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【完結】最弱から始まる廃課金ゲーマーのダンジョン攻略~最弱キャラに転生したけど、知識と経験があるので最強です~  作者: 吉良千尋
第4章

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96話 兄弟と兄妹


あの後俺が目を覚ましたのは3日後。

全部夢だったんじゃないかと思った。


でもそんなことはなく、当たり前に現実だった。


村は壊滅。妹は行方不明。俺は反逆者として貴族から追われる身になってしまい、もう1ヶ月も逃亡生活を続けている。


ダンジョンとやらも正直よく分からないし、メルシア王国は勿論、ニフェルタリア全体でも特別変化があったなんて話は耳に入らない。


結局ただの異常者の所業だったんだ。

そう思い込み、唯一の遺体を確認していないルルを探すため貴族から隠れながら、あちこちを転々としていた。


だが、結局俺はなんも情報も得ることは出来なかった。

あてもなく荒野をさまよっていたある日、俺は偶然にも兄貴達の居る支援施設へと辿り着いた。


俺は元々この世界の住人で、兄貴やクラッド達のように召喚された訳じゃない。

ダンジョンに迷い込んできた、って言うのが1番正しいのかもしれない。


兄貴は気付いていないはずだ。

気付かれないように演じてきたから。


裏切るつもりはないし、尊敬しているのも本当だ。


だけど、俺にも目的がある。

ダンジョンの存在が明らかになって、そこに俺がいる以上、アイツの言葉には信憑性が出てきた。


なんでも願いが叶う。


それなら俺は、ルルを取り返す。

目の前にいる黒い影が兄貴じゃないならそれでいい。俺の勘違いならそれが一番いいんだ。


けど、そんな事は絶対にない。

俺か兄貴か勝者は1人。


出来れば戦いたくはないけど、そんな甘い事を言ってられる世界じゃないのもわかってる。

ダンジョンがそう言うのであれば、すまねぇ兄貴。


俺は──。


「あんたを超えるよッ!」


【スキル 鬼神化Lv2を使用します】


【攻撃力、防御力がアップしました】


【状態異常無効、全てのダメージが32%減少します】


【白炎により与ダメージ10%のHPが回復します】


【スキル 小覇王Lv8を使用します】


【スキル 小覇王Lv8の効果により、HPMP共に一定時間毎に減少を続けます。この効果は総HPMPの75%分が減少するまで持続します。HPMPが1%減少する事に、基礎ステータスが0.8%上昇します】


【パーティでの戦闘の場合、追加でパーティメンバーの全ステータスが8%上昇します】


【ソロでの戦闘の場合、全ステータスが更に15%上昇します】


──小覇王減少効果はかなりヤバいけど、短期決戦しか勝機はない。それに回復手段のある鬼神化と小覇王はかなり相性がいい。


鬼神化の白銀のオーラと、小覇王の紫色のオーラが混ざり合い俺を包み込む。

鬼神化は鬼族の秘薬を飲んだ時にスキルが変化したものだ。


クラッド達には見せてるけど、兄貴にはまだ見せたことがない。

兄貴の背中を預かる時に見せようと思っていたけど、まさかその真逆の展開になるなんて思いもしなかった。


でも俺はルルを生き返らせるんだ。例えどんな手を使っても。


「──いくぜぇぇぇッ!」


鬼神化の能力の1つである白炎を拳と関節に纏い、火力の底上げと同時に速度も上昇させる。

かなりの負荷がかかるが相手が相手だ、そんな事も言ってられない。


足から白炎を噴射させ、瞬間的にスピードを爆発させる。

軌道は最短。直線だ。


それと同時に、影も同じ軌道の突進。

双剣を振り下ろし、拳と衝突。


「グッ……おらぁぁぁぁッ!」


普通にやっていては明らかに火力負けすると即座に判断し、肘から後方へと白炎を噴出させ強制的に威力を上げる。


だがそれでも拮抗する程度。

押し切るまでには至らない。


お互いが連撃を仕掛け、1合打ち合う事に衝撃波が辺りに流れる。


俺が一発入れる間に相手は2発。速度の差がありすぎるんだ。

剣を弾きながら反撃に出ているが、俺だけダメージを負っている。

だけど、時間が経てば経つほど差はほんの少しづつ埋まっていく。


この調子なら小覇王の効果がマックスになれば、何とかなるかもしれない。


──分かってたけど、やっぱりクソ強ぇ。 てか、当たり前だけど前より数段強くなってる!


しばらくの間、時間稼ぎに徹しながら打ち合っていると、ふと剣から放たれる雷と拳に纏う白炎が混ざり合い、小規模な爆発を起こす。


お互いが吹っ飛ばされ強制的に距離が生まれる。

空中で回転し、受け身を取り体勢を立て直す。


回転する視界の端で影が地面に飲み込まれていくのが見えた。


──やべぇッ。


それと同時に背後に気配。

兄貴のよく使うスキル、影化だ。


コンマ数秒反応が遅れ、回避は絶望的。


「だけど──ッ」


俺は白炎を背面から大量に噴射させ、攻撃と防御を同時に行った。

MPの消費後激しいけど、ケチって勝てる相手じゃない。


しかし再び影化を使われ、今度は正面に。


そして同時に威神力で押しつぶされる。


「ガッ……くそ、反則だろ!」


次にくるは刃から放たれる雷撃。

白炎を纏い防御するが、それを貫通し焼けるような痛みが全身を襲う。


だがそれだけでは終わらなかった。

冷たい鉄が横っ腹に差し込まれる。


直後、大量の血液が腹部から噴き出す。

が──


「だけど、捕まえたぞ! 速度に差がありすぎてほとんど俺の攻撃は当たらねぇ……それなら、当たるようにすればいいだけだッ!」


小覇王の効果も相まって現時点でHPは残り40%くらいか。

ちまちまやってたって消耗してやられるだけだ。


──それなら今この瞬間に、全力の一撃をお見舞いしてやるッ!


【スキル 崩拳を使用します】


小覇王のサブスキル。

階層につき1度しか打てないけど、威力は段違いだ。


「兄貴、死なないでくれよ──」









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