024 ゴッドハンド爺
「見つけた、今は女になってるな」
「ほうほう」「ホォホォ」
「近付くか?」
「そうだな、でも魔王はやめておけ」「やめて」
「何故だ?」
「人間として堕落させる」「させる!」
「どうやって?」
「いい人材がいるじゃないか、交渉は魔王に任せるからな」「からな!」
「お、おう」
イーちゃんが瞬時にプラニングした内容を魔王に伝えると「えげつねぇな」と返答があったものの二つ返事を得られたため3人が別行動を開始することになった
プンちゃんは上空から怪盗ファイアスターの見守り、魔王はとある人へ交渉にイーちゃんは協力者を呼びに移動を開始した
「ダニオゥは居るか?」
「誰だ!?見ない奴だな」
「ダニオゥに至急取り次いでくれ、女神様の協力者と伝えれば分かるはずだ」
「何を?」
森側の兵士詰所で変身したイーちゃんがダニエルを呼ぼうと頑張っていたが話を通してもらえずやきもきしているとトイレから戻るところのダニエルとばったり出くわした
「なんだ?お前は…そうか、早いな」
「頼む、一芝居うってくれないか?」
「分かった、すぐ行く」
「でも兵士長?」
平の兵士にダニエルは止められそうになったがイーちゃんを『看破』で見破り目配せして口角を上げニヒルに微笑んだ
「コイツは、あぁ協力者、密偵とでも言うかな」
「なるほど、子飼いの諜報員ということですか」
「そういうことだ、黙ってろよ?」
「はい!」
ダニエルはコソッとイーちゃんのプランを聞いて口笛で驚きを表現し、行動を開始した
その頃、魔王はとある建物の中で交渉を開始ていた
「こんなにすぐに会うとは縁があるな」
「そうだな、で?なんだ、敗北宣言でもしに来たか?ん?」
「違う、今回は女神様も巻き込まれた事件の犯人を懲らしめたくて協力を頼みに来たんだ」
「ほぉ?話を聞こうじゃないか」
「実はな…」
会って話せばすぐ分かった似たもの同士、話に花が咲きちょっと飲みたい気分にすらなったがグッと堪えて今回の件の協力は締結された
「そこのお嬢さん、大分疲れているようだな、疲労があるならいいところ紹介するぜ?」
ダニエルはカフェでティータイム中の女性に声を掛けた
女性は金の長髪、体型はお世辞にも良いとは言えないぺったんこボディ、顔もそれほど際立って綺麗ではない、普通な感じだ
「おっさん誰?」
「あれ?戦闘職なら知らない奴は居ないと思っていたがまだまだみたいだな
森側門門衛長兼警備長のダニオゥと言う者だ
まだ街に来たばかりで疲労が残っているかな」
「あぁらはじめまして行商人のコーテンです、私はまだ来て数日ってところね」
「長旅の疲労が溜まっているようだ、キレイな人なら大歓迎の場所さ一緒にいかないか?」
「仕方ないわね、恩を売ると思って行くわ
警備長が変なところを紹介なんてしたら大変だものね、もしそうならそれなりに頂くものを頂くわよ?」
「それは楽しみだね」
ダニエルのナンパは成功した、というかナンパで振られることがそもそも少ないほどのイケオジだからこそ容易い内容だったと言える
「ここだ、2階に上がったら店主に任せる
私は後でいい」
「そう?レディファーストなのね」
「そういうことだ、失礼、レディのお客だ、上客用のを頼む」
「分かった、後ろのお嬢さんかな、べっぴんだ
だけど疲れてるね、すぐ始めようか?」
「爺さんかよ」
「爺で耄碌しているから変な気は起こさないようにしてくれよ?心臓が持たないからね」
「大丈夫、ダニエルくらいまでしか許容範囲に無いわ」
「残念じゃな、まずは着替えてきてもらおうか」
「分かったわ」
「では入り口前で待ってるぜ、爺さん」
「任せときな」
ダニエルは一旦部屋を出てドアの前で待つことにした、だがただ待っては居られない!心臓はバックバクで爺さんの施術にも興味津々で無意識にドアに耳を付けてしまっていた
「『下半身無双』の称号って何したら付与されるのだろうか、中々に興味深いな」
冷静を装いながらもちょっと興奮しているダニエルも男、ということだ
「さぁ、始めようかの、ベッドにうつ伏せになってもらおうか」
「こんなに恥ずかしい格好でやる意味があるのか?」
「ワシがやりやすいからじゃな」
「そうか」
女性は簡素な紐パンツに光に当てなくても透けるほどの布を一枚着ているだけ、隠せるとこを必死に腕で隠しながらベッドにうつ伏せた
「では始めるが疲労回復以外に要望はあるかな?」
「特には…ないかな」
「女性としての魅力を上げるためにヒップアップやバストアップなんかもオプションで付けられるがどうする?」
「え?値段は?」
「ダニエル持ちだ、気にするな」
「小顔も付けられる?」
「出来る」
「じゃフルコースで頼みます」
「フルコース、了解しました〜!」
屋根の上にはイーちゃんとプンちゃんと魔王が待機していて施術を見ている、違った、奴がにげないように監視している
「イーちゃんプンちゃん、帰ってもいいぞ」
「ん?でも魔王、帰ってこれなくならないか」「か?」
「一度分身を解けばいい」
「ああ、なるほど!じゃあ帰る」「かえる」
「手柄をありがとよ」
「肉串奢れよ」「おどれよ」
「分かった」
「ヤホー」「ヤホー」
イーちゃんプンちゃんは一度見て飽きていたのでさらっと帰ったが魔王は子供に見せずに良かったとホッとしていた
魔王はそこから人間の体の不思議と下半身無双の爺さんの天下一の技術を目の当たりにして興奮と敬仰、自分の伸びしろを見つけた歓喜をごちゃ混ぜにしたナニカを胸に抱えることになる
ダニエルはドアに当てた耳からの情報を直前に見た内部構造に当てはめて脳内で再構成していたら…『透視』スキルをゲットしてしまっていた
『透視』スキルを使って部屋の中を見ていると屋根から直接見ている魔王を発見したがそれよりも下半身無双の爺さんの技術に見惚れてしまっていた
「終わったよ」
「もう、手も足も動かせない、体が蕩けちゃっや」
「フルコースだったからね
でもそれだけ、最後のサービスはしないでおくよ?初めてということもあるし身体も意識も保てなさそうだからね」
「それは…いつかに取っておこう」
「じゃあダニエルを呼ぼうか」
「え?まだ着替えが…」
「出来んじゃろ?」
「え?」
「罠にハメられたんじゃよ、怪盗ファイアスターさん」
「なぜ!?どうして分かった!?」
「知らん、ダニエルに聞いてくれ、おーい!」
ダニエルは興奮した顔でドアを開けた
「怪盗、捕縛す…してあったな」
「は?」
爺さんの趣味もあり呼ばれて入るまでの数瞬で恥ずかし固めの形に縛られていた
「ダニエルさん、施術代金と捕縛料金で締めて大銀貨2枚でどうだ?」
「安すぎないか?即金で払っていこう、領収書頼むぜ」
「但書きは捕縛協力代としておくよ」
「助かる」
大銀貨2枚は大会社の重役の月給くらいです
「では、また来る
上にいるヤバい生き物にも感謝を」
「伝えておくさ」
ダニエルはついでに縄の取り方と抜けない縄の結び方を教えてもらったが、恥ずかし固めの怪盗を背負って詰所に戻っても恥ずかし固めの縄を取ることはなかった
「クソ!取れ!縄が食い込んで痛い」
「ダメだ、取れなくて丁度良いくらいだ」
「縄抜けも出来ない、どんな結び方してんだ!」
「そういう結び方らしい、親指を脱臼させても手首の茎状突起に引っかかって抜けないそうだよ」
「あの爺め、なんというテクニックだ!」
「あぁ本当にな、舌を巻くよ」
その後も取り調べは数日続いた
今回の窃盗と余罪を徹底追及された後は壁もドアも鉄板で作られた魔物用の重犯罪の檻で判決を待っていた
さらに数日後、ダニエルが手に腕輪を持って檻に入ってきた
「判決は決まった、死罪だ」
「だろうな」
ファイアスターは特別驚きはしなかった
「いつ執行だ?」
「今すぐだ」
「そうか」
流石に今すぐというのは無いだろう思っていた、しかし抜け出すリスクを考えれば当然かと思い顔をあげたらダニエルの顔は半笑いでちょっとイラッとした
「腹の立つ顔だな」
「で、もう一つこれは提案なんだが犯罪奴隷となって俺に仕えて捕まえる側に回る気はないか?」
…
「は?」




