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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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第87話 単独Ⅱ

俺1人でこの装置始動をやる事になった。


その為にはまず止めないとな。止めることは簡単だ。押さなければいい。


日吉も抜けて、ハーシャ奥様と一緒にある程度距離を取って下がっていった。

俺1人で押してますよ?というアピールの為らしいのだが、日吉は多分、少しでも復帰を遅くして休憩したいだけだと思った。


さて、俺も押すのを止めるかな。


押さなければ、このクソ重い装置は数秒も掛からずに止まった。

止まった事を確認し、周りにも確認すると、近くに居たハーシャ奥様がまず頷いた。

奥に控えるガイ部長、ヒューメル大隊長、ロン様、ミラ様がそれぞれ順番に頷いた。


では、始動させますか!


普通に押そうとするとコレが結構大変なのである。

しかぁし!普通じゃなければ良い。簡単な事だろ?


力が足りないのならば、それなりの力を持てば良いのだ!

普段から日吉と色々相談していたんだ。

今もムキムキなのだが、更にムキムキになれば良い。そこで閃いたのがド○ゴンボールだ。

か○はめ波を撃つ時の亀仙人のように体を大きくすればいいのだ!

ロマンがあって、しかも面白くて楽しそうだろ?


俺も日吉も頑張って出来るようになった。

だが、実はこっそり日吉には黙っている事がある。

日吉が休みだったり、石集めの時とか居ない日に練習して、その先を編み出していた。

俺は亀仙人では無い。○リーザ様になっていた。更に変身出来るようになっていた。


だってそうだろ?

体を大きくしちゃったら、色々不便だからな。

ト○ンクスの失敗のようにスピードが下がるかもしれないだろ?

まぁこの仕事、スピードは全然要らないから、ぶっちゃけどっちでもいいんだけどな。

それでも、物は試しだと、俺の最終形態は、普段の時と同じぐらいの体サイズへ力を圧縮、詰め込む感じでやったら出来た。

「私の戦闘力は……」なんて言ってみたいだろ?


といっても、あまり力を出し過ぎるとこの装置が壊れてしまう。

1人も慣れたし、亀仙人モードでも十分だろう。


よし!いっくぞー!

お湯を作る時と同じだな。

要は……気合いだ!気合いだ!気合いだー!


「うおぉぉぉーーー!……よっこいしょっと!」


体を人一倍大きくしてから、棒が折れないように慎重に押し出す。

特に1人の時は、作用する力が多く要る割に一方からしか力が無いのだ。今押してる棒から悲痛な悲鳴が聞こえる気がするんだ。

初めはゆっくりゆっくり押し出して、動き出したら更に少しずつ力を込めていくと、だんだん棒はいつも通りに動きだし、再び装置は稼働し始めた。安定速度に達したら、近くで待機していた日吉も合流して、普段の体に戻り、またいつもの仕事風景になった。


うんうん。これで無事、単独始動依頼は完了だな。


満足そうに周囲を見たら、この依頼を出していた観客達が騒がしかった。


ヒューメル大隊長は、剣を抜いて構えていた。

あれ?速度が速かった?ケツバットの計なのか?


ロン様は魔法陣を展開していた。

おお!カッコイイ!俺達も魔法使えないかな?


ミラ様はステッキを構えて、透明のガラスで周囲を囲っていた。

まさかガラスを持ってきたなんて事は無いから、あれも魔法かな?でもあのステッキってことは魔道具の効果かな?


そんな3人をガイ部長とハーシャ奥様がなだめ、落ち着かせていた。その後、また5人で内緒話が始まっていた。


「日吉。俺、何かおかしかったか?」


「いいえ。先輩。いつも通りでしたよ?」


「だよな。何かあったのかな?」


「さぁ?どうですかね。自分達には気づかない大事な事でもあったんじゃないですかね?」


「そうだな。管理する側も大変だもんな。とにかく仕事だな。」


「うっす。今日も頑張りましょうね!」

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