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018 SWGP


 光魔法の遣い手の頂点


 シャイニングウィザードグレイトチャンピオン

 (SWGチャンピオン)


 G・マター


 魔の森の王である魔王を打倒する勇者のポジションに一番近いと言われている男


 近接戦闘を担当する戦士達よりも逞しく

 斥候よりも身軽に飛び跳ね

 魔法を使えばその身を光に変えるスター


 髪は不要、おしゃれなヒゲを生やすくらいで良い

 鋼鉄の肉体に鎧も不要、陰部さえ隠せるパンツとブーツがあれば他に何も要らない

 風でなびく白銀のマント1枚羽織ってリングインだああああああああ



「ウィイイ!イェアアアア!」



 竜でさえ彼の膝の前には目を回し頭を垂れる

 恐ろしい、あの膝には何が詰まっていると言うのか!ミスリルかオリハルコンかはたまた伝説のアダマンタイトかぁぁぁぁぁぁ



「でんちゃんがウルサイ」

「たまに分体作って闘いを観に行くんだけど大好きなんだよ〜、カッコ良くてさ」

「普通に考えたら敵だよ?」

「そうなんだけど、なんて言うかな、憧れと期待に応えてくれる強さととにかく彼が輝いているんだよ」

「へぇ〜」

「キョンちゃんは興味なさそうだね、でもね、見れば変わるよ?丁度良く魔王と相対したし特等席で見ようよ」



 魔王は目を血走らせハァハァしながら女神ちゃんにギリギリ触れないようにパントマイムのように撫で回しており正直超気持ち悪いと女神ちゃんは思っている



「魔王、こんなところで出会うとはな」



 G・マターは右足を庇いながらゆっくりとキョンちゃんに向かって歩いてきている



「誰だ?」



 変態魔王は手を止めて顔だけを向けた



「お前を倒す男、SWGチャンピオン、G・マターだ」

「知らん」

「そうか、とりあえず悪役側で頼むぞ」



 G・マターはマントを脱ぎ捨てパンツとブーツだけになった



「剣も鎧も無しか」

「鍛え上げた体に武器も鎧も不要」

「私の攻撃を全て避けられると」

「受けて立とう」

「意味分からん」

「ならば試して見るか?」

「良いだろう」



 魔王が女神ちゃんパントマイム中の手を離し回り込むような動きでG・マターを観察し始めた



「先に仕掛けるぞ」

「どうぞ」

「連続『フラッシュ!』」

「後光か、眩しい!」



 G・マターは自分の背にゆっくりとした点滅を当てて一歩ずつゆっくりと歩いて魔王に近付いていく



「なぜ、歩く!?」

「花道だからだ、女神様という最高の観客が居るからな」

「つくづく意味がわからない」

「そうか、ならばいくぞ!でぃいヤー!」

「ぐはぁ、普通のケリ!」



 G・マターは魔王に普通の前蹴りを浴びせた



「結構しっかりとした蹴りだな」

「鍛えているからな」

「インパクトの位置をズラしてノックバック効果を付けるとは、やるな」

「そういうタネ明かしは恥ずかしいぞ」

「魅せ方が上手いと褒めているのさ」

「余計に恥ずかしいだろっ!とぉーぁ!」

『べチィィ!』『ドンッ!』



 G・マターは裏拳のような動きで延髄チョップで追撃し前屈みになった魔王に両手を組んでの叩きつけをくらわした



「中々の衝撃だ、内側に響く」

「説明はやめろと言っているだろうが!」



 G・マターは魔王を少し前傾させて足で尻を押しけってつんのめったまま歩かせ魔王を木を背に止まらせた



「行くぞおおおおおお!『ライトニングファスト』」

『ドゴォォォン』

『メキメキメキメキ、ドーーーーーーん』



 ライトニングファストの魔法で光の速度達したG・マターは膝蹴りで魔王の顔面を撃ち抜いた

 膝蹴りの余波で木は爆散し重さのある木の上部分は魔王よりもゆっくりとっ落ちてきた



「これが今代の勇者候補か」

「頭が弾けたはずなのに生きているとはな」

「ただの容れ物さ、分身体だからな」

「残念だ、今日はここまでだ」

「なぜ引く!?」

「夜間警備員が回り始めた、そろそろ街へ戻る

 決着はいずれそっちの城でだ」

「分かった、そなたが来るまで待っていよう」



 G・マターは白銀のマントを拾って羽織って街に歩き始めた

 跛行は開始時よりも悪く、かなり右足は痛そうだ



「あの速度で膝を当てに行くから基本的には膝にもダメージ蓄積してるんだ」

「駄目じゃね?」

「古傷でもあって光魔法でも治せないらしくてね」

「余計に駄目じゃね?」

「あの歩きを観ているだけでもなんとも辛いよなぁ」

「辛いだろうね、痛いだろうし」



 キョンちゃんはあきれ90%だ



「なんという生き様、素晴らしい男だ

 あんな良い漢を失い理由にはいかない、何かポーションでも持っていこう

 分身体2で持っていけば間に合うか」



 首上が無い魔王は徐々に薄くなって消え街の方に近い森の中から別の魔王が銀のスキットル(携帯用ブランデーボトル)に容れた何かを持って追いかけた


 G・マターは足が思ったようでなく何度も立ち止まっては膝を押さえて険しい表情をしていたためすぐに魔王は追いついてしまった



「おい、G・マター」

「ん?何をする魔王!?薬で俺を殺すきか!?決着をつける気はないぞ!」

「最高品質の回復薬だ、これで膝は治るだろう」

「だー!お前、膝が痛くて惜しまれつつ引退って流れが消えてしまうだろうが!なに余計なことしてくれてるんだ」

「えー!もっと戦うんじゃないの!?」

「こんな生き死にに一喜一憂する生活より孫娘を高い高いする方が楽しいし生きている実感がある、いい加減辞めたいんだよ」

「そりゃぁ、なんだ、スマン」

「ちっまた怪我するまでやるか…かーっ面倒なことになったなぁ」

「大変にすみませんでした」

「今回は不問とするが次から急にやるなよ?ちゃんと人の意見を聞け?」

「はい」

「分かったら帰っていい、俺も帰る」



 痛くない右足を引きずって歩くのが上手なG・マターを見送る魔王はしょんぼりしてオーラが消えていた



「どっちもカッコ悪ぅ〜」

「膝治るんかい!」

「魔王凹みすぎぃ」

「あっ、あーぁ灰になって消えちゃった」



 魔王はそのまま白くなり灰が風に吹かれて飛んでいくように消えてしまった



「この辺りで戦闘音が…気のせいか?

 うわぁ大木が縦に割れている!恐ろしい魔物が居るようだな

 今日はここら辺で警備をするとしようか」



 夜間警備員チョスナーが駆けつけたときにはもう誰も居なかった、そして寝た



「コイツで丁度いいわ」

「うん、平和」


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