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021 プロポーズ


「僕と結婚してほしい!違うな」


「僕の朝ご飯を毎日作ってくれ!これも違うか」


「君が好きだ、もう離さない!なんか…なぁ」


「一生をもって君を幸せにする、これいいな」



 プロポーズの練習をしている冴えない顔の痩せた男の子が花束を持った設定で女神ちゃんに向かって練習していた



「若さが眩しいわ」

「おばさん臭い言い回しだことで」

「キョンちゃんだってそう思ったでしょ?」

「まぁ、そうね」



 良し!と気合を入れて街へ引き返す道の途中で2足歩行のイノシシこと、オークとばったり出くわした

 


「危ない!モーちゃん助けに入る!?」

「ん?いや大丈夫じゃないか」

「だって丸腰の痩男が敵いそうもないよ!?」

「あぁ、まあ細いが大丈夫だろ」

「え?」


「ピギイイイイィィィィィ…」



 オークは痩男にハグされて物理的に胴体が上下に離れた



「汚れちゃったじゃないか!どうしてくれるんだ全く、焼けて灰になっちまえ」『パチン』



 指を鳴らすとオークに火がついて白い炎が渦を巻いて燃え上り数秒で灰になってしまった



「こっわ」

「大丈夫だっただろ?」

「モーちゃん流石、キョンちゃんの『看破』の結果は?」

「何も見えなかった」

「え?」

「アンチされた感じじゃなくてそもそも見えないレベル差というかなんというか、ここ最近じゃ魔王に継ぐ最強レベルかも」

「マジで!?」

「マジで!」

「バレませんように、祈るばかりだわ」

「祈られる側だけどね」

「言いっこなしで」



 太陽がサンサンと降り注ぐ昼少し前、痩男が両肩を怒らせ緊張の面持ちで色黒バッキバキ筋肉の女性を連れて女神様の神殿前にやってきた



「話って?」

「あぁ、付き合って1年が経って一緒に住むようになって大分落ち着いてきたなって思ってさ」

「お、うん」



 女性の方はこれから何を言われるか分かったらしくダラッとした感じから背筋をピンと伸ばしてたった



「姉さん女房かな?」



 女神ちゃんには女性の方が少し年上に見えちょっとニヤついた



「女神ちゃん、不謹慎

 ちゃんと聞く、応援する、それが女神様!」

「キョンちゃんが真面目ぶってるけど頑張る」



 柔らかい笑みを絶やさず続ける



「だからこのままお互いが年をとってお爺さんお婆さんになっても一緒に居たいって思うようになったんだ」

「うん、私もそう思ってる」

「本当!?同じ気持ちで居てくれて嬉しい」



 痩男がようやく顔をあげて彼女を見つめた



「ノミの夫婦」

「女神ちゃん、不謹慎」

「すみません、応援します」

「そう!」



 女神ちゃんは心を安らかに微笑んでいる



「だから女神様に誓いを立てる為にここに一緒に来たかったんだ」

「うん」

「僕の一生涯を掛けて君を幸せにします、僕と結婚してください」



 痩男はどこかから赤い花束を出して求婚した



「ううん」

「え?」

「私も一緒に幸せになりたいから」

「じゃあ僕と一緒に幸せな日々を送ってくれますか?」

「はい、今が一番幸せ」

「僕はこれからずーっと楽しみだよ」

「愛してる」

「愛してる」



 ムチューっと女神様の前でいちゃつくカップルを見て女神ちゃんは考えた



「ねぇキョンちゃんさぁ、石像ってどうやって子供作るんかな?」

「えぇ!?無理でしょ、無機物の魔物だよ?」

「そっかぁ」

「弟分、妹分は居たとしても子ってどう考えても無理でしょ」

「魔王はどうする気だったんかな〜ってさ」

「そうね、魔王ならなんか出来たかもね」



 キョンちゃんと女神ちゃんが答えの出ない内容

を考えていそうでいない時に泥人形達が話し始めた



「しーちゃんや魔王ってバイコーンだよね?」

「でんちゃんや、そうだね」

「じゃあ一回こっきりで終了だよね?」

「そうなるよね、アレをズドンと一回だけね」

「女神ちゃん穴開くんじゃない?」

「一回ワシで試してみるかのぉ〜!」

「どろちゃんはムカデで十分だから」

「ワシショック」



 いつの間にか痩男とその奥さんが女神ちゃんの方を見ていた



「女神様、僕は彼女と病めるときも健やかなるときも幸せに日々を送ることを誓います」

「私も、貞操を守り彼と幸せに過ごすことを誓います」



 女神ちゃんは感動で頭が光り出してしまった



「お!?なんだ!?なんだ!?」

「祝福の光かな」

「そうか、これが祝福か

 夫婦2人、家族が増えてもずっと一緒だよ」

「うん、ずっとね」



 またムチューっとしちゃったよ、と女神ちゃんはちょっとイジケ気味です



「では女神様、今日はありがとうございました」

「ありがとうございました」



 帰り道、またしても魔物は出てきた

 今度はホブゴブリンという魔物で小鬼が高校生になったくらいの凶暴な奴が2人現れた



「じゃまだね」

「待って、夫婦かもしれないわ」

「なら避けようか」



 ゴブリンの横をすり抜けようとしたが行く手を塞がれ妨害された



「ダメみたいよ」

「仕方ないね」



 夫婦2人、手を組んだまま左右へ引っ張り合いながら走り出す

 2匹のホブゴブリンの首目掛けてツインラリアットを決めて首を千切った、またフィンガースナップ1回で火がつき灰になってホブゴブリンの体は燃え尽きた



「一緒に強くなろう!今度は魔王に会って話をするんだ!」

「それ良いね!私も話を聞きたいわ」

「じゃあ今度旅行で行ってみよう?」

「そうだね」



 そんな気軽に行けるところじゃ無いはずだけどなぁ〜と言う表情で木の上から2人を見る魔王の表情は優れない



「いいなぁ、俺もいつか女神様と結婚式したいな」



 現状ではまだ無理な妄想を繰り広げモヤモヤが残った魔王だった





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