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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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第8話 部長

俺達の目論見通り、オサイは真面目で優しく、そして根気強く言葉を教えてくれた。


3人で一緒に飯を食いながら楽しく言葉を覚えていった。

マッサージやストレッチも一緒にやったら、オサイも体の調子が良くなったのかとても喜んでいた。


しかし、オサイは真面目過ぎた。

仕事中にまで言葉を教えようとしだした。


『ゴゴゴッ』という音でかき消される。

そして、俺も日吉も耳栓をしている。

まったく何を言っているのか聞き取れなかった。


そして案の定、オサイは俺達に聞こえるよう大声を出してしまい、イカつい監視員に見つかった。

棒から引きずり出されるオサイを、俺と日吉は慌てて止める。

まだまだ全然言葉を覚えていないので、2人でジェスチャーをして言葉を教えてもらっていると必死に擁護した。


結果、全然通じず。

俺達は、オサイの分まで愛の鞭を受けまくった。


その間、健気にもオサイは精一杯大声を上げて俺達を助けようとしていたと思う。

『ゴゴゴッ』っていう音であまり聞こえないし、聞こえていても意味は無さそうだった。

俺達にありがたい教育を施している監視員がめちゃくちゃ楽しそうだったからだ。

多分じゃなくて、確実にドSだ。


俺と日吉が何かに目覚めようとしている頃、ようやく止んだ。

いや、別の監視員から止められていた。


止めた監視員は他のイカつい監視員とは毛色が違っていた。

全然イカつくない。でも何か強そうで、歴戦の風格を持っていた。

そして、相変わらず喋っている内容は分からないが、とにかく偉そうで、上から指示を出してる感バリバリだった。


俺達は、この歴戦の監視員を『部長』と呼ぶことにした。

ただし、『こっちの世界の部長』は何故か、気品もあった。


「部長。助けに入るのが遅いですよ。」


「イテテッ。先輩。そうですね。その辺も前の会社の部長とそっくりですね。」


その場は部長の助けもあり、なんとかお開きになった。

オサイと一緒に3人で仕事に戻る。

仕事終わりにめちゃくちゃオサイから謝られたが、気にしないでくれと慰めた。


「ボールペンや消しゴム。最悪イスが飛んでくるのと変わらないですよね?先輩。」


「ああ。俺達は悲しいかな慣れている。問題ないさ。」


と、2人で言ってもオサイには通じないので、笑顔で簡単に「昔と一緒。」と現地の言葉で言ったらドン引きされた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] いつになったら奴隷から脱出出来るのかという点。 [一言] お願いだから早く2人を普通民にランクアップさせてください。 このままだと、 我が家のバスタオルが全て涙でグショグショになって…
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