴いて白目を剥いて倒れた、間に合わなかったのだ



「バンシーーーーーー!」

「あ〜泥人形さん達じゃーん、こんばんはぁー」



 しーちゃんがバンシーを呼んだ



「あんな感じで叫ぶんですね」

「うん?まぁ驚きも含めて大体が死ぬんだけどね」

「まぁ手遅れを発見しちゃった感じでしたし仕方ないですね」

「そうそう、フォローありがとう

 でもぶっちゃけ死んで欲しい奴とか早めに呼んじゃう時も有るけどね」

「それ怖い」

「ということで地竜をサクッと殺ってから行こうか」

「いやいや別に殺らなくても良くない!?」

「そうなの?新しい魔王が決まるまでその間はフリーだから楽々かなって」

「それはまぁそうだけど〜

 研修に行かせてくれとか、移籍させてくれとか言いようが有りそうですけど?」

「それで言って駄目なら殺ってくるね」

「う、うん」



 バンシーさんは山を下っていった


 3人は夜の間、冷えて固まらないか心配だったが森林限界より下ってしまえば問題はなかった


 夜はゆっくり休めるかと思って目を瞑っていたが…



『ギョアアアアア!グオオオオォォォォォ』


『キィィィィ

 ア、ア、ア、ア、ア、ア

 ギニャアアアアアアアアア』



 超大型の魔物の太く腹に響くような悲鳴の数分後に何か胸の空く気持ち悪い感じの金切りの大声が聞こえて目を閉じていられなくなった



「嫌ぁな予感しかしない」

「私も」

「ワシも」



 恐る恐る山頂に登ってみると目から血を流してフラフラ歩いてくるバンシーが見えた…



「あれって首反対向き?」

「上半身グチャグチャじゃね?」

「ホラーだな」



 こういう時に居合わせる運の悪い人間が何故か居るもので



「アレ、やべぇ人間いるじゃない

 バンシーがあっちに向かってってるように見えるけど?」

「止める?」

「ちょっと様子見しよ」



 バンシーの視界に人間が入ってしまったらもう遅かった



「キィィイイイイキャアアアアア」

「あ、は、は、は、、、は、、、、は、、、、は…」



 バンシーの金切り声を聞いた人間は呼吸が出来なくなりそのまま息を引き取った、光沢は無く傷も無いが着慣れている鎧を纏った明らかにベテランな戦士が金切り声を聞いただけで全身震えて息が出来なくなりそのまま息絶えた



「ヤバイヤバイ、さっさと逃げよ」

「レッツゴーレッツゴー」

「静かに滑っていくぞ」



 バンシーが危険な存在に変わり果ててしまったため3人は全速力で山を下り始めた



「木が枯れてきてる」

「地面腐ってきてない?」

「魔物も腐ってきてるよぉぉぉ」

「「「ニゲロオオオオオ」」」



 夜の下り道は怖いが草木が腐り始め、葉が無くなったこともあり移動はしやすくなった



「飛ぶ?」

「ゴーゴー!」

「地面に触れてたくない」

「トッビマーーーーース」



 再び三位一体コンコルドで滑空開始、しーちゃんの手綱で飛翔速度を上げていき魔王の領域をあっという間に抜け、さらに危害の及ばない場所まで飛んで逃げた



「逃げ切ったーーーーーーー!」

「朝が来るまで逃げ続けよう」

「それがいい」

「分かった!」



 3人縦並びパシュートで夜間もかっ飛ばしていく3人は行商人や野営演習中の従騎士や僧兵なんかにも見られたが気にせずドンドン先を急いだ


 夜が明け昼頃になりいつもの街が見えてきた、人気のないところで色を塗り直しいつもの場所へ戻ってきた



「「「ただいまー!」」」



 そう言うなりすぐに元の体に納まった



「ココが一番いいよ!」

「間違いないね」

「尻のムカデくらい居たって構いやしねえよ」



 ようやく3人は安心して休むことができた

 そして翌朝、旅の出来事を皆に話して聞かせた



「着いたはいいけど墓が無くなってて…」

「海底神殿でよ…」

「でさ、バンシーがさ…」


「色々あったね〜、長旅予定の強行帰宅お疲れ様

 で、お疲れのところ報告なんだけどさ」

「キョンちゃんが改まって何?」

「バンシーのアンデッドさ、すぐそこまで来てるってさ」

「「「え?」」」

「殺しても死なねえんだと、さっきダニオゥが念話を寄越してきてたんだ

 一直線で向かってるから任せるってさ」

「ちょっと無理です、対処できません」

「だよね〜街はさっさと閉門して任せるって言われてもモーちゃんに頼るしか無いんだけどね」

「出番か、女神ちゃん持ってくれるか?」

「いいよ、やろう!」



 3人の帰宅から1日と半日遅れた夜、狂ったバンシーが街の壁を回って神殿から見えるところにやってきた



「バンシーが来たってことは地竜死んでるってことかな」

「そうだろうね」

「アンデッドになったかもよ」

「それ無法地帯じゃね?」



 泥人形3人の会話にキョンちゃんがツッコんだ



「そだねぇー」

「だよねー」

「そやなー」

「他人事!?とりあえずアレをなんとかしてアンデッドについては魔王に聞かないとね」



 と話していたら魔王がモーちゃんの柄を握っていた



「おぞましい存在だ、クラウゼン・モーよ力を貸してくれ」

「仕方ないな、魔王で勘弁してやろうか」

「ありがとう、共に森の危機を討とうぞ」



 魔王はモーちゃんを抜いて右耳の横に構え魔法を一つ使った



「それ以上動くな『乖離』

 ダメか『夜迷彩』、斬るぞ」

「了解、逝くべきところに送ってやるよ『ホーリーウェポン』」



 バンシーの意識と身体が切り離される魔法を使ったが足は止まらず、魔王は自分を認識させない魔法を使いモーちゃんは聖なる光を放つ剣なった



「キェエエエエエエエエエエエ!」



 魔王は剣を構えたまま走りバンシーを斬りつけるとモーちゃんはタイミング良く聖なる光が強まり周囲には青白い光が拡散した


 光が納まったあとにはバンシーは跡形もなく消滅していた



「まだ脅威は残っているのか?」



 女神様を見つめる魔王の鋭い眼光は怒りと悲しみに濡れていた



「なんで私をみるのさ…」

「え?違った?」



 勘違いで更に関係は悪化するのであった



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